ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460230

感想・レビュー・書評

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  • 読書順として~
    「西南シルクロードは密林に消える」⇒「河畔に標なく」⇒「ミャンマーの柳生一族」

    正当な順だったと納得☆彡

    高野さん、船戸さん、何れも読んできた内容はほぼ外れなく、楽しませてくれた。
    船戸さんの作品がもう、読めないのが淋しいけれど。

    日本軍の統治、ビルマの竪琴、収容所の実態は一つ前の世代なので詳しく知らないが、アウンサンスー・チーさんは何かとニュースで耳にしたくらいの知識しかなかったビルマあらためミャンマーという国。

    不安定な政権と言う位しか解らなかった内情が1作目でかなり頭に入り、位置的に、不安定な情勢に絶えず悩まされ揺れ続いてきたという事が見えた。

    この作品の最期にもあるが『この顛末記ルポ』で「河畔に標なく」の中身は出来たようなものだと言う船戸さんの凄さを改めて認識、凄い。確かに中身も血と、怒涛と、性的なものと死体。。凄いけれど何時もの船戸節。

    高野さんの文は面白く、ファンには申し訳ないが、そこいらの純文学が霞んでしまうほどに巧みな比喩が健在。漢字で「木が二本で林」「三本で森」になる。それを現実化しているのがミャンマーとは巧い事を言う。
    複雑なミャンマー情勢を柳生一族がいた江戸時代、諸藩になぞらえて語っているから分かり易い。

    ミャンマー潜入のルポの副産物として「今は亡き船戸氏の人間録」ともなっている。

  • 以前はピンとこなかったので、評価が低かったが、クーデターで揺れている現在のミヤンマーについてためになった。

  • ミャンマーの内部が、ザックリだが知れて面白く読んだ。
    読書大国とは知らなかった。

  • 2021/08/21

  • ーーアウン・サン・スー・チーをどう思う?オレは、彼女が政権をとっても国を運営することはできないと思うんだけど。(p.140)
    ーー民衆がスー・チー千姫を熱狂的に支持している理由は……彼女がアウン・サン家康の娘だからだ。……このように幕府対倒幕派は……「お家騒動」の側面もあるのだ。そして、そのいちばんの証拠は、スー・チー千姫が少数民族問題について、何一つ具体的な提案をしておらず、少数民族のリーダーたちとそのテーマで議論をすることすら拒んでいる現状だ。(p.66)

    なるほどねー、と思った。
    何の知識も先入観もなく(映画『ビルマの竪琴』を小学生の時に見たくらい)「なんかまたミャンマーがよくニュースに出てくるなぁ。よし、読んでみるか」くらいの感覚で読んでみた。結果、大変に面白く、勉強になった。
    かつて、スー・チー氏は自由の女神みたいに報道されていた。のに、国のトップに立つや否やロヒンギャ問題で叩かれるは、カレン族の動きは不穏だわで「わけわからん。何でそうなる?」と思っていた。そういう理由だったか。
    つまり、彼女にはアウン・サンの孫娘という血筋と西側の思想はあるけれど、ミャンマーの多民族国家を多様性を保ったままに舵取りするプランは最初からなかったわけね。本書は15年前に初版が出てるけれど、今の混乱ぶりを見ると、現在も冒頭の指摘とさほど変わらない感じなんだろう。
    大手新聞や国営放送は「民主主義の危機でござる‼︎」と喧伝するのに忙しそうだけれど、内幕のところは語ってくれない。セイギノミカタを演じることでお金もらってるのだから仕方ないけど。

  • 以前同著者の「アヘン王国潜入記」を読み。
    この本も読みたいと思ってました!
    今回は作家船戸与一氏と取材旅行で入国。
    高野氏自身に危ない事も特になく、旅行は進んでいきます。
    ミャンマーの軍事政権を日本の江戸幕府のようだと、独自の視点を用いて、ユーモアたっぷりの文章で書かれています。ミャンマーの人は鎖国のような国でありながら意外と国際的だったり、民族や宗教が多様であったり、読書家が多いとか、現地の人の暮らしが垣間見れるのも良いです。
    高野さんの冒険記は、謎の国が気になる私の好奇心を大いに満たしてくれます!

  • 日本が開国後諸外国と渡り合えたのは、幕藩体制で国際感覚が養われていたから、という考察が面白い。

  • 例えが分かりやすい気がして、ちょっと読みやすかったけど、そんなに面白いとも思えなかった。
    この人がいたころまでの早稲田の探検部。
    面白い人たくさんいたんだろうなぁと思う。
    今の早稲田って、ちょっと味が薄くなっているんじゃないだろうか。しらんけど。
    30年前。早稲田の一文の受験生に着流し、角帽がいたのには驚いた。学生がやるならまだしも、単なる受験生なのに、凍える2月末にそのカッコはないだろう…と思った。
    この本とは関係ないけど。

  • とても興味深く面白かったです

  • ミャンマーって何考えてんのかわかんないって思ってたけど、なんとなくわかった気になれた。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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