- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087205152
感想・レビュー・書評
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物事をわかりやすく、さまざまな角度から検証できている。こういう視点を持っている人が亡くなってしまったことが残念。もう少し彼の著書を読んでみようかなと思う。
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生前の筑紫哲也さんについて全く知らなかった。
皮肉な事に彼の最後の本が、私が最初に読む彼の本となった。
報道の最先端にたつ人は何歳になっても実にエナジェティックだ。
実際に報道の現場で働いている人を見ていてもそう思うし、メディアからも感じる事が出来るし(中にはそうでないものもたくさんあるが)、この本を読んでもそう思う。
きっと筑紫さんは常にエネルギー全開で毎日邁進する存在こそが若者であると考え、病に倒れるまで大学で教鞭をとっておられたのだろう。(田原総一朗もそういってた。)
何歳になってもそのエネルギーを探求する力こそが彼をここまでの人物に築き上げたのだと思う。
彼自身も、「ジャーナリストに必要なものは、探究心と好奇心」と断言している。
ものごとを一元論的に断言することを疎う彼がそういうのだから、そう信じるしかない。
話を本のコンテンツに戻そう。
合計11章からなる極めて読みやすい新書であったが、中でも6章「雑誌と新聞をめぐる指摘ジャーナリズム論」9章の「血の三角形という考え方」には圧倒された。
この本の中で、筑紫さんは情報化社会によってものを考え感じる能力が個々の中で低下している現状に警鐘をならしている。
このような類の説はあちこちで聞かれるが、彼が訴えると胸に響いてしまうのはどうしてだろう。
それも筑紫哲也という人間がもつ目には見えない力がもたらすものであろう。
この一冊に、今から私たちの世代が勉強しなくてはいけないこと、身につけるべきセンスなどのエッセンスが凝縮されている。情報や感情に流されず、自分の軸を常に持ちつつ事象を考えることの素晴らしさを筑紫哲也は訴え続けけていた。 -
読みやすく、勉強になった。
出来ればもっと早く、この本に出会っていればと思いました。
物事の本質について伝えている内容は、ファクトフルネスやスマホ脳にも共通する部分があります。
やっぱり大切な事は普遍的なんですね。 -
テレビで観ていた著者をより知ることが出来たと思う。
イギリスの文学者サミュエル=ジョンソンの言葉"愛国主義は悪党の最後の隠れ家である"
著者が映画に精通しており、年間400本も見られているとは知らなかった。
疑うことを忘れてはならないと心に刻む。
大学、大学院は疑うことを学ぶところだと書かれている。
あとがきにかえて著者が16歳の頃に書いた自叙伝が掲載されていた。
しっかりした文章で何とも感心する。
亡くなって2年。今の世を見たら著者は何と言うだろうか。
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とても読みやすく、本当に講義を受けているようでした。
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名著。しかも平易。今こそ読む本ではないだろうか(2013.9)
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筑紫さんの最後のメッセージが綴られています。
話題は多方面にわたり,楽しく読み進めることができます。今までの著書と同じように,本書で気になった映画や本なども取り寄せたくなりました。
人が学ぼうとする時一番大切なのは「好奇心」,それから「探究心」であるという指摘には,賛同します。
本書の最後には,あとがきのかわりに筑紫さんの高校時代の作文が掲載されていて,筑紫さんの原風景を見た思いがしました。 -
「知の三角形」
バランスよく、三角形を広げてゆくこと。
自分で考え、選んで信じたものが人生の道標になること。
それが大事だと筑紫さんから教わりました。
自分ひとりではどうすることもできないからと
知らんぷりしたり、諦めたりしていては
少しもよくならない。
本当にしなくてはいけないことは何か
考えて見極めることが大事だ。 -
筑紫哲也さんが遺しておきたい言葉があるということで始まった「若き友人たちへ」の連載だったが、たった2回で終了してしまった。その2回分と大学での講義テープを構成したものでこの本は成り立っている。
筑紫さんの人間愛が強く伝わり、日本という国を私たちの未来を真剣に心配していることがよくわかる。これがたった2回で終わってしまったことは非常に悲しいが、後のメッセージは個々が自分の言葉で後世に残して言ったらよいのだと思う。
日本国憲法には世界で例のないことがたくさんあるという話や映画の話、教育の話など興味深い話がたくさんあった。筑紫さんの危惧は2011年末でも危惧のままです。 -
筑紫さんのメッセージが30代の私にも強く響いた。
自分の目で、自分の価値観で見つめることの大切さを改めて感じた。