スポーツの価値 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087212761

作品紹介・あらすじ

エッセイスト・酒井順子氏 推薦!「ここまで書いてしまっていいの?」と思わせるほどの筆致が清々しい。部活動での体罰や、勝利至上主義、アスリートのメンタルヘルスなど、近年スポーツに関する様々な問題が浮上している。この構造を温存させてきたのが、理不尽なことにも従順に従う風土である。それによって「体育会系」学生は、無理な仕事も拒まないと見なされ、就職活動でも有利に働き、組織の中で重宝されてきた側面がある。しかし、スポーツの価値はそこにあるのではない。スポーツによって磨かれるのは、論理的かつ戦略的な思考、コミュニケーション能力、そして何より忖度なくフェアにプレー(行動)する精神である。これらは社会の分断を乗り越え、コミュニティを支える基盤ともなる。つまりスポーツには、社会を変革する力がある──。本書では日本のスポーツ界に潜む病根を忖度なく指摘し、スポーツの真の価値を提言する。【「はじめに」より】スポーツを通して自分とは異なる他者と出会い、力を合わせて競技する中で、多様性の重要性を理解したり、コミュニケーション能力が高まります。スポーツを介したつながりは、コミュニティを支える基盤にもなり得ます。また、スポーツによって鍛えられる分析力や行動力、戦略性は、学業やビジネスにも役立ちます。本書では、このような「スポーツの多様な価値」を考えたいと思います。【目次】はじめに…スポーツは感動の「打ち上げ花火」?/スポーツが変われば社会が変わる 序章―東京五輪の「レガシー」とは何だったのか?…東京五輪検証の意義/勝利至上主義が選手を追い詰める/アスリートのメンタルヘルスを守るために/希望の萌芽第1章―子どもが輝くスポーツのあり方…若年層の全国大会は必要ない/フランスの親はなぜ子どもに柔道をさせるのか/自己評価できれば弱くても続けられる第2章―スポーツから考えるジェンダー平等…指導者の資質に男女差はない/「数」から「質」へ第3章―沈黙するアスリートたち…声を上げる海外の選手たち/毅然とした態度が取れない日本のスポーツ界終章―スポーツの価値とは何か…スポーツは社会を映す鏡/「体育会系」がもてはやされる時代の終焉/スポーツが文化となるためにおわりに【プロフィール】山口香(やまぐち かおり)筑波大学教授。柔道家。第1回全日本女子体重別選手権大会で最年少優勝。以後一〇連覇を達成。世界選手権では四個の銀メダルと、日本女子初の金メダルを獲得。1988年ソウル五輪では銅メダルに輝き、翌年引退。シドニー五輪、アテネ五輪で日本柔道チームのコーチを務めた後、日本オリンピック委員会(JOC)理事などを歴任。

感想・レビュー・書評

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  • 元祖『YAWARA!』山口香が、日本スポーツ界の闇に迫る! 『スポーツの価値』 | BOOKウォッチ(2023/8/15)
    https://books.j-cast.com/topics/2023/08/15021683.html

    <訪問>「スポーツの価値」を書いた 山口香(やまぐち・かおり)さん:北海道新聞デジタル
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/918161/

    スポーツの価値/山口 香 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721276-1

  • 【書誌情報】
    『スポーツの価値』
    著者:山口 香(やまぐち かおり)(1964-) 体育学。柔道家。
    出版社:集英社
    発売:2023年8月17日
    定価:1,078円(税込)
    版型:新書判/192ページ
    ISBN:978-4-08-721276-1

    [https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721276-1]

    【目次】
    はじめに 
      スポーツは感動の「打ち上げ花火」?
      スポーツ観が変われば社会が変わる

    序章 東京五輪の「レガシー」とは何だったのか? 
      東京五輪検証の意義
      勝利至上主義が選手を追い詰める
      アスリートのメンタルヘルスを守るために
      希望の萌芽

    第1章 子どもが輝くスポーツのあり方 
      若年層の全国大会は必要ない
      フランスの親はなぜ子どもに柔道をさせるのか
      自己評価ができれば弱くても続けられる

    第2章 スポーツから考えるジェンダー平等 
      指導者の資質に男女差はない
      「数」から「質」へ

    第3章 沈黙するアスリートたち 
      声を上げる海外の選手たち
      毅然とした態度が取れない日本のスポーツ界

    終章 スポーツの価値とは何か 
      スポーツは社会を映す鏡
      「体育会系」がもてはやされる時代の終焉
      スポーツが文化となるために

    おわりに

  • 図書館がおくる、「クラブ・サークル向けおすすめ図書」

    クラブ・サークル名 弓道部/アーチェリー部
    請求記号 S-B-1176
    所蔵館 2号館図書館

  • 780-Y
    閲覧新書

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/568292

  • 体罰が悪いって表面では理解できても、納得できない部分も有りました。流石、経験者なので言葉に想いがこもっており、共感できました。
    現場の指導者の指針として読むのをお勧めします。

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著者プロフィール

全日本柔道連盟国際委員会副委員長・女子強化委員(執筆当時 以下同)

「2008年 『ジュニア選手育成のための 柔道コーチング論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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