寺田寅彦は忘れた頃にやって来る (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201444

作品紹介・あらすじ

寺田寅彦は実験物理学者にして文筆家。「天災は忘れた頃にやって来る」という格言を吐き、一方で多数の科学エッセイを書いて大衆の心をつかんだ。茶わんの湯、トンビと油揚、金米糖といった身近な話題を通して、自然界のぞっとするような奥深さを見せつけてくれたのである。明治に生まれ、昭和に没したが、その鋭く豊かな着想は永遠のものであり、混迷の二一世紀にあって、あらためて注目されることを願う。夏目漱石、正岡子規といった文学者との交流も懐かしい。高知、熊本、東京にまたがる生涯と魅力的な人物像を追う。

感想・レビュー・書評

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  • 身近な現象を追求した実験物理学者としての顔と、文学者としての顔が良く分かり、大変面白かった。後半の生い立ちを追う件は若干マニアックだが。

  • 職場の「ご自由にお持ちください」から頂いた。
    寺田寅彦氏の青空文庫にたくさんあるから,かなり読んだのだが,どういう人であったかがわかった。

    2013/07/17朝の通勤電車から読み始め;07/19読了

  • 寅彦さん大好きだー!夏目先生との師弟コンビでも大好きだー!!

  • 明治の文豪はよく歩いた。ということで、寺田寅彦の散歩ルートを地図上に書き起こして、「めっちゃ歩いてるやん」となったところは面白かった。

  • 請求記号:289.1テ
    資料番号:011315918
    寅彦は、地震や津波といった自然災害は、文明が進歩するほど被害は大きくなることを心配していました。

  • 寺田寅彦の人物像と人物史のまとめ。物理学者、地震学者、随筆家、作家、俳人、画家等等、肩書きの特定に苦慮する寺田寅彦だが、その生涯において「遊蕩家」が目指すところだったらしい。なんとも羨ましいが、当時においてこの価値観は、いろいろと面倒なこともあったようだ。本書は、漱石との交際や、高知時代の話が比較的詳しく、寺田自身の著述だけからは見えてこない寺田像が見えてきた。青空文庫には寺田寅彦の文章が充実しており、気軽に読ませてもらえたが、その前に、本書に目を通しておけば、愉しさ倍増だったであろう。関東大震災をして、「天災は忘れにやってくる」と述べた寺田、今の世の中を見て、何というだろうか。

  • 以前に随筆全集に挑戦して挫折…。「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉は寺田寅彦氏の言葉だったそうな。全く知りませんでした。寺田寅彦という物理学者/随筆家について、彼自身の生い立ちや人となり、そして周囲の人物や環境を含めて書かれています。代表的な随筆についてももちろん触れられています。「猫の用足し」「一杯の茶碗の湯」「トンビと油揚げ」「団栗」など。どれもこれもはっとさせられるような視点と、私のような科学音痴にはなかなかできない発想、含蓄のある言葉、やはり稀代の随筆家だったのだなぁと思う。

  • [ 内容 ]
    寺田寅彦は実験物理学者にして文筆家。
    「天災は忘れた頃にやって来る」という格言を吐き、一方で多数の科学エッセイを書いて大衆の心をつかんだ。
    茶わんの湯、トンビと油揚、金米糖といった身近な話題を通して、自然界のぞっとするような奥深さを見せつけてくれたのである。
    明治に生まれ、昭和に没したが、その鋭く豊かな着想は永遠のものであり、混迷の二一世紀にあって、あらためて注目されることを願う。
    夏目漱石、正岡子規といった文学者との交流も懐かしい。
    高知、熊本、東京にまたがる生涯と魅力的な人物像を追う。

    [ 目次 ]
    1 寺田寅彦は忘れた頃にやって来る
    2 赤門教授のステイタス
    3 小説に描かれた寺田寅彦
    4 一生つづく「電車の混雑」
    5 随筆家としての出発
    6 大地震の体験
    7 科学の花園
    8 物理学を志願した頃
    9 ゆかりの地・熊本と高知

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 寺田寅彦の紹介本
    あまり知らなかったので楽しく読めた

    今の時代にこういう生き方が可能かはさておき、
    あこがれる人は多いのではないだろうか

  • ●稀代のマルチ学者・寺田寅彦あれこれ録

    「天災は忘れたころにやってくる」オリジネーターの評伝。
    マクロからミクロまで、幅広い視座を持って執筆活動を行った
    寺田寅彦のポテンシャルが丸かじりできて、非常に示唆に富んでいる。

    ネガティブファクターを挙げるならば、構成、筆致の硬さ。
    新書飽和ブーム前に書かれたものであり、著者の年齢も考慮しないといかんが。
    もうちょっと今様のアレンジメント、21世紀日本人にとっても「身近やん」と
    思えるような描写が欲しかった、かなーと思う。

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著者プロフィール

一九七四年生。一九九四年法政大学入学後、一九九七年「法政の貧乏くささを守る会」結成。学食闘争やくさや闘争などを展開したのち「全日本貧乏学生総連合(全貧連)」を結成。二〇〇一年「貧乏人大反乱集団」結成。二〇〇五年高円寺にリサイクル店「素人の乱」をオープン。六本木ヒルズでの「クリスマス粉砕集会」、放置自転車撤去に反対する「俺のチャリを返せデモ」、中古家電売買規制に反対する「PSE法反対デモ」、土地所有に反対する「家賃をタダにしろデモ」、二〇〇七年杉並区議選立候補など、既成の運動概念にとらわれない自由で創造的な行動が注目を集めている。

主著:『貧乏人の逆襲!—タダで生きる方法』(筑摩書房、二〇〇八年)、『貧乏人大反乱』(アスペクト、二〇〇八年)、『素人の乱』(共編、河出書房新社、二〇〇八年)、『さよなら下流社会』(共著、ポプラ社、二〇〇八年)

「2010年 『グローバル化に対抗する運動ともうひとつの世界の可能性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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