大きな約束 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 298
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467970

作品紹介・あらすじ

シーナ家に新しい家族が加わった。名前は「風太」。サンフランシスコに住む岳の子供だ。あいかわらず、旅に出て釣りをして写真を撮って酒を飲んで大量の原稿と格闘する日々の中に、涼風のように飛び込んでくる風太くんからの国際電話。スバヤク「じいじい」の声になって対応しながらシーナは思う。人生でいちばん落ちついたいい時代を迎えているのかもしれない、と-。シーナ的私小説、新章突入。

感想・レビュー・書評

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  • シーナマコトはこういう歳のとり方をしたのか。
    いいな。

  • 日々過ぎる日常に隠れる,家族というものの存在意義を鮮やかに描く.決して大きな起伏がある訳ではないし,意識しなければ通り過ぎていくものだが,存在すると確かに生きる活力になっている.孫も含まれた家族の有り様を描きつつ,その実,人の生きることの意義そのものが描かれる.これが生きるエネルギィか,と文字の間から滲み出るものを感じる.

  • ☆☆☆ 「かえっていく場所」と同系列の日常エッセイ。淡々と読みやすい。今回は国内の短めの旅が多いかな。家族はあまり揃わないけど、時々かかってくる孫の風太くんからの電話がなごむ。旅に出たり、お気に入りの屋上で過ごしたり。続きも読みたい。

  • 孫の風太くんと国際電話でしゃべるときのくだりがとても好きだ。とたんに「じいじいの声」になり、そして、孫との会話を「黄金の会話」と表現する。それほどまでに孫はかわいいものなのか。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    シーナ家に新しい家族が加わった。名前は「風太」。サンフランシスコに住む岳の子供だ。あいかわらず、旅に出て釣りをして写真を撮って酒を飲んで大量の原稿と格闘する日々の中に、涼風のように飛び込んでくる風太くんからの国際電話。スバヤク「じいじい」の声になって対応しながらシーナは思う。人生でいちばん落ちついたいい時代を迎えているのかもしれない、と―。シーナ的私小説、新章突入。

    シーナさんもおじいちゃんになり、日々忙しく過ごしながらも穏やかな気持ちでおじいちゃんやっているんだなあとほっこりします。
    が、しょっぱなからケンカで殴って人の歯折ってますがな。相変わらず血の気は多いようです。

  • あとがきのシーナさんのことば通り、なんにも起きないお話。でもそれを面白く、感じ入るのはやはりシーナさんの人柄と文章だなぁと思った。ちょうど沖縄に行くときに持っていったのでタイムリーだった。

  • シーナさんの本は、元気で陽気な気分になりたいときにかるく読める本というイメージでいましたが、本作ではのっけから留置所に入った昔話やケンカの話などでなんだかつまらない・・・
    その後も友人の病気や死に関する記述が多く、全体的に重苦しい雰囲気が続きます。
    唯一の例外は孫の風太くんとのやりとりですが、それも一時的にほっこりするだけで、全体の印象は変わりませんでした。

    考えてみたらシーナさんもだいぶお年を召してきてますもんね。
    精力的に活動し、仲間とワイワイやるよりは、過去をおもい、死とむきあい、とする時期なのかも。
    私の求めるものがシーナさんの今の思考とははずれてきていることに気づきました・・・

    いろいろ言いましたが、「ブチクン」への旅の章で「自然環境の変化と環境破壊について」という講演内容に触れられているのですが、それはよかった。
    私、シーナさんの講演聞きに行ったことがあるの。上手で面白いです。
    この講演も聞きたかったなあ。

  • 岳物語でファンになって以来、読み続けている椎名家の物語。丁度、著者の息子家族が日本に戻ってくる所で終わるが、続きが出るなら読んでみたいなぁと思った。

  • 椎名家の一連のエッセイにおける、初孫登場後のお話。

  • 図書館でざっと読んだ物を借りて、読み直した。シーナ節は健在で嬉しい。『岳物語』の続編のような形で、何だか不思議な気分を味わった。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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