ビザール学園

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 65
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065260302

作品紹介・あらすじ

【bizarre 怪奇な、奇妙な】
奇怪な学園ドラマを読み進んでいくうちに、いつの間にかモラルや正義や良心が解体され、私の心の中に本物の地獄が形成されていた。―黒沢 清(映画監督・「クリーピー 偽りの隣人」、2020年度キネ旬ランキング1位・ベネチア映画祭監督賞「スパイの妻」〉ブックデザイン:坂野公一(welle design)

学園にはびこる陰鬱とした空気感と生徒たちの間で囁かれる不気味な噂を巡って、どんどんスト-リーに引き込まれていきます。―人気YouTuber キリン考察系〈チャンネル登録数185万人〉

実を言うとこんな学園で教えるのは、私も嫌だ。『クリーピー』よりも、もっと“ビザール”で恐ろしい世界を描いてみた。そんな恐怖に満ちた学園の雰囲気をお召し上がれ。―前川裕(著者)

名監督・黒沢清で映画化された衝撃的デビュー作『クリーピー』以来、
一貫して猟奇事件/サイコな人間をえぐるショッキングなミステリー作品を発表し続ける著者が放つ、
虚飾と嘘に塗れた進学校を舞台にした、薄気味悪さ最高の学園猟奇ミステリー。

大手予備校の人気講師から転身し東京郊外の進学校・綾西学園へ転任した男性教師・三隅。
赴任時に彼を迎えた校務員・高木の嫌な雰囲気に、三隅は過去のトラウマ的記憶を呼び起こされる。
学校の実態は、理事長の下僕のような管理職や体罰肯定の体育教師が幅を利かせる表向きとは正反対の時代遅れな組織。
さらに生徒たちに蔓延する、この学園は呪われているという噂。
噂の裏には学校敷地内での忌まわしい未解決事件があった。
そしてついに女子学生がその禁忌の場所で、むごたらしく死んでいるのが発見される……

感想・レビュー・書評

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    ビザール学園/前川裕

    大手予備校から学園の理事長に引き抜かれて
    転職した人気英語教師の三隅。

    東大進学者が毎年多数出る自由な進学校という
    触れ込みだったが、その中身は厳しい拘束と
    体罰、教師の上下関係に縛られた場所だった。

    担任を受け持つことになった三隅のクラスで
    生徒の不審死が発生する。

    自殺と他殺、そして20年前に起こった事件との
    関係について憶測が飛び交う中、事件は続く。

    犯人は一体だれか。
    そしてその動機はなんなのか。

    最後に近づくに連れて醜悪さが増します。


  • 悪の教典 味があった…懐かしい

    まず千葉郊外の進学校、東大にも何人も輩出、という設定で、いくつか思い浮かんだ(ほんのり事実に近い設定を入れられると臨場感が増す気がする)

    裏山で過去に起きた幼児の転落死亡事件や、主人公の赴任してきた教師はもと予備校の人気講師だが過去に恐ろしげな同級生がおり校務員の男と義眼繋がりという現実ではどだいあり得ないミステリ感が
    いい具合に、全体に不穏な影を落としている。

    一癖ある教師たちの書き分けが、読んでいて純粋に楽しい。

    途中で、いや、この女性怪しくないか?
    と真犯人予想していたが(東大卒、美人、おかしなくらい潔癖で生真面目)主人公が親密になって行ってしまい、
    性同一性障害(フリの可能性あり)で一人称が『僕』のインサート部分の当事者とは、一本取られた感。

    最後はほんとに悪の教典(笑)

  • 導入部分の言い回しやキャラクターの濃さが特徴的な1冊でした。個性的な先生揃いで印象に残りました。

  • 大好きな学園ミステリー
    しかしロクな学校じゃねぇなぁ!な展開。
    終始鬱々としていて体力が奪われる読書となりました。

  • 「ビザール」とは「怪奇、奇妙な」という意味。そのタイトル通り、実に不気味な物語です。爽やかさのかけらも感じられない(笑)学園ミステリ。
    進学校・綾西学園。過去にも事件があり、「呪われた場所」と呼ばれたそこで始まった事件と、それから連鎖するように次々起こる惨事。鬱々とした空気に満ちた中で事件の真相を探る新任教師の三隅と、彼を取り巻く複雑な環境、入り組んだ人間関係。様々な問題はあるものの、それらはどれをとってもそこらにありそうな印象なのですが。しかしこのように集まってしまうとどうにも気持ち悪く感じられます。誰を見ても怪しい……。
    しかしこの不気味さの真骨頂は、真犯人が判明した後かなあ。その前のあの人の暴走からしてもとんでもなく怖かったけれど。真犯人、怖すぎますって。しかもどこまでがあの人の策略なのか、作為なのか……それが分からないところも不気味。ねばつくように重苦しく、どんよりとした読み心地でした。

  • 予備校の人気講師である三隅は東京郊外の進学校へ転身する。そこはその名のとおり「怪奇な、奇妙な」雰囲気漂う学校で生徒の死が続く…。相変わらず気味の悪さと淫靡な雰囲気と謎解きの楽しさを味わいながあら読了。満足。

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著者プロフィール

現在、関西学院大学理学部准教授・宗教主事。2010 年より日本聖公会京都教区ウイリアムス神学館非常勤講師。
著書『新約聖書解釈の手引き』(共著、日本キリスト教団出版局、2016 年)、『新約聖書の奇跡物語』(共著、リトン、2022 年)訳書E. ギューティング『新約聖書の「本文」とは何か』(新教出版社、2012 年)、R.カイザー『ヨハネ福音書入門―その象徴と孤高の思想』(教文館、2018 年)など。

「2023年 『今さら聞けない⁉︎キリスト教 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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