いちご×ロック

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 67
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065227596

作品紹介・あらすじ

突如エアギター渦に巻き込れ翻弄される地味メガネの女学生苺に胸きゅん!
更に私が伝説のエアネスとして活躍する痛快青春文學の決定版!
──ROLLY

受験に失敗し、滑り止めの高校に通うことになった海野苺。そのショックで、友達も作らず、「ぼっち」な毎日を過ごしながらも、クラスのイケメン・シオンへの秘めた恋心をあたためていた。ところが、そんな想いもあっけなくバレ、あえなく撃沈。傷心の苺に追い打ちをかけるように、父親がとんでもない事件を引き起こし、警察のやっかいになることに……。お先真っ暗の苺は、江戸川河川敷で謎の集団の奇妙なパフォーマンスに遭遇する。仙人のような大男、学校1の問題児・笠間緑、そして苺を振ったシオン! 3人が繰り広げるのは……エアー・ギターだった!

感想・レビュー・書評

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  • 〇ビックリするぐらい面白かった
    タイトルとカバーイラストからの印象よりも、ロックでとんがってた

    海野苺は、人生最悪の土曜日に授業をサボって河川敷でクリームパンをかじっている
    受験に失敗して通っている滑り止めの高校で試験は2度とも25位、母からは期待することを諦められ、学校ではうっかりした告白で振られ、家にかかってきた一本の電話で家族の日常は壊された

    クリームパンを半分残し袋に戻したとき、ドドドドっと太く重たい音が聞こえてきた
    ドラムの音だ
    世界で一番会いたくない男の子が叩いている
    奇妙な仙人みたいな男が奇声をあげてエアなギターを弾いている
    ミルクティの髪にウルトラマリンブルーの瞳の女の子が、調子っぱずれのアルトで歌っている

    わたしはドキドキしている
    「たくさんいる観客のひとりだった女の子。忠の傍観者だったのに、急にステージに上げられて、プレイする側になった。ロックスターに出会い、そして、変わる…」

    〇登場人物みんな口が悪いんだけど、どっこい生きていく…みたいな
    いろんなことが解決してないんだけど、そやなしょうがないな…みたいな
    なのに、胸がすくのは「人生と、わたしと、わたしらしさについて。」主人公が自分だけのボリュームで15秒をつかもうとしてるからかな
    〇家族でも友だちでも、信頼することは難しい

  • 「受験に失敗し、滑り止めの高校に通うことになった海野苺。そのショックで、友達も作らず、「ぼっち」な毎日を過ごしながらも、クラスのイケメン・シオンへの秘めた恋心をあたためていた。ところが、そんな想いもあっけなくバレ、あえなく撃沈。傷心の苺に追い打ちをかけるように、父親がとんでもない事件を引き起こし、警察のやっかいになることに……。お先真っ暗の苺は、江戸川河川敷で謎の集団の奇妙なパフォーマンスに遭遇する。仙人のような大男、学校1の問題児・笠間緑、そして苺を振ったシオン! 3人が繰り広げるのは……エアー・ギターだった!」

  • 人生どん底状態の高校生海野苺が出会ったのはエアギターだった。
    自分に家族にわからない何かに対する怒り。ハミダシモノたちに巻き込まれながら、本当の自分になるために爆発する。
    一気呵成の痛快青春小説!オールオッケーでなくとも、今この時光り輝いている。

  • “机のすみの消しゴムかす”みたいに地味な海野苺(うみの いちご)

    高校受験に失敗し、できる姉と差をつけられるばかり
    おまけに初めて失恋したうえ、父が痴漢の容疑でつかまってしまう

      叫んでやろうか。
      クソくらえ。

    どん底暗黒最悪人生の高1女子が出会ったのがエアギター

    風変わりなバンド「江戸川ラ・ボエーム」に集まったハミダシモノは
    イケメン秀才で学校の王様のシオン
    カラコンをつけた学校一の問題児ロク
    ヒゲとメガネで表情のわからない仙人のようなコーギー

    ロクにたぶらかされてのめりこんだエアギターの世界で苺は“ストロベリー”になって爆発する

      キュイーン!
      まずは一発鳴らして、右手を大きく振り上げた。

    『奏のフォルテ』『となりのアブダラくん』の著者が THE STRYPES の“EIGHTY FOUR”にのせて贈る《痛快青春文學の決定版!》──帯のコピー、2021年4月刊

    物語のモチーフを巧みに配したカバーイラストはインパクト大
    高校生のロックな会話がリアルに響く文体にめまいがしそうな一冊

  • めちゃくちゃ良かった。

    いちご×ロックのタイトルの意味、
    表紙のイラストの感じ、
    読み終わったあとに最後にばちっと繋がります。
    最高にロック。



    ウルトラマリンブルーのカラコンに金髪のロクと
    なにもかも普通どん底女子高生、主人公いちごが出会った時、物語がはじまる。
    友情物語だし、自分を探す物語でもある。

    男とか女とか関係ない、自分は自分。
    ストレートなメッセージがまたロックでかっこいいの。
    これは作中に出てくるロックをBGMに読みたいな〜〜

  • 疾走感ある文体で一気に読了。エアギター、10年位前の映画「トイレット」の一場面をふと思い出した。最初は滑稽に見えるけど、本人の真剣さと説得力のあるパフォーマンスで観客を魅了する。見えないものを信じさせる力。本気とか怒りとか愛とか言葉にし難いもの。著者の他作品でも思ったけど、自分らしさ、自分が自分でいるために、という思いが爆発してる感じ。足掻いて藻掻いてシャウトする。ロックです。タイトルの赤い✕はいちごが口紅でつけた✕ですね。そして掛け合う二人。うまいなー。

  •  良くも悪くも青春、って印象。
     たしかに一度でいいから人生はみ出してみるのもいいことかもしれない。はみ出すことで見えてくることもあるだろう。
     今まで立っていた場所が本当に自分にふさわしいのか、一度はみ出して客観視するのもまた乙なものだろう。

  • 人生の10秒間を燃えるエアギターに取り組む女子校生。親の許可を最後に得て人生で一度の舞台に立つ。

  •  高校受験に失敗して、両親から見放されたと感じている苺は、やる気のない高校生活を送っていた。加えて、父親に痴漢の容疑がかかったことで、家族への不満も爆発寸前だった。
     そんな時に、変人ロクに出会い、何故だか見込まれてエアギターに誘われた。日頃のうっぷんを吐き出すにはいいかも。

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著者プロフィール

作 黒川裕子(くろかわ・ゆうこ)
大阪府生まれ。京都外国語大学学士、エディンバラ大学修士。2017年に第58回講談社児童文学新人賞佳作入選、『奏のフォルテ』でデビュー。小学生向けから中高生向けまで、幅広いテーマの児童書を執筆している。おもな作品に『天を掃け』『となりのアブダラくん』『いちご×ロック』(すべて講談社)などがある。千葉県市川市在住。

「2021年 『#マイネーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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