オリーブの実るころ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065279502

感想・レビュー・書評

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  • 表紙はガリップと夫かな

  • 育った環境も考え方も違うふたりが、一緒になって新たな家庭を築く。
    「だから、100組いれば100通りの結婚生活があるんだな」
    と妙に納得してしまいました。
    そして、どこのご夫婦も、ちょっと不実なものを抱えながらも、夫と妻を演じているのかもしれない、と。

    中でも「家猫」が一番記憶に残りました。
    毒義父母、モラハラの人ってこういう考え方なのかと。
    人は、自分が見たいようにしか物事を見ないものなのだと。

  • 表紙の可愛らしいイラストと違って、結構パンチの効いた短編集だった。
    ほっこり感はゼロ。
    「ガリップ」はもうホラーと言っても良いかも。
    読後感はスッキリではないけど、読みやすかった。

  • 結婚をめぐる短編集
    序盤は連作ぽかったが
    途中からは別々の話になる
    川端康成が死んだ日が好き

  • 結婚にまつわる短編集。
    「家猫」「ローゼンブルクで恋をして」「川端康成が死んだ日」「ガリップ」「オリーブの実るころ」「春成と冴子とファンさん」

    そしてふたりは結婚しました。めでたしめでたし。

    では決して終わらない、ほんのりとした悲しさと苦さのある、それでいて童話的な浮世離れした顔を持つ、不思議な物語たち。
    「結婚」それ自体が、厳しく現実的な面と夢物語みたいにフワフワした面をあわせもつ、矛盾をたっぷりと含んだものだからなあ。
    すべての短編に、砂糖菓子のようなロマンチックさと、鋭い刃物のように不穏な危うさが同居している。一度読んだら心のひだに張り付いてずっとヒリヒリさせてくる。そんな一冊。

    特に白鳥との30年にわたる三角関係を描いた「ガリップ」と、人妻が不倫逃避行の途中で文豪と会話を交わす「川端康成が死んだ日」が印象的。

  • 「家猫」「ローゼンブルクで恋をして」「川端康成が死んだ日」「ガリップ」「オリーブの実るころ」「春成と冴子とファンさん」からなる6つの短編集。
    表紙の絵もタイトルもメルヘンで可愛らしく、恋愛や結婚がテーマのラブコメかな?と思いきや、必ずどこかで「おお!そう来たか」的な展開に、甘くほろ苦くそして心地良く裏切られながら一気に読了。

  • 中島京子さんの短編集
    さすが〜の視点で、人と人との関係を描いてる

    家猫
    ローゼンブルクで恋をして
    川端康成が死んだ日
    ガリップ
    オリーブの実るころ
    春成と冴子とファンさん

    家猫:

    息子
    息子の元妻
    息子の現在の若い彼女

    猫は複数排卵で違う父親の子を産むらしい


    ローゼンブルクで恋をして:
    馬淵ひろし
    ひろしの父
    ひろしの妻 紗枝

    桐野ゆか
    終活

    父の昔の恋

    ローゼンブルク 茨城
    ノートメアシュトラーセ 
    ヒューゲルベルク 岡山市
    ブライテンインゼル 広島市

    川端康成が死んだ日:
    仕事で家にいない父

    モハメド・アリが好きな兄


    舛岡さん 葉山

    母はついに子どもを置いて、
    舛岡さんのところへ

    「末期の眼で見る世界」
    を共に見た川端とおぼしき老人と母

    モス・バーガー
    クリームソーダ
    コーラ
    チキンラーメン

    ガリップ:
    白鳥
    トルコ語でかわいそう

    水田蘭
    陽子

    想像妊娠
    長野県の実家
    諏訪湖のわかさぎ釣り


    オリーブの実るころ:
    近所に越してきた老人ツトムさん
    オリーブの苗を植える

    青大将
    祠ほこら

    ノエさん 野枝

    ツトムさんの恋


    春成と冴子とファンさん:
    息子の宙生そらお
    お嫁さん 

    父、春成さん
    母、冴子さん、パートナーファンさん




    #NetGalleyJP

  • この著者の短編は初めて読んだが、短編もいい感じで中島ワールドだった。
    なんとも言えない味わい深い物語たち。

  • ありそうでなさそうな、今いる自分の日常から少し離れたところにある、結婚にまつわる物語6編。ちょっとクセになる。コハクチョウの話は、ちょっとシュールだが、個人的には一番気に入ったかな。

  • どのお話もちょっぴり不思議な話だけどどれも面白い◎
    ゾワッとしたり、ほっこりしたり、切なくなったり…結婚にまつわる短編集でいろんな感情を味わえる!

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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