- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087473780
感想・レビュー・書評
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なぜか冬を読んでからずいぶん空いてしまったものの、ついに完結。基本的には良い人ばっかりなのよねー、という事で少々穿って読みたくなる時もあるものの、まぁそこはええ話やなー、と素直に読んでおけば良いのかなぁ、と。
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あー、良かったねぇ大円団…か?富江さん…
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シリーズ最終章
傍若無人に振る舞ってはいても、相手を思いやる心を持ち、ようやく過去を精算して晴々しい世界観をもって、プリズンホテルというやくざが運営するホテルを舞台に繰り広げられたドラマもようやく終了。
浅田次郎氏の作品としては過去に読んだものと若干カラーが異なったような気がしましたが、こんな作品も書かれるのだと奥の深さを感じました。 -
ああ、名残り惜しい。プリズンホテル。
なんて面白い話だろうか。すっかりプリズンホテルに集まる妙な縁にとりこです。終わってしまって残念。
人情溢れるキャラクター達。52年間刑務所居たって人に出会ったら、「俺の悩みなんて…ハナクソだ。耳くそ野郎」って思うかな?
また、泊まりに行こう行きたい。 -
孝之介の抱えていた闇にようやく光が差し込んだようで、あまり好きではないキャラとはいえ安心して読み終わりました。主人公に感情移入できなかったせいか、解説にあるような「泣ける感動」は無かったけど、それより板場での人間ドラマと博打シーンが印象に残りました。シェフも板長も男前。最後、千代鶴是秀の包丁を渡すシーンにはさすがに涙が滲みました。それぞれ大団円、そしてこれからの出発。浅田さんの後書きには「皆元気で働いています」と書いてあったので、それならやはり一度泊まりに行ってみたいな、と思ってしまいました。
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感動の最終巻.最初から最後まで飽きさせない展開に脱帽.何より鬼畜小説家の更生?に胸を撫で下ろす.みんな幸せになってね!!
以下あらすじ(裏表紙より)
義母の富江は心の底から喜んだ。孝之介が文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったというのだ。これでもう思い残すことはない…。忽然と姿を消した富江。その行方を気に病みながらも、孝之介たちは選考結果を待つべく「プリズンホテル」へ。果たして結果はいかに?懲役五十二年の老博徒や演劇母娘など、珍客揃いの温泉宿で、またしても巻き起こる大騒動。笑って泣ける感動の大団円。 -
大円団。任侠ものが好きな人は、この感じが好きなんだなとよく分かった。
板長とシェフの職人魂がいい。本当に美味しい物を食べると人は笑う、とか、大統領にだって家族に作るように作ればいい、とか名言だらけ。 -
ついにシリーズ最終巻。
なんかもうしょっぱなから最終巻的雰囲気を漂わせてた。ぷんぷん。
あいかわらず素直になれず偏屈なままの小説家。
でも、秋以降はミカちゃんには手をあげなくなったもようでそこは嬉しい。
そして、結婚後は富江さんと別居していたのか。別居をきっかけに暴力をふるうこともなくなったのか。
どんなに悲しい過去があっても心に傷を負っていても
暴力は愛情表現にはなり得ない。たとえ当人同士が解りあっていても、とそう思っていたけど、
初めて富江と小説家の関係性がクリアに見えた気がした。
暴力、ダメ。絶対!という意見に変わりはないけど
なんだか納得させられちゃったんだよなぁ。
富江さんの懐の大きさ、愛情の深さに泣かされました。
いなくなった理由も、そういうことか、と。
もしかしたら仲蔵親分は知っていたんじゃないかなぁ。
52年の懲役明けの弥一さんと楠掘留のエピソードは、なんかちょっと弱かった。弥一さんの話は面白いんだけど、楠掘の方はなんか感情移入できないまま終わったなぁ。とりあえず、良かったねって。
三浦先生と春野ふぶきも似た感じ。
週刊時代の今井くんがスキャンダルのことを忘れてくれたようなのも良かったね。
服部シェフのエピソードは泣けた。
梶平さん、シブい、シブいよ!!
3巻目の解説に書かれていた笑っちゃう料理の意味がやっとわかる。
ていうか文庫解説で次巻のネタバレてどうなの(笑)
あじさいホテルに行っても、もうお夜食のリゾットは食べられないんだなぁ、残念。
それにしてもたった1年、四季がひと巡りしただけで、そんなに色々変わってしまうんだなぁ、なんてしんみり。まぁ、小説なんだけど。
ラストに憑き物が落ちたかのようにジェントルになってしまった小説家だけど、解説にもあったようにまた偏屈がぶり返すのも時間の問題かもね。そうでなくっちゃ気持ちが悪いし。
だとしてもしっかり者のミカちゃんがいればきっともう大丈夫。
ハチャメチャな喜劇なのに読ませ泣かせられ、浅田次郎の力量をまざまざと見せつけられた感じもする。
これで最後かと思うと本当に残念だ。 -
夏、秋、冬と読んできたプリズンホテル。もうこれで最後かと思うと寂しくて、購入してから暫く寝かせてありました。
妙に優しくなった作家以外は、相変わらずのオーナーと従業員たち。そして、相手を思いやる気持ちがいっぱい詰まった、板長とシェフのやり取り。
こんなに濃い四季がめぐるホテルは他にないでしょう。また会いたいような、これで終わりがいいような…。
笑顔と暖かい涙を、ありがとう。