パンダより恋が苦手な私たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 92
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065337714

作品紹介・あらすじ

変人に、恋をした!仕事のやる気ゼロ、歴代彼氏は1人だけ。編集者・一葉は恋愛コラムを書くはめになり、「専門家」に取材を申し込むが――!?雑誌編集者・一葉は悩んでいた。憧れのモデルに恋愛コラムの連載を依頼するも、原稿を代筆する羽目になったのだ。交際経験が少なく自信がない一葉は、「恋愛を研究するスペシャリスト」の噂を聞いて大学を訪れる。だが、そこで出会ったイケメンはとんでもない変人で!?恋のヒントが詰まったシリーズ第1作!☆登場人物紹介☆柴田一葉:カルチャー雑誌の編集者。ファッション誌志望で、今の仕事にやる気が出ない。椎堂 司:大学教員。「野生動物の求愛行動」にしか興味がない変わり者。イケメン。灰沢アリア:伝説のスーパーモデル。女王様気質で、周囲をたびたび振り回す。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む作家さんでしたが、文章も読みやすいし、何より動物の求愛行動が興味深くて一気に読んでしまいました。
    出てくる人達も魅力的で、伝説のスーパーモデルで美人だけど口が悪いアリアや、イケメンなのに動物の求愛行動にしか興味がない准教授の椎堂先生など笑いあり、シリアスありで面白かったですね。続編が文庫書き下ろしで刊行されるので、楽しみです。

  • 動物の求愛行動、と紐づけたストーリーは良かった。
    ただ、肝心の2人が恋に落ちる要素がどこにあったのか。。。きっかけはどこ?そう言うものではなく本能ですか!?

    2024.3.30
    55

  • 意外にも(失礼!)面白かった。

    半ばこじつけみたいにして動物の生態からニンゲンの恋の悩みを解決していくというコラムに本気で同意してしまう。自分でままならない相手の気持ちを思い煩っても詮無い話で、自分の決意と行動を信じないでどうする、という教えに感服致しました。

    ワガママだけど結構素直な灰沢アリア、推します。

  • 動物の求愛行動がとても面白い。それに人間の恋愛を絡めていく様がとても斬新でどんどんハマっていった。
    始めは一葉のことを好きになれず、恋愛コラムも文章がいいとは思えなかった。しかし、椎堂先生やアリアと接することで、一葉が仕事と向き合っていくうちに、コラムにもその変化が現れるようになりどんどん入り込むことができた。
    このまま続編を読みたい。

  • 面白かった!
    恋愛相談を解決するコラムを書くことになった雑誌編集者の一葉。
    動物の求愛行動を例にして、アドバイスをする形式が面白い。
    動物の豆知識を得ることができるし、文章が軽快で読みやすい。

    私が一番刺さったのは、本来やりたかった仕事ができなくて、惰性で仕事をしていた一葉が、自分の資源に注目して、自分なら何ができるかを支点に考え始めたエピソード。
    本当は他にやりたいことがあったけど、諦めかけていた。今は何となく求められている役割で、とりあえずの仕事をしている…
    そんな私の後ろ向きな意識を、前向きにずらしてくれたような気がする。

    お仕事小説としても、恋愛小説としても、背中を一押ししてくれるお話。

  • 切り口が新鮮であり、恋愛、仕事、そして動物、それぞれにおいて結局あれはなんだったの??と感じる所がなく、様々なジャンルのバランスがよく取れていると感じました。続きもあるみたいなので読んでみようと思います。

  • 2024年1冊目。「私たちの恋に足りないものは、野生だ。」動物の求愛行動から恋愛を学ぶという、切り口が斬新。登場人物も個性的で魅力があり、とても面白かった。

  • タイトルに惹かれて手に取りました。
    なるほど、パンダに限らず動物には明確なスイッチがあるんだなぁと面白く読みました。蘊蓄も面白いけど、モデルさんが面白い。彼女のお悩み相談回答(まぁ実際文章を書いているのは主人公ですが)がなかなか本質ズバリで面白かったです。

    何と言うのか少女漫画とかにありがちな「何も変哲の無い私がなぜかモテモテ」みたいな現象もなく(笑)、そういうモテモテになるためにはやることやってんだよなという裏付け検証が面白かったです。後、美人はモテてうらやま、みたいなのもなく、結局は美人だろうがそうでなかろうが好きなタイプに好かれなきゃ意味ないんだよなぁとか、ダヨネと思う所が多くて。カマトトぶりっ子が及びでない所が好みでした。

  • 最初、主人公の文句ばっかりで仕事に真剣に向き合っていない様とか、振られた彼を引きずる様とかが見ていられなかったのだが、野生動物の求愛行動にしか興味がない先生との絡みが増えてくると俄然面白くなるという。
    この先生の解説と、その解説を基にして主人公が憧れのモデルになり切って書いた(本人が書きたがらなかったので代わりに書いている)恋愛コラム本文が本当に面白くて。
    特に最初のエピソードは主人公の実体験も絡んでいるから、本当に魂の乗ったコラムでわが心の中で「ムービング」起きました。

    様々な恋愛の悩みから、それに関する野生動物の求愛行動も知ることができて、痛快な恋愛コラムも読めて楽しい一方、主人公の恋愛模様は非常にもどかしい感じに。
    しかも、先生とモデルの彼女との間には実は……の展開で、どん底に落ちるという。
    更に更にモデルの彼女自身に重大な謎があって、それが明らかになった終盤の展開が熱い。
    先生とモデルの彼女二人の関係性に打ちのめされながらも、彼女の背中を押した主人公、成長したなあ。
    時折動物たちの幻覚を見るのは心配にはなるけど、その幻影にこちらが泣かされる展開もあったし。
    ここからのモデルの彼女のランウェイは必見です、間違いなく。

    前述通り、先生の解説も恋愛コラムも本当に楽しかったので、終わるのが寂しいと思っていたところに、続刊刊行予定とのこと。
    また先生の解説が読めると思うと楽しみで楽しみで。
    まだ主人公の恋愛も決着ついてないですし、早く続きが読みたいです!

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著者プロフィール

1983年兵庫県生まれ。2007年に第14回電撃小説大賞銀賞を受賞し、『under 異界ノスタルジア』でデビュー。真っ直ぐで透明感のある文章、高い構成力が魅力の注目作家。他の著作に、「花魁さんと書道ガール」シリーズ、『雪には雪のなりたい白さがある』『フルーツパーラーにはない果物』『今日も君は、約束の旅に出る』『わたしたち、何者にもなれなかった』などがある。

「2021年 『パンダより恋が苦手な私たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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