オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 433
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453133

感想・レビュー・書評

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  • 最近は大人の世界でもいじめは問題になっているが、中高性の狭い世界においてはすべてを支配する重大な問題。しかも「何故?」と首を傾げるようなたわいの無いことが原因ということがよくある。大人になった今の自分からみたらくだらないですませられるが、それができないのが学校だけにしか存在意義を見いだせない感受性豊かなティーンエイジャーだ。
    この小説でもそんな姿が如実に表現されていて、委託殺人という極端な方法へと突き進む。さらに大学進学で東京へ行く、大人に片足を突っ込み始めた主人公達は新たな生き方に気づき始める。
    大変面白い小説でした。

  • フォロワーのたけさんのレビューを読んでから気になっていた本。
    たけさんの評価は、私の評価と近い為、今後も参考にさせて頂きたいと思っていますm(_ _)m

    この作品は題名にインパクトがあり、題名を記憶していたが、
    たまたまブックオフで見つけたので購入してみた。


    中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
    親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。
    普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、
    徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。


    「これは、悲劇の記憶である。」
    から始まる殺人計画のノート。
    この先に一体どんな悲劇が待ち受けるのか!?
    全く想像出来ない展開。


    中学二年生。
    クラスメイト、親、先生との関係に、時には傷つき、悩みする姿は、
    自分も通ってきた道なのだが、強烈にリアリティを感じた。

    教室内で、きっと誰もが多かれ少なかれ体験したであろう事実を
    リアルに言葉で表現し尽くしている。

    彼女らの目指している道は、私などには到底理解出来ないが、
    それでもその先が気になって仕方ない。


    結構な厚みの本なのだが、気が付けば没頭してしまっていた。

    結末がまた素晴らしい。
    こんな酷い題名なのに、どこかほっこりさせられる、そんな本だった(*^-^*)

    • たけさん
      bmakiさん、こんにちは!
      「評価が近い」と言っていただけてとても嬉しいです。
      僕もbmakiさんのレビュー楽しく読まさせていただいて...
      bmakiさん、こんにちは!
      「評価が近い」と言っていただけてとても嬉しいです。
      僕もbmakiさんのレビュー楽しく読まさせていただいてます。
      今後ともよろしくお願いします。

      この本、ほんとに中二生の姿がリアルに描かれてますよね。読んでて懐かしいような、恥ずかしいような。
      最後はほっこりさせられて、素晴らしい小説でした。
      2020/08/12
    • bmakiさん
      たけさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      私が高く評価したものを、たけさんも高く評価して下さっていた為、大変おこがましいですが...
      たけさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      私が高く評価したものを、たけさんも高く評価して下さっていた為、大変おこがましいですが、感性が少し似ているのかな?と思い、この本も購入してみました(*^-^*)
      ゾクゾクするほどとても良かったです!
      またたけさんの評価を参考にさせて頂きます。
      ありがとうございました。
      2020/08/12
  • 『中2病』…と言ってしまえば簡単すぎてしまう。学校という狭い世界の中でのことをうんざりしつつも通過しなければならない気の毒な時期。そんな世界がよくわかるお話し。いや、これだけでわかったつもりになるなよ、おばさん!と、言われてしまいそうだけどね。
    でも、読後は『青春だなぁ』『純粋だなぁ』という感想が湧き上がってきた。不思議な読後感です。

  • 感動して読み終えた。
    正直、終盤までは「この作品は好みじゃないな」と思っていた。

    スクールカーストが前面に押し出されていて、暗いし、辛いし、イタイタしいし、グロいし。

    猟奇的なことに傾倒している中二病の、本物の中学2年生の2人が主人公。
    自分を殺してほしいアンは、「昆虫系」と揶揄されるイケてない男子:徳川に依頼する。徳川は「少年A」になるのか⁈

    どういう結末で締めくくるの?という興味で読み進めた。

    筋書きには無関係だが「スロウハイツの神様」のチヨダ・コーキが引き合いに出てきてほっこり

  • 主人公は学校生活に悩む中学2年生「小林アン」。
    冴えない昆虫系の同級生「徳川勝利」に頼んで、
    派手に殺してもらおうとする痛くて危ない物語。
    中学生の恋愛脳、カースト制、幼さの残るやり取り
    の応酬に読んでて「イタイイタイ…!」となるのは、
    自身にも似たような経験があるから故でしょうか。
    古傷を抉られる思いで400ページ以上読み、最後の最後、本著者の真骨頂的な展開に辿り着きました。

    蛇足を2つほど。
    ・P180のアドレスの先頭に、あの先生の名前が!
    徳川然り、秋山先生然り、見た目は頼りないが一芸
    に秀でたキャラの描き方が素晴らしいです。
    ・徳川のあだ名は、かの有名な戦国武将にちなんで
    「ショーグン.Jr」でしたが、今年観てた大河ドラマ「どうする家康」の最終回の日に丁度良く読了と
    なりました。本書と関係ないですが笑

  • 痛々しいオーダーメイド殺人計画の行き着く先がただただ気になり、特に後半はもうハラハラしっ放しで一気読み。脆くて不安定極まりない思春期少女の繊細な心理描写はさすが。「中二病同士の初恋はかくもまわりくどい、という物語」と端的に言い表した大槻ケンヂの解説も良かった。

  • 前半で眠くなって、一晩持ち越した。
    ハブりハブられの中2の女子高生の話が長く、なかなか話が進まない気がした。リアル過ぎて疲れる。
    ネズミの死体の話以降はハラハラしながら読めた。好きな終わり方でした。

  • 中学校のスクールカースト、親への反抗心理、鬱屈とした自己肯定感...。いやぁ、流石!後半、怒涛の事実暴露で、しっかりと最後まで描き切って、ラストは、まあ、そうなるだろうね...。スッキリ!途中、酔っ払って読んでいた箇所があるので再読せねば...。

  • とても分厚かったので最後まで読み切れるか心配だったけどおもしろくて夢中になって読んだ。
    女子のドロドロした関係がすごくリアルで
    自分の中学時代を思い出した。3人で仲良くとかあの時は無理だね笑
    すごい残酷な描写もあった。
    アンの母だったら自分は嫌だなーと思った。
    徳川にも事情があったのはまったく想像つかなかった。
    事件を起こすだろうなと思っていたけどまさかの展開だった。でも、これで良かったとも思った。
    最後の徳川はすごく良かった。そしてまた二人の関係が続くといいなと思った。

  • 序盤までは、厨二病主人公にイラっとくることがあったが、終盤に向けてとても面白い展開になって行き、手が止まらなかった。モノローグでの、アンと徳川の成長が見えた部分はエモかった。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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