蒲公英草紙 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 7022
感想 : 565
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462944

感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸初読みにしてハマった作品。大正ロマンのような雰囲気を漂わせながら、主人公峰子のきちんとした言葉づかいが心地よく丁寧に読み進めたくなった。少し引っ込み思案の峰子がある時地主のお嬢様の話し相手にと医者の父から役割を頼まれる。最初は気が進まないが、行った先のお嬢様がとても聡明で優しく美しい同じ歳の女の子聡子だった。峰子は次第に仲良くなり、毎日のように通うようになる。その後に出会う常野兄妹のフシギや聡子の生き様が物語に加速をかける。後からこの本が三部作と知って急いで次を探して読み始めた。久々に落ち着いて読みつつワクワクできた作品だった。

  • 『光の帝国』と同じく静寂を強く感じる物語。静かなんだけど面白い。常野だけじゃなく、出てくる人々全員が清い雰囲気。話の中の村や人々が本当に存在したわけじゃないけれど、昔の日本ってこんな感じが当たり前だったんだろうなと思う。
    村の長者が率先して損得抜きで自分の使命を全うしようとする。それを幸せと思えるのが素晴らしい。

  • 15:00

  • 追記;
    平成30年7月17日
     う〜ん。この作品はもっと深みと広がりを持たせるだけの
    作品であると思いますよ。前著の『床野物語』も含めて。
    幾度となく映像化されているみたいですね。
    恩田氏を缶詰にして脚本を作り直しましょう。
    撮影も監督もわかる人にはわかるでしょう・・・。
    あの絵で撮りたい。あの役者の味を出したいんだと。

  • 常野シリーズ大好き

  • 常野シリーズでは、一番好きだなと思いました。
    時代背景が特に良かったです。
    読み終えたくない…ずっと、この世界に浸っていたい…そう思いました。涙。

  • 青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。他人の記憶や感情をそのまま受け入れるちから、未来を予知するちから…、不思議な能力を持つという常野一族。槙村家の末娘聡子様とお話相手の峰子の周りには、平和で優しさにあふれた空気が満ちていたが、20世紀という新しい時代が、何かを少しずつ変えていく。今を懸命に生きる人々。懐かしい風景。待望の切なさと感動の長編。

  • 2回目。
    これこんなに寂しい話だったかな、と意外な気持ち。1回目は聡子様のエピソードで号泣したからその印象が強いのかも。

  • 光の帝国 の続編。しまう能力を持った常野一族を基点とした続編。ちょっと寂しい終わり方。次はエンドゲームに進みます。

  • 常野物語シリーズの続編。一作目と違い短編ではなく、こちらは1つの話で一冊の本。主人公が昔を自分のかいた日記に沿いながら語っていくスタイル。
    相変わらず語り口が透明感に溢れていて、いとおしい日々が手に取るようにわかる。
    まだ子供だが聡子は自分の考えを年不相応な大人の表現で語る。一方、幼い光比古は誰をもハッとさせるような内容の話を幼い語り口で話す。この子供達の様子の書き方にも細かな設定が感じられる。
    こんなに美しくいとおしい日々に対比する、幼き日の最後、そして現在。でも、それらがあるから昔が美しい。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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