替天行道 北方水滸伝読本 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462838

作品紹介・あらすじ

ベストセラーとなった北方謙三の『水滸伝』。その読本がついに文庫化。人物事典や年表といった貴重な資料をはじめ、著者のエッセイ、編集者からの手紙などレアな文章が満載。読めば北方水滸の全てが解るファン必携の一冊。文庫化にあたり、著者から読者へのメッセージや、司馬遼太郎賞受賞記念エッセイなど、さらに特別なコンテンツを追加。100ページ以上増補した完全版。

感想・レビュー・書評

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  • 怒涛の勢いで読んだ水滸伝、そしてさらに楊令伝を読んでいる途中、存在を目にして読んだ替天行道。笑いに笑った!水滸伝をまた違う方向から知ることができた。19巻読み終わった人だけが見える景色。

    ・北方謙三がいいカップルだと思っているのは宣讃×金翠蓮と張清×瓊英
    ・編集者さんが聞煥章のことを聞ちゃんと読んでいて私とお揃いだった
    ・張清と宋清が間違われていた
    ・最後のカンシが切実
    ・北方謙三は顧大嫂と孫ニ娘につつかれて飲んだことがある

  • 長編読んだ後の余韻に耽られた本書。楊令伝を読む前に簡単に復習できて便利な本かも。
    取材紀行だけで1冊読みたい。どこかで出してくれないかなぁ。
    本シリーズは初読の時よりも2度目の今回の方がずっと楽しめたしどっぷりハマれた。
    初読の時はオリジナルとの違いに衝撃を受けたのは良かったとしてもある解説者や楊志がどうなるのか!で終わった巻の次巻のあらすじでネタがバラされていたことでノル気が完全に削がれたので最後まで冷めたままの読書体験だった。
    オリジナルと違うことを知っていて読むとハラハラ感が増倍、いい具合にストーリーも忘れていて常に緊張状態の読書体験、最高。
    年明けから濃ゆ〜〜いおっさん汁がほとばしる世界に浸っていたので次に読む本は清涼剤感のある本を探して読み始めよっと。

  • 北方謙三自らの人物事典よかった。年齢設定はもとより身長、体重まで設定されていたとは驚き。対談でも挿絵がないのは「絵的な制約を取り除いたほうがいい」と言っていたしそういう尺度はつとめて描写しないようにしていると思っていたので、それ公開してくれるんだ! と意外に思いながら嬉しかったです。美男子は大抵170cmの法則。
    全19巻では納め切られなかった陳仁柔の豪傑絵も嬉しい。
    あとは編集者の山田さんと仲良いね……ってのを延々読まされるw

  • 色んなインタビューや対談、編集者の方の手紙がまとめられていて読み応えがありました。
    最後の北方さんと編集の方の対談はとてもおもしろかった!
    また、主要な登場人物の設定もまとめられていて、改めて登場人物について知ることができるのでいいなーと思いました。

  • 北方水滸伝の文庫には“解説”はあっても“あとがき”がない。なぜならこの本があるから!!北方水滸伝は絶対再読したくなる。1回目は勢いで読めたけど2回目はじっくり読みたい。ただ、なにせ108人出てくるから、誰が誰だか忘れてしまう、それが難点。けど大丈夫!!なぜならこの本があるから!!そうゆう贅沢な本。

  • 全1巻

  • 替天行道とは、北方水滸伝中に登場するもので、宋江が書いて魯智深が流布した檄文。読めば涙を流し、人生を変えるような力のある文章とされているが、作品中でその中身が書かれることはない。 で、この「替天行道」。作品に登場する檄文とは全く関係ない。北方謙三自身やその他様々な人による解説や、対談などの寄せ集め。 映画のパンフレットと捉えればいいのだろうか。作品の余韻の中でぱらぱらとめくるにはいいかもしれないが、単行本1冊の分量は冗長。私は流し読んだだけ。コレクションのための1冊

  • 人物事典が面白かったです。
    原典を解体して、一から作り上げた水滸伝。
    ストーリーの面白さに、つい先を急いで読んでしまったが、作者はひとりひとりの人物を深く理解して作り上げていったことがよくわかる

    びっくりしたのが、蘆俊義の身長・体重。198cm・130kg。
    燕青、170cm・60kg。
    燕青、よく蘆俊義を背負って1週間も走りとおすことができたな。
    そりゃあ死域も越えるってもんだよ。

    作者が「そっちに行くなよ」と思いはじめると、みんなそっち(死)へ行ってしまう。
    作者にも止めることのできない漢(おとこ)達の生きざま、死にざま。

    “書き終えた時は、過剰になったかもしれないと思った。読み返すと、これはこれでよかったのだ、と思い直した。夢中で書いたが、朱仝の死は、確かに私の考える男の死に様のひとつである。”
    やっぱ、そこだよね。

    そして、最初から水滸伝の続編としての楊令伝を考えて楊令を造り出したのだという。
    完璧な人間として水滸伝に登場した楊令。
    楊令伝ではそんな彼の汚い面、残酷な面をさらけだし、乗り越えて成長していくのだという。
    国づくりと、ひとりの男の成長の物語。
    楽しみだ。

  • 林冲史進索超徐寧馬麟扈三娘

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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