地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065292563

作品紹介・あらすじ

全国の不動産関係者、デベロッパー社員必読。積水ハウス、アパグループ…不動産のプロがコロッと騙された複雑で巧妙すぎるその手口

感想・レビュー・書評

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  • 先に『地面師たち』を読んでいたので、情景がリアルに思い浮かべられた。

    不動産詐欺はそもそも立件が難しく、地面師たちはその点を突いてくるという実態が分かります。

    被害者側デベロッパーも、個人では全てを理解し判断できないので、チームを組み弁護士、司法書士などと連携せざるを得ない。

    しかし、人数が増えればそこには責任の不在という問題が。

  • 少し前に新聞報道でにぎわった
    積水ハウスが地面師に騙された事件について、
    詳しくて知りたくて読んでみました。

    読んでみて初めて気が付きましたが、
    この本って、積水ハウスの事件だけを取り扱った本じゃなかったのね。。汗
    ちゃんと確かめなかった自分が悪いんだけど、
    ちゃんと読んだらそれなりに面白そうな本ですが、
    今は時間がないので、積水ハウス事件の部分だけを読んでみました。

    積水の部分だけを知るには、もうちょっと深掘りして欲しかったところですが、
    パスポートなどの本人確認書類や印鑑の偽造など、
    結構何でも出来ちゃうもんなんですね。
    自分も昔、不動産に携わったことがあるから、
    何となく土地や建物の取引をするときの様子が分かるけど、
    詐欺師が本気を出したら見破るのは中々難しいかも…と感じました。
    その中でも、「何か怪しい」と動物的勘が働いて、
    取引から抜ける不動産会社もいるにはいるんですが。
    加えて、詐欺師側も中々逮捕されないように工夫もしているみたいで、
    正直読んでいて気持ちのいいものではなかったですね。

    著者としてはこういった闇の部分を
    少しでも一般人に知らせるために
    書いてくれている訳なので、
    著者に罪はないんですけど。

  • 森功『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』講談社文庫。

    巧妙な手口で他人の土地を自分たちの所有と見せ掛けて売り飛ばす『地面師』の実像に迫るルポルタージュ。

    なかなか面白い。

    地主になりすまして架空の土地売買を行ったり、ホームレスに虚偽の勤務経歴を与えて金融機関から不正に不動産関連の融資を受けたり、土地の二重売りと様々な巧妙な手口で不動産詐欺を繰り返す地面師たち。

    2017年に大手の積水ハウスが55億円を騙し取られた『五反田海喜館事件』は記憶に新しい。まるで小説や映画のような詐欺事件は日本中を驚かせた。以前読んだ新庄耕の犯罪小説『地面師たち』は、この事件をモチーフにしているようだ。

    さらには、台湾架橋になりすました『富ヶ谷事件』、『アパホテル溜池駐車場事件』、『世田谷事件』などの内幕が描かれる。

    定価726円
    ★★★★★

  • 「地面師」という詐欺師達の名前を初めて知った。

    高額で取引されそうな土地に目をつけ、その持ち主になりすまして取引を進めたり、仲介業者を装い、複雑な支払いに持ち込むことで、案件を成立させてしまう。

    お金や土地を奪われた、と分かるから、こうした事件は明るみに出るわけで。
    廃墟同然になっている土地で、誰も分からないまま進められて、詐欺が起きていることさえ分からないままということは、ないのだろうか。

    しかし、自分になりすました誰かが、自分の持ち物を売って、利益を得るというのは、想像するとなんだかヌルッとしていて、気持ち悪い。

  • 文章に読んでしまえば、こんな手口で騙されるんだと思うようなこともありますが、その場の空気感、ふいんき、例えば現金を目の前で見せられたりすると、正常な思考が無くなってしまい、劇場の登場人物のように自分を演じてしまう場所が、作られてしまうのでしょう。悪党のプロは恐ろしい心理学者ですね。怖い。

  • おもしろーい!これが実際あったのかドラマみたい!って軽い感じで読んでしまった(犯罪ルポなのにすみません)
    ただ、仕方ないことだけどどれも同じような流れだから途中で飽きた。

  • ややこしく難しかったが、地面師が他人の土地を売り飛ばす詐欺師でパスポートや印鑑証明を巧みに偽造し集団で騙し大金を巻き上げてしまうことはわかった。警察が真剣に取り組んでくれないと被害者側が訴えているのは怖い。まあ、土地など持ってないので私には関係ない話だが。犯人側は逮捕されても、数年で出所していて、また犯行を重ねるみたいだが罪は重くないのか?騙し取った大金はいったいどこへ行くのか?それにしても動くお金が大金過ぎる。

  • 騙されるほうも悪いと思うけど、第四章は粘り抜いて良かったなぁと。
    知らない間に所有権移転されてしまう事件も元の所有者さんにちゃんと戻ったのも良かった。
    短期間で転売が繰り返しされてるなんて怪しすぎるし、お気の毒な被害者の最期もあったり、積水ハウス事件に関してはグルだったんじゃないかと思ってしまう。

    詐欺の方法は杜撰だと思うけど、何で騙されてしまうのだろうか。
    東京方式だとリサーチに甘さがあるのか?
    コロナ禍で決済の方法も変化してきているので、詐欺師も新たな方法を考えていることでしょう。

  • 文章がとにかく読みにくい。同じことが何度も書かれているし、手口を淡々と記載しているだけ。
    なぜこんな簡単に不動産のプロが騙されてしまうのか、という点も深く追求はされていない。

  • 地面師、地主になりすまして不動産業者等からお金を騙し取る詐欺師集団の実態をまとめたルポ

    積水ハウスが騙された事件が報道されたタイミングと自分がマイホームを購入した時期が重なり、印象に残っていたこともあり興味がありました

    自分が買った土地は大丈夫なんかな、と思ってしまうくらい巧妙な騙し方の連続で驚愕でした

    また、警察の動きの悪さ、捜査のしにくさ、捕まえたところで不起訴、懲役になっても短期間で出所できてしまうなど、いつまで経っても無くならなさそうなこともわかりました

    なお、個人的にはちょっとわかりづらい文章、時系列が整理しづらい構成に感じ、頭にスッと入りにくい書きぶりでした

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著者プロフィール

森 功(もり・いさお) 
1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、「週刊新潮」編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。2018年には『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』『ならずもの 井上雅博伝――ヤフーを作った男』『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』など著書多数。


「2022年 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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