- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087450255
作品紹介・あらすじ
商人の町として賑わう大坂の旅篭「さと屋」の看板娘・花歩は十七歳。実は幼い頃、さと屋に置き去りにされた娘だ。父親らしき男が残した数枚の風景画に描かれた景色を探して町のあちこちを歩くうち、すっかり町に詳しくなり、町の人たちにも何かと親切にしてもらえるようになった。それを生かして、花歩は大坂の名所案内を始めることにするのだが…。
感想・レビュー・書評
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かつて父親に置き去りにされた花歩は、旅館の主人夫妻に娘同然に育てられた。看板娘として働く一方、ふらふらと大阪の町を歩くことでも知られていた。コバルト作家の岡篠名桜さんの時代小説デビュー作。
面白かった!ふらふらと風景を探してあるく花歩ちゃんと、彼女に助けられた人たち、助けてくれる人たち、幼馴染との恋未満のやりとりとか、いい具合なブレンド具合でした。ちょっとあたたかい物語としてもおすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【収録作品】浪花の子/恋絵馬/紙牡丹/愁押葉
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幼い頃に別れた父の描いた絵を持ち歩き、絵と同じ場所を探す花歩。
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大阪を舞台にした時代物。江戸を舞台にしたものが多いので嬉しい。絵をキーワードにしているので、長崎へ舞台が移ったりするのかな?幼馴染の同心との恋?も気になるところ。
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旅籠さと屋の看板娘 花歩、幼馴染の町奉行同心 千代太郎。
町人の街、浪花を舞台にした時代小説。
大阪の町に育てられた主人公は好奇心旺盛でかわいらしいキャラクター。そして人情味のある優しい話。「紙牡丹」が良かった。
装画:中島梨絵 -
今まで時代物って江戸を舞台にしたものが殆どの読書経験だったので、大阪を舞台にしたこの物語は興味深かったです。町には武士が割りとたくさん闊歩してるイメージがありましたが、大阪の町における武士の割合は凄く少ないというのは驚きました。主人公・花歩も良いけど、武家の養子に入った千代太郎と実父・藤二郎のほうにより面白みを感じました。もうすぐ4巻が出るので楽しみです。
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江戸時代の大坂を舞台にしたミステリ風時代小説。浪花もので女の子が主人公、幼馴染みとのやきもきするような(それでいて無自覚な)関係――と、個人的にはそれだけでもう、充分に満足なレベルで愉しめてしまいます。タイトルにも冠されている「謎」の要素は比較的軽めで、ミステリと呼ぶには物足りず。とはいえ、「恋絵馬」に秘められた暗号は完全にフェアとは言い難いながら、その意味合いにはなかなか驚かされました。佐名ちゃんの話がシビアすぎて切ないです。
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キャラクタは可愛らしいのですが、事件ものとして読むと物足り無い感じ。恋愛もほのかに、というくらいなので、その辺の魅力も今一歩かな~。
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設定としては面白いと思いましたが、大阪弁が現代風に崩れ過ぎているのが気になって、物語に入り込むことができませんでした。