- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087450682
作品紹介・あらすじ
ネットで性別を偽って出会った男女が、同性だと思う相手に次第に惹かれてゆく。性別や外見などの現実の枠を外して「その人らしさ」を見つめる、みずみずしい恋愛小説。(解説/関口 尚)
感想・レビュー・書評
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初めて石田衣良さんの本を読みました。
男女の恋愛とか、男らしさ女らしさにこだわらないお話でした。友達でも恋人でも、性別じゃなくて人として好きだったり尊敬できるかが大切よね。
2人の登場人物の物語が交互になってるので、読者は色んな視点を知れるので楽しかった。2人を助けてくれる人たちも暖かくて良いキャラ。
続きが気になってすらすらと読めました。ラストも素敵!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リバース 石田衣良著
1.石田衣良さん
眠れぬ真珠。
これが石田衣良さんとの出会い。
読み終えるまで、あとがきよむまで女性作家の作品と考えていました。
なぜならば、最初から最後まで女性が主人公で、機微な気持ちの描写もありましたから、、、。
作品以上にその衝撃が凄まじかったです。
2.作品リバース
この作品も「眠れぬ真珠」に近しい雰囲気の小説です。
仕事と恋愛の狭間で生きる女性の描写に無理がないんです。
どうしてこんなに自然なリズムで物語が描けるのだろう?
読み終えてそんな気持ちになる小説です。
3.リバースからのメッセージ
「一生のうちで、わたしたちは何人のひとに出会えるのかな?そして、そのうちで、同じ魂のひととどれだけ触れ合えるのだろうか?」
ネットの世界で悩みを打ち明けながら、距離を縮める男女。
女性は男性として、男性は女性としてのハンドルネームで会話が進むなか、いつしかリアルに会いたい気持ちが募る。
そんな彼らが辿りつく世界は、きっと世界に恋が生まれたときから存在している情理なのかもしれません。
#読書好きな人とつながりたい
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衣良さんの核心的な考えが文章の中に現れていて、読んでよかったなと思わされる。
人間はみんな淋しい、パートナーがいても人は孤独を感じるもの、エイミーも同じこと言ってた!
悲観的じゃなくて、捉え方次第で元気づけられるこの真理に辿りつけて嬉しい。 -
光ファイバーが繋ぐ恋。
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石田衣良さんの作品はLGBTQについて触れていたり、「性」を広く扱った作品が多く、中学生の頃に『sex』*という本を読んでからたびたび読む作家さんになった。
*『sex』はタイトルにあるように【性】をテーマに扱った短編集で、中学生の性事情からアブノーマルな性まで広く扱った作品です。興味があれば是非。
『reverse』単行本の出版は2007年。そのため、本作のネットで男女が出会うという設定は今っぽいのだけれど、ところどころ2000年代初期を彷彿とさせる表現がある。
例えば、冒頭のノートパソコンを立ち上げながら、朝食の準備をするというシーン。2022年現在はノートパソコンの立ち上げに10秒も掛からないだろう。
時代の流れを感じつつ、今と照らし合わせながら読めるのも面白いところである。
◉まとめ
かけて欲しい言葉をかけてくれる人には惚れてしまいそうになることがある。仕事をする中で誰かに労ってもらうことがあったとしよう。その時に頑張り方を褒められるのか、考え方を褒められるのか、人によって異なるだろう。(自分はどんな言葉のかけられ方をしたら、勇気が湧いてくるのか。)この物語に登場する男女はお互いがお互いのツボを押さえていたからこそ成立してのだろうと思う。
ただら結局は二人はメールを通して相手以上に、自分を見て欲しかったのかもしれない。 -
男女がどうとかでなく、
文章の相性ってあると思っていて。
そもそも心がこもってるかは別として
人柄が現れるものだと思う。
だからといって実際相性がいいかは
会ってみないとわからないんだけど。 -
ネットで出逢い、メール交換を重ね惹かれ合う二人。
身近な人にも話せないような本音も、ここでなら言えた。
ただ1つ嘘をついていたのは、お互いの性別――。
ネットでの会話においては、顔が見えないからこそ、相手の性別についてあまり意識することがない。
それ故、余計なフィルターを1つ外して相手を見ることができる気がします。
女なのか、男なのか、ということではなく、一人の人としての相手を。
この小説については男女逆転ということで、そのフィルターが完全に外れていたわけではないけれど、ネット上では性別を隠すことだってできますよね。
本質的な人との交流という意味では、丁寧に言葉を紡ぐメールは1つの最良なツールなのかもしれないですね。
もし登場人物ややり取りを重ねたメールに感情移入できたらもっと楽しめただろうに、そこが残念でしたが、軽くさらっと読めるので疲れている日でも楽しめました。 -
既に持っていて読んだことがあったのだけど、間違えて買ってしまったので再読してみた。面白い。全体的におしゃれな雰囲気の描写や登場人物が多く、淡い水色とピンクがイメージカラー。男性性、女性性、その輪郭がぼやけつつある現代で、従来の価値観と社会の変化の相克に苦悩する人たち。もっといろんな形の恋愛、結婚、働き方、あっていいと思うよね。
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こんな出会いもあるんだなぁと。
現実でもありそうでなさそうな、楽しいお話でした。 -
エグさのない軽い小説が読みたくて。
期待通りでした。現実的なようで現実的ではない、なんだかドラマみたいな、そういうの読みたくて、その通り、ふわっといい気分になれました。