- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087454796
作品紹介・あらすじ
桁はずれの実行力で戦後の一時代を築いた天才政治家・田中角栄。その栄光と苦闘の歴史を、23年間腹心の秘書として連れ添ってきた著者が、田中の肉声を交えて振り返る。写真多数。(解説/山本皓一)
感想・レビュー・書評
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田中角栄が政治の世界を縦横無尽していたのは50年近くも昔になる。
様々な問題に彼独自の視点と語り口で解決法や考えを話す体裁の本で、今の世相や風潮にそのまま当てはまる訳ではないけれど、令和の世の中の諸問題に田中角栄がどう切り込むのか…コロナや円安に対しての意見を聞きたくなった。
東京一箇所集中を分散させる策など、今でも通用しそうな政策もあり、唸らされる部分もあったり詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
田中角栄本はある程度読んだ。
この本の著者である早坂さんの本を含め。
しかし、この本くらい田中角栄という政治家の成り立てから、政治家引退後までをダイジェストで追いつつ、本人の想いをコンパクトにまとめた本には他では出会えなかった。
田中角栄を知らない人にこそ、是非読んでほしい一冊。 -
まったく知らなかったのだが、世間では田中角栄ブームだそうだ。彼がロッキード事件の一審で有罪判決を受けたとき、僕はまだ小学生で、当時の報道はかすかに記憶に残っている。その後の選挙で大勝したという事実がマスコミ報道と矛盾していて、小学生の自分には理解ができなかったことも覚えている。
その角栄が今、見直されているというのは、彼の天才的な政治的センス、世界や日本に対する洞察力、実行力が 30年たった今もその輝きを失なっていないことの証左だろう。同じくこの 30年変わらないものと言えば、マスコミ報道の愚かさか。 -
田中角栄の側近中の側近、である早坂元秘書による「聞き書きや伝聞によらない角栄語録」を読むことができます。
戦争に負けた国が、「占領中は憲法を作ることができない」とする策をとることを、最近になって知りましたが、角栄さんは当たり前のようにそのことを語っています。
「地方」をその地方のあり方を守りながら、生活の場としてよりよくしようとすること、弱者や叩くべきものごとを見抜き、果敢に「決断し実行」しつづけた姿。なにもかもが、現在の政治家さんとの大きな違いを実感させられます。
2016年現在、マスコミからは一票の格差ばかりが強調され、「面積に応じた代表」の面が完全に考慮されていないことも、改めて気がつかされます。たしかに、その地域には、地域の代表が必要なはずです。
「自称」後継者はたくさんいても、ほんとうの意味での後継者がいなかったことが、この本を読むと実感できます。倒れたあと、田中派、そして、早坂秘書と佐藤昭子さん、田中家、すべてが自らが主の守り役を自認しつつ、誰もその意思と孤独、なすべきビジョンを継承できなかったこと、それがなにより残念です。 -
あとがきにエピソードが載っていた
同じ本でもこういうのが目当てで見てしまう