口訳 古事記

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065312049

作品紹介・あらすじ

アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。

「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」
イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。
奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する!

感想・レビュー・書評

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  • 【読もうと思った理由】
    町田康氏の本は、一冊まるまるは読んだことなかったが、短編一本だけ読んだことがあった。それが「工夫の減さん」だ。その短編が載っているのが、伊坂幸太郎氏が編者として刊行した、アンソロジーの「小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇」だ。このアンソロジーは、伊坂氏が子供時代から現在に至るまでで、見栄や知ったかぶり、忖度一切なく、「とびきり良い」や「とてつもなく好き」と感じた小説だけを集めたという、珠玉の短編集だ。

    このアンソロジーを読んだ方は、おおかた同意いただけると思うのだが、伊坂氏が実際書いた小説と、本人が読者として好きだという小説は、全くテイストが違うのだ。そう、伊坂氏が読者として読む本はミステリー以外は、ほぼ純文学ばかりだ。なおかつ、純文学の短編の中でも王道ではなく、結構ニッチな作品が多い。初読みの際の一冊全体を通しての感想は、「えっ、うそ、何が面白いの?」と感じてしまう作品がほとんどだ。

    そんな中、「工夫の減さん」は、まだ少なくとも納得して読めた。ただ印象には残っていない。そう、そこまで面白いとは感じなかったのだ。そんな薄い印象しかなかった町田康氏の印象が変わった出来事があった。たまたまYouTubeで聴いた、町田康氏による「こぶとりじいさん」の創作現代語訳だ。元々TBSラジオか何かの収録を切り取ったものだが、これを聴いて町田康氏の印象が、ガラリと変わった。なにせ、めっさ面白い!決して大袈裟ではなく、町田氏が朗読しているとき、周りのスタッフの笑い声がかなり入っており、また僕も、思わず声を出して何度も笑ってしまったほどだ。

    そこから氏のことが気になり、ブグログで検索すると、「くっすん大黒」や「告白」など、高評価の作品が多い。先日たまたま本屋の文芸の単行本コーナーに行くと、町田氏の新作があった。タイトルが「口訳 古事記」。帯には「われ、行って玉取ってきたれや!」「ほな行ってきますわ」関西弁どころか、えげつない河内弁の匂いがプンプンする。元来お笑い好きで歴史好きの自分としては、読む以外の選択肢なしと思った。

    【町田康氏ってどんな人?】
    1962(昭和37)年大阪府生れ。町田町蔵の名で歌手活動を始め、1981年パンクバンド「INU」の『メシ喰うな!』でレコードデビュー。俳優としても活躍する。1996(平成8)年、初の小説「くっすん大黒」を発表、同作は翌1997年Bunkamuraドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞した。以降、2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞。他の著書に『夫婦茶碗』『猫にかまけて』『ゴランノスポン』『湖畔の愛』『しらふで生きる 大酒飲みの決断』「スピンク」シリーズなど多数。

    【あらすじ】
    アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
    前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。
    奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する。

    【著者が古事記を口訳で書こうと思った理由】
    二十年くらい前に三浦佑之という学者が、『口語訳 古事記』という本を出して話題になった事があり、著者はこれを読んでよほど感銘を受けたんだそう。ただ、その語り口に若干の違和感が残ったんだそうだ。それから20年経ち、内容は少々雑でもよいから、自分が子供の頃に読んだような練達の小説家が、それぞれの文章で通史を書くようなものが、全十巻くらいであったらなぁと。そしたら自分のような不幸な半生を辿る者が、わずかでも減るのではないかと考え、それを編集者に相談するも、案は却下されてしまったんだとか。であればと「古事記」を口訳で出版する運びとなったとのこと。

    【感想】
    最高だ!多分この本読んだ方は、古事記に対する見方が変わると思う。こんなに笑った小説は初めてだ。上記に書いた「こぶとりじいさん」のときより、面白さが何倍もパワーアップしている。純文学?いやいや、とんでもない、完全なる超弩級エンタメ作品だ。こんなにスラスラ読める古事記は、おそらく日本初だろう。ゆっくり読もうと意識しなければ470ページある本作も、おそらく6時間ほどで読めてしまうほどに、のめりこめんしまう。それは僕がもともと歴史好きとかまったく関係なく、町田氏の言葉選びが尋常じゃなく、卓越しているからだろう。ただそんな技巧派であることを感じさせない、随所にウィットに富んだ笑いを全面に推し出してきて、文章の巧さを隠してくるところは、さすがだなぁと感心させられる。当然だが、ただ笑える小説ではなく、かなり忠実に古事記に準じてストーリーを展開してくれるので、古事記初読みの方には、古事記を知るよいきっかけにもなると思います。今回は古事記に準じた内容なので、あえて内容は書かないでおきます。

    町田康氏の小説が好きな方はもちろん、歴史好きの方、お笑い好きの方にも、ぜひにも読んでいただきたい作品です!

    ひとつ悲しいなと思ったことがある。これだけ面白い作品なのに、まだ新刊で出たばかりなのだが、大型書店では、既に平積みコーナーから外されており、小さな書店では一冊も置かれていなかったりする。こういうときに出版不況をまざまざと感じる。せめて本当に面白く価値のある本書などは、本気で売れて欲しいし、一人でも多くの方に読んで欲しいと切実に思う。

    【雑感】
    次は「最強のニーチェ入門」(著者:飲茶氏)を読んでから、本番の「ツァラトゥストラ」(ニーチェ著)を読もうと思います。落合陽一氏の「忘れる読書」(PHP新書)のまえがきで、こう書いていた。中学生のときに父親(落合信彦氏)から、「ニーチェを読んでいない奴とはしゃべれない」と言われたんだそう。ニーチェの「ツァラトゥストラ」は20歳前後で読んだが、面白さが何も分からなかった。哲学書の中でニーチェは、まだとっつきやすいイメージがあったので、何とかニーチェから、色々学び取りたいと思います。

    • 5552さん
      ユウダイさん、はじめまして!

      すごく面白そうじゃないですか!
      古事記ってあんまり興味がなかったのですが、ユウダイさんのレビューでグン...
      ユウダイさん、はじめまして!

      すごく面白そうじゃないですか!
      古事記ってあんまり興味がなかったのですが、ユウダイさんのレビューでグンと読みたい度が上がりました。
      レビューにもタイトルが上がっていた町田康さんの『告白』は、私が衝撃を受けた作品のひとつです。

      突然のコメント失礼しました。
      2023/05/15
    • ユウダイさん
      ひまわりめろんさん、コメントくださり、ありがとうございます!ひまわりめろんさんの感想をいつも楽しく拝見しております。面白おかしく、笑いの要素...
      ひまわりめろんさん、コメントくださり、ありがとうございます!ひまわりめろんさんの感想をいつも楽しく拝見しております。面白おかしく、笑いの要素があるのに、本の中で大切な本質の部分は、ちゃんと押さえている秀逸な感想に、いつも感心しておりました。今回本書に関心を持っていただき、とても嬉しく思います。ぜひ読んで感想をアップされるのを楽しみにしております!今後ともよろしくお願いします!
      2023/05/15
    • ユウダイさん
      5552さん、コメントくださり、ありがとうございます!町田康氏の「告白」がお好きなんですね。お教えくださりありがとうございます!哲学・思想書...
      5552さん、コメントくださり、ありがとうございます!町田康氏の「告白」がお好きなんですね。お教えくださりありがとうございます!哲学・思想書系がひと段落したら、読ませていただきます!しかし町田康氏は、言葉選びのセンスが異常に高いですよね、また追いかけないといけない作家が一人増えました。今後ともよろしくお願いします!
      2023/05/15
  • これって、わいは「古事記」ちゅう難しいもんは、なんやよう知らん、そやけどこれはいいんちゃう?なかなかやで!‥‥という輩には良いもんか知らへんけど、古事記の翻訳本もこんで4冊目のわいには退屈でしゃーもないもんやった。そもそも、なぜ河内弁にしたんか全然わからへん。もともと原作は喋りもんやさかい、これこれでいいんやないかい、そうかいな、てもんやろか。あまりにも古事記っちゅんをバカにしくさっておるんやないの?こんな感じで、ニセの河内弁喋っておってアンさんらもイライラしてるやろ?そんならさっさと済ますわ。もっち、有名作家やさかい、いろいろ勉強しとるんはわかるけど、こんな身近な喋りやないはずだったことは言っとくわ。古事記本来のリズムちゅんも台無しやしな。最後まで読んで損した感じは久しぶりや。

    • kuma0504さん
      ひまわりめろんさん、コメントありがとうございます♪
      もともと人の悪口言うのに慣れてないのに、悪口のプロ、河内弁で書こうとして、なんか失敗した...
      ひまわりめろんさん、コメントありがとうございます♪
      もともと人の悪口言うのに慣れてないのに、悪口のプロ、河内弁で書こうとして、なんか失敗したなぁと思っていたので、コメントありがたかったです。

      でも、ここまで悪口言うといて、なんなんですが、そんな中身ないわけじゃないとは思います(←おいおい)。あんなにマジすか、マジです、とか繰り返してるのに、よくもまあここまでまとめ上げたなぐらい註釈も入れながら作っているし(いったい何処を省略したのかさっぱりわからない)、少なくとも、人をどんどん殺す描写は河内弁がぴったりでした。

      ただもっともっと豊かな内容があるのに、これだと類推すらできないのが、なんか許せなかったんです(例えばヤマトタケルの英雄的性格とか)。同じ分量で他の作家は不十分ながらそういうことも想像できる、翻訳しているし。
      2023/06/28
    • ひまわりめろんさん
      皆さんなんか触っちゃいけないやつと思ったんじゃないでしょうかw
      そんなところにも切り込んでいきます!さすがひまわりめろんさん

      そしてクマさ...
      皆さんなんか触っちゃいけないやつと思ったんじゃないでしょうかw
      そんなところにも切り込んでいきます!さすがひまわりめろんさん

      そしてクマさん、ちょっと言い過ぎたかな?って揺り返しきてますねw
      わかります

      さて本作ですが、最大の売りは河内弁ってところだったと思うんですが、最大にして唯一のになってたところが多分にあって、それだけでこの分量はさすがにちょっときつかったかな?と
      そしてヤマトタケルのあたりは町蔵アニキもちょっと飽きてたんじゃないかとw

      そして自分もレビューで書いたんですがけっこう無茶苦茶な意訳してるんですよね
      ただそこを「そうなんだよ」って明確にしていくことで、『古事記』に親しんでいる人には面白味に、『古事記』が初めての人にはじゃあ実際どうなの?って興味に繋がってくれたらいいなぁって思うし
      そのことに自分こ駄レビューが一役買えたら嬉しいなぁって思うのです
      2023/06/28
    • kuma0504さん
      ひまわりめろんさん、
      これって古事記入門編だったのか!
      若者に音楽勧めるのに、最初にパンクを聴かせるというやつか。
      ま、そういうのも人生ある...
      ひまわりめろんさん、
      これって古事記入門編だったのか!
      若者に音楽勧めるのに、最初にパンクを聴かせるというやつか。
      ま、そういうのも人生あるかもんしない。
      2023/06/29
  • もうめちゃくちゃパンクじゃん!

    町田康さんいや町蔵アニキです
    昔もっすごい変な歌、歌ってた人です
    そのイメージしかないです
    もっすごい変な歌、歌ってたパンクの人です

    そんな人が作家デビューした!言うんで『ぐっすん大黒』は読んだんですよ
    ぜんぜん分かりませんでした
    ただ、やってること変わってないやん!とは思いました
    結局パンクやん!と思ったことをなんとなく覚えております
    純パンク文学やんってなんだそれ

    そしてユウダイさんに導かれての何十年かぶりの町田康さん

    やっぱりパンクやん!
    やってることパンクやん!

    いやもう面白かった!めちゃめちゃ面白かった!『古事記』を単に河内弁でやってるってだけじゃなく、はちゃめちゃに意訳しております
    わりとやりたい放題です
    だからパンクです

    ただ、真ん中くらいで飽きましたw

    これはもうねしょうがない
    だって『古事記』自体がそこまでドラマチックな物語じゃないもん
    これは町蔵アニキのせい違います

    ところで天皇っていつから神様じゃなくなったんだろう?
    太平洋戦争後?
    いやそうじゃなくて、生物学的に言ってって意味でよ?
    生物学的に言って神様ってどういこと?っていうね

  • 恥ずかしながらホンの一部分しか知らない「古事記」を噛み砕いた作品であるらしいので読んだ♪
    正直言って噛み砕き過ぎ感でいっぱいの作品でした。
    語り口が河内弁で通していてそれなりにわかりやすいけれどもなんだか頭に残らないままに読了。
    ぼんやりと古事記の概要は知れた気もしましたし著者があまねく広く伝えたい と言う思いは少しはいただけたように思います。
    ともあれ、このようにこの古典をこの切り口でアプローチされてモノにすることは素晴らしいことですねえ!
    敬意を払います。

    • アールグレイさん
      こんにちは(*@^。^)/
      河内弁でしたか~学生時代に河内弁を話す人を思い出しました。
      今度は、枕草子や紫式部なんて如何でしょう?
      もちろん...
      こんにちは(*@^。^)/
      河内弁でしたか~学生時代に河内弁を話す人を思い出しました。
      今度は、枕草子や紫式部なんて如何でしょう?
      もちろん、読み易い口語訳で。
      let's challenge !
      2023/10/16
    • ありが亭めんべいさん
      いつもありがとうございます♪
      わたくし生まれは京都で育ちが福岡なので河内弁は分かります。オススメ本類ありがとうございます。
      いつもありがとうございます♪
      わたくし生まれは京都で育ちが福岡なので河内弁は分かります。オススメ本類ありがとうございます。
      2023/10/16
  • いやもう町田康最高。
    「古事記」をこんなに楽しく読めるとは。
    どの話が一番よかったって、やっぱりスサノオかな。

    「この須佐之男命というのが父の命(みこと)に命じられた統治行為を一切しない。しないだけではなく、発達障害というのだろうか、成長していいおっさんになり、伸ばした顎髭が鳩尾に達するようになっても、意味なく哭き喚いて、秩序だった行動が一切できない。まあしかしそれにしてもそれが普通の人間だったら単なる残念ちゃんで済んだのだが、悪いことに須佐之男は神であった」
    「伊耶那岐命は訳がわからなかった。貴い子であるはずの須佐之男命がなぜあんなにアホなのか」

    笑いながら一気に最後まで読んだ。
    後半の現実世界に近くなった天皇たちになると、なんでもありの怪獣みたいなところが無くなってパワーダウンするのだが、最後の仁徳天皇たちの相聞歌でまた笑かしてもらった。
    真面目な顔で古事記を読むと論理の飛躍についていけないけど、河内弁って矛盾だらけの古代の屁理屈にピッタリ合うんだよね。

    文学者ってこうでなくっちゃ。町田康さすがです。

  • 祝文庫化

    口訳 古事記 | 群像 | 講談社
    https://gendai.media/list/books/gunzo/9784065312049

    口訳 古事記 町田 康(著/文) - 講談社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065312049

  • 記憶にある古事記の断片的なエピソードが(恥ずかしながら)初めて繋がった。現代語訳は山のようにあれど、コレは唯一無二のまさに〝康訳〟。複雑極まりない物語が「マジで」頭の中にスッと入ってきた。ただ、名前にこだわり過ぎるとやはりドツボにハマる。そこは注意。

  • audibleで。

    神話が、関西弁になるだけで
    こんなにも頭に入ってくるものなのでしょうか。。。

    始まりのナレーションが厳かにスタートして
    天津神が、お話になるまで
    この本が口訳、それも関西弁!とはつゆ知らず、
    しばらく呆気にとられておりました。

    いやはや楽しい古事記でした。
    是非是非 audibleで楽しまれるのがおすすめです。

  • いなばの白うさぎくらいまでの話は子供向けの神話の絵本などでなんとなく知っていたが、それ以降の話も町田さん節の文章のおかげか、楽しく読めた。しかし神様達のお名前がなんと読みにくく覚えにくいことか⁉︎騙したり意地悪したりなんと人間くさいことか⁈ちょいちょい出てくるくる「いやよー」が好き。

  • 名前は知ってるけど読んだことのない本選手権で必ずベスト10に入るだろう「古事記」
    いや、部分的にはみんな知ってる「神様たちのお話」なんだけど、全体を読んだことのある人って少ないよね。
    だって名前が読めないし、二回目三回目出てきても一文字違いの他の神様と混乱するしで、誰が誰だか。
    とはいえ、誰が誰だかでも困らないところもあったりなかったり。
    そんな「古事記」をあの町田康が口訳だと!ということで読んでみた。
    いや、面白いではないか。
    イザナギイザナミも、スサノオノミコトもアマテラスオオミカミもヤマトタケルも、みんな面白いではないか!
    特に後半の関西弁全開の展開は必読。
    破天荒で傍若無人で身勝手で残酷な神様たちのお話をわはははと笑いながら読む、よいではないか。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田康の作品

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