- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086170086
感想・レビュー・書評
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ほとんどロシア革命一色と言ってよい内容の第8巻
私が疑問に思っていたのは
「当時の少女たちは本当にこの漫画を理解し楽しんでいたのか?」ということ。
解説で、作家の仁川高丸さんが私の疑問に答えてくださいました
「小学生のころは何がなんだかわからず、
神の手にも等しい作者についていこうと必死」
「人の生きざまとして革命は荷が重すぎて、現実から乖離したものだった」
「中学生終わりになって、セブンティーンを読まなくなった」
20年後に彼女は『オルフェウスの窓』に再会
縛り付けられるように読まされ、池田理代子さんの凄まじさに衝撃
依然読み継がれているその物語は、想像を遥かに越えた位置に見える
でも、そう、その後立命館大学西洋史学科に進んだ彼女ですら、当時は「離れた」
そして私は、仁川高丸さんの
「クラウスへの愛でコンニャク状態になってしまったユリウスはあまり魅力的には見えなくなっていた」
という感想に同意
どうもこの話の中で「愛ひとすじのユリウス」は浮いているというか、場違いというか、
目障りに感じるのは私だけではないのではと思ってしまいます。
だって、ロシアの皆さん、すごく頑張っているんです。
ラブストーリーを無理にでもいれなければならない状況だったのでしょうか?
月刊セブンティーンとしては。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
舞台がドイツだから、ということで、年が2倍も離れた日本人の女性が貸してくださった。
正直なところ、自分が今現在ドイツにいようがいまいが、そんなことはこの漫画の世界を享受するにおいて、さして重要なことではないと思った。
ただひたすらに、表現されている人間に夢中になった。
主人公に同化するわけでもなく、かといって分析するわけでもなく、
音楽大学、ロシアの革命を背景に繰り広げられる、池田理代子氏の世界をただただむさぼるように味わった。
読み終わったとき、「あぁ、この世界をもう一度、初めて訪れる感覚とともに訪れてみたい」という思いがした。
一度目に読むその感覚、が忘れられないシリーズだ。
ちなみに、私はベルバラ世代でもなく、少女マンガの熱烈ファンというわけでもないので、
この漫画の恋愛的要素にはあまり関心がなく、貸してくださった女性に「泣いたでしょう?」と聞かれたとき、
なんと答えたものか困った。
私の正直な感想としては、この作品の世界がずっと続いてほしい、といったところだろうか。
完結、涙、という過程を歩ませない、もっと、もっと読みたい、そういう欲求を呼び起こす作品だと思う。
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コミック・ラノベ・BL
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2015年4月13日読了。ロシア革命が激化する中、皇帝を守ろうとするユスーポフ候らロシア軍・革命を志すクラウスが属するボリシェビキ・民衆を利用して利権を得ようとするケレンスキー率いるブルジョアたちの思惑が交錯する。ロシアのツァーリやレーニンら歴史に名を残す人物も多数登場し、群衆や軍勢が戦う多くの紛争や戦乱などを描かれ、読むのも大変だが、スケールが大きく先が読めない展開にワクワクさせられた。「祖国のため」という心情とユリウスへの想いを同じくするレオニードとアレクセイが対立するのは悲劇だね。。。