桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468175

感想・レビュー・書評

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  • 読書感想文強化月間(笑)で選んだ1冊目。

    水々しい学生時代の情景が描かれている。
    桐島くんが部活を辞めることになった過程が描かれているのかと思いきや、桐島くんを取り巻く周りの一人一人の青春物語ってところかな?

    こういうのあるなぁ~と思ったり、気が付いているのに気が付かない振りをしている部分を教えられたり。
    現役高校生に読んでもらいたい一冊になりました(*^-^*)

  • 小説すばる新人賞受賞作。

    1989年生まれの作者が19才で書いた作品。ヒエラルキーの空虚の先に見える渇望、羨望、希望を懐かしくも新鮮に読めた。

  • 素直な人が楽しく生きるためには、心を犠牲にしなければいけない、不思議な青春時代がある。まるで傷口を隠しながら走っているような、痛々しくも懐かしい群像劇小説でした。

  • 他の方のレビューをみて驚愕した一冊。スクールカーストがない時代があっただって?信じられない。それって、めちゃくちゃ楽しい学生時代ではないですか!!わたしは小学校高学年から「上」とか「下」とか感じていました。ゆとり世代だから?田舎だから??本編の感想以上に驚きました。

    ●芯がある人が結局強い。
    「上」、「下」で翻弄されていたわたしの青春。振り返ってみて思うのは「芯」があるひとが一番強い。この強いというのは、自分らしく学生時代を過ごせるという意味。本書でいえば、かすみしかり、映画部しかり。イメージは川の中に立つ一本の木や花。弱々しいけどたしかにそこにある。大きな流れに惑わされない。これを若いうちから見つけられるかが、その後の人生に大きく関わってくるとわたしは考えています。本書でも出てきましたがその強さは「上」からみても輝いているのです。本書では「ひかり」という表現で輝きを表していたように思いました。

    ●充実してそうなのにイライラすることってある。
    一見、楽しくやってそうな「上」の人間でも、その内心では何かに、自分にイライラしている人がいる。その描写がわたしにはとてもリアルでした。なぜ、イライラしてしまうのでしょうか。わたしは雑誌などのメディアによくある「今しかない高校生活楽しもう!部活も勉強も恋もなんでもできる」が「正しい」高校生像と思い込むとそのどこかがうまくいかなくなるとそのギャップに苦しむのではと考えました。でも、今は推し文化や個性が割りと尊重されているのでそういうこともないのかな。

    ●桐島がいないのはおしゃれだなと思う派
    桐島自身の話も読みたかったですよね?結局なんで桐島は部活をやめたのか?
    本人の視点から知りたかったと多くの読者が思うのではないでしょうか。しかも、本書をとおして桐島の姿も出てこないんです。(桐島とすれちがった)とかそういう描写がない気がします。そこが朝井さん、一番の工夫で、そこはモヤつくけど狙っていておしゃれだなとわたしは感じました。

  • 県内では最難関の中学に入りましたが、運動苦手な私は公立より運動苦手の割合は高いと勝手に思い込んでました。
    むしろ運動得意の割合が高く、その点ではより苦労しました。さらに成績は並で、自己肯定感の回復に時間がかかりながら過ごしてました。
    そんなシンプルな昔のスクールカーストを思い出しながら、しかし、たしかに、当時ポケコンが長けた同級生はひかりを持ってました。

  • 高校生の日常の一時を丁寧に描写したオムニバス形式の小説。
    部活やスクールカースト、友人関係。
    嫌な部分もあればキラキラした部分もある。
    いわゆるスクールカーストの上にいる人の薄っぺらさにまぁこんなもんだろうなと思いながら、スクールカースト下の映画部の眩しい青春具合に眩しさを感じた。
    桐島っていう人物がとても気になる。

  • 中学や高校の話でよくスクールカースト的なグループによる上、下の話が出てくるが、自分が学生の頃はグループはまぁ仲のいいもので集まるが、そこに上下は感じなかったなぁ。

    時代の問題か自分が鈍感なだけか学校によるのか解らないが、だから上位のものに話しかけるとかの感覚はいまいち解らないのよね。

    とりあえず桐島が部活を辞めるということでこれだけの影響が出る桐島という男。こいつと少し話がしてみたいと思った。

  • 映画化された時に、飛行機の中で観た。あれ?桐島が出てこないうちにいつのまにか映画終わってもた、というもやもやした記憶があったので、ついに原作を読んでみた。

    ひとことでいうとスクールカーストのお話だけど、下層民の前田涼也くんが一番輝いてる気がする。いけてる上流民の菊池宏樹が最後には眩しそうにしてるように。

    宮部美果のお母さんの手紙の話がめちゃくちゃ泣ける。

  • てっきり桐島が主人公の話かと思ってたけど、いろんな人物の物語だったのね

    涼也、実果、宏樹の物語は好き

    自分も何でも無難にできるより、一つだけでも好きで得意なものがあればよかったなぁ

    葛藤やら嫉妬やらいろんな感情が書かれていて面白く読みやすかったのに、最後は「これで終わり!?」って感じで、盛り上がってきてただけに残念だった

  • 桐島、最後まで出てこない。。。笑

    みずみずしさと心理描写の細やかさがいい。

    個人的には実果の話が良かったけど
    他の高校生らしさの話に比べると相当異質。
    これは別の物語でも良かったのでは?と思わされました。

    全体として雑というか幼さを感じるところもあるけれど
    大学在学中にこれだけのものが書けるってすごいです。

    最後もどうまとめてゆくのかな、と思ったけどいい感じに締めましたね。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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