いつもの朝に 下 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464146

感想・レビュー・書評

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  • 2020.6.12 読了


    どんな感じで 展開するのかと
    思いましたが、よかったです。


  • 上巻からの内容で下巻も猛スピードで読める。

    帯にミステリーのワードもあったので、どこかで期待を裏切られるどんでん返しがあるのか?とも思ったが、兄弟の絆の方にフォーカスしていた、別に悪いわけではなく、それはそれで涙が出そうになるほどだった。

    つまりTHEミステリーではなく、謎めいた要素を解決に向け動く中で兄弟愛が深まる感動ミステリーという形なのだろうか。

    余談だが、文中ででてくるキリストの話は興味深く、アダムとイヴの子供兄弟を照らし合わせているあたりが、もしかしたら事前知識がある人は予想を覆される展開だったのかもしれないとも思った。(自分にはその事前知識がなかった、、)

    予想通りに進むあたりはミステリー好きとしては、不満があるが、ミステリー小説としてみないのであればストーリー展開や末尾の終わり方も好きな形だった。

    2020.5.6

  • この完璧で嫌味な兄と愚鈍で小粒な弟という取り合わせでの前哨で、このまま上下巻で長々とイヤミスを読まされるのかと思いきや、怒涛の展開で意外とスッキリ着地した。

  • 上巻から、意外な方向への展開。
    グングン引き込まれて続きが気になってページをめくる手が止まらない

    キリストとユダ、カインとアベル、聖母マリア
    キリスト教に纏わる語やメタファーが現れて、神聖な雰囲気を帯びていることによってより一層ゾクゾク感がたまらない、至極のミステリーでした!

  • 「いつもの朝に(下)」
    家族とは。兄弟とは。


    ミステリに入る前にこのイライラを募らせるキャラ達と家族愛とは正反対に行きそうな雰囲気(若干ホラーに流れていくのかと)にしてやられた「いつもの朝に(上)」。そこから一気に変わり、テーマになっている「家族の愛と絆」が深掘りされる後半戦。


    父が残した衝撃的な告白は、優太だけではなく桐人にも大きな影響を与える。桐人は誰から見ても欠点が無い少年で、優太は誰から見ても長所が無い少年。全く正反対だった2人が、父の手紙によって立場が逆転し、二人の関係に溝としこりが生じる。この溝としこりを取り除こうとした、優太の即座のアプローチは完全にミスであり、一気に溝は深まり、しこりは取り難くなっていく。


    しかし、出来損ないと言われ続けていた優太は、突拍子な行動と粘り強い意思で、ミラクルボーイと称賛され続けてきた桐人を救い出そうとする。この一連の優太の行動は兄弟愛を確かに感じさせる。また、桐人自身も傲慢な所がありながらも、それをようやく認め、自分は子供であることにも優太の存在の大きさにも気づく。そして、沙羅が隠し続けてきた真実も、桐人と優太に対する愛ゆえのことだったと漸く分かる。最初は、優太への愛情と桐人への愛情に差があるように思えたのだが、どうやらそうではなかったようだ。


    また、家族愛・兄弟愛と並ぶテーマが「罪人の血筋」である。沙羅は幼い頃、父親が引き取った少年によって理不尽にも両親と姉を奪い取られた。敬虔なクリスチャンの牧師であった父親は「犯罪は環境によって引き起こされる。血筋ではなく、正しい環境を与えてあげれば、例え犯罪者の血が流れていても正しく優しい人間として成長出来る」という信念の下、その少年を育てていた。


    にも関わらず、少年自身に殺されてしまう。その数年後、沙羅はその少年の息子を引き取ることになる。何故、自らの家族をめちゃくちゃにした男の子供を育てようと思ったのか。物語を読み進めていくと、沙羅の気持ちが明らかになっていく。沙羅の行動に共感できる人、出来ない人が出てくるのは間違いない。


    隠され続けてきた驚愕の真実に狂わされながらも、家族・兄弟の強くなっていく絆で乗り切り、力強く前に進んでいく。特に、優太の隠された才能と言うのか、事件に巻き込まれる前からは想像出来ない急激な成長により、この兄弟と家族は救われたと思う。

  • 優太の物語から桐人の物語へ。

    沙羅と千夏が優太について語り合うところが凄く好きです。
    「ニキチビを肴にしておしゃべりできたらいいね」なんて、話の流れで凄く感動してしまった。

    急にカッコ良くなる優太と、見事に堕天使になってしまった桐人の廃墟でのシーンも凄く好き。

    優太が選んだやり方は好きじゃないけど、優太も桐人も無事で良かった。

    吉村亮一がどう関わってくるんだろ?って最後まで読んでたんだけど、なるほど!そういうことか!と、彼はこういう役割だったのかと。

    何はともあれ優太が幸せになってくれて嬉しかった!

  • 一緒に暮らすと家族になれる気がする。血のつながりとか関係なく。遺伝子云々で言えば生みの親かもしれないけど、自分という人間が築かれたのは絶対的に育ての親のおかげなわけだし。そういう意味でとても良かった。
    いい家族じゃないか。とても温かさを感じた。

  • 読了日2013/04

  • 上巻に同じ

  • 差し迫ってきます!

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