分身 (集英社文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 集英社 (1996年9月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087485196

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分身 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 全体的に面白かった。姿かたちはそっくりな鞠子と双葉であるが、あることがきっかけで自分のことが気になり、父親がどの何か隠していることはないのか、気になり、真相を突き止めるために大学などへ出向いて真相を探り当てていく。調べていくうちに、身内の意外な過去や遺伝する難病のハチキントン舞踏病で苦しい思いを感じたり、クローン人間のこと、ドッペルゲンガー現象のことから新たな真実が見えたと感じさせる。時代設定が20年以上前だがクローンのこと、体外受精の仕方の違いなどもあるが、それらが現代の科学に繋がる部分もあると感じる。

  • とても良かったです。
    途中何が起こるのか怖くて周りが気になることもありました٩( 'ω' )و

  • 初の東野圭吾作品。分厚い文庫本で最初ひるみましたが、吸い込まれるように読了。

  • 先が気になり、一気に読んだ作品。医療技術の是非についても考えさせられる。

  • 北海道と東京という違う場所で違う時期に生まれたふたりの女性の外見が瓜二つ。その出生の秘密に迫る医療ミステリー。
    長編だけど途中で読むのが止められなくなる感じでした。怖かった。ホラーのような怖さではなく、医療が人が踏み入れてはいけない分野に足を踏み入れてしまったことによる怖さ。人のエゴから生み出された苦悩や悲しみ。実際にはないことなのだろうが、近い将来、技術的には可能なことなのかもしれないと思うとゾクッとした。不妊治療はあるべき医療だと思うけど、その先は倫理的なストップをかけないとこんな事態がいつか起こっても決して不思議ではないのかも。
    小説としては最後まで描かれていなかったことが少々不満。それでこの先ふたりはどうするのか?どう生きていくのか?そこまでちゃんと描いてほしかった。

  • 「自分は母親から嫌われているんじゃないか」と思うようになった少女が、自分の出生を探る物語。

    この作品で良かったと思う点は2つ。
    1つは、「鞠子の章 その一(p.9-29)」の全部。
    「自分は本当にこの家の子なのだろうか?」「親から本当に愛されているんだろうか?」というのは子供の抱きやすい疑問だと、以前精神分析か心理学系の本で私も読んだことがある。しかし、普通は「あなたは本当にその家の子で、ちゃんと愛されているんだよ」というオチになるのが一般的だろう。

    ところが、本作では、「あれ?本当にこの子愛されてないんじゃ…?そういう結論になるんじゃ…?」という不安と揺れを、本作の主人公である鞠子と共に味わい、「これから先どうなるんだろう」という期待を膨らませることができたのが良かった。

    もう1つは、些末なことと言えば些末なことかもしれないが、生物学的な知識が増えたのも思わぬ収穫だった。

    一方、やや期待外れだったのは二つ。
    1つは、登場人物がやや記号的で、「こういうトリックや展開にしたいから、こう動いてもらおう」という登場人物の動きが、私の主観では多く感じた。
    「このキャラクターが魅力的だからどう動くのか見ていたい」とか「こんな面白い考え方をするなんて」というのが弱かったように思う。
    そういう点では、鞠子の父親の立ち位置は面白いと感じたが、深く掘り下げる前に物語が終わってしまった。

    2つ目は、お助けキャラが、ほとんど全てやってくれていた点が不満だったかもしれない。このせいで、主人公2人の苦難を共にする感覚を持ちにくかったように思う。周りにお膳立てしてもらって最後美味しい所だけ貰ったなという印象が残ってしまった。

    以上、ここまで述べてきたことをまとめると、要するに、私が「鞠子の章 その一」部分を読んで勝手に期待した、人間ドラマや葛藤がやや弱く、種明かしの部分についても、背表紙に書いてある作品紹介もといネタバレを、途中でうっかり読んでしまったせいで心底驚いたというのが無くなってしまい、★3の評価になってしまったというだけである。

    正しく、本作に仕込まれたトリックと種明かしのみを期待すれば、十分に楽しめるかもしれない。ただ、その際、登場人物の名前と役割を、簡単にでもよいので書き留めておくのがお勧めである。

  • まったく同じでも、ぜんぜん違う人間たちのお話。

  • 鞠子と双葉、2人の視点で物語が語られるので飽きない。届くようで届かないもどかしさが、頁を進めさせた。最後は早足で帳尻合わせた感あるけど、科学に対して何か言うような趣旨の作品でもないし、この辺が妥当かな。というとこか。
    17/3/17

  • 自分が生んだ子供を愛したい。でも…母親の気持ちがとても切ない始まりだったけれど、途中でクローンの話に辿り着いてからは展開が少し面白くなかった。が、最後はあまりにもあっけなく少し寂しく感じた。

  • 大学卒業時に友達から蔵書を大量にもらった中の一冊。
    積読状態のものを読破。

    面白かった。
    長篇だが途中で飽きさせることはない。
    ただ、割と序盤の方で、おおよその核心が予想され、
    かつ、それ以上の大きなどんでん返しがあるわけでもなかったので、
    少し物足りないと言えば物足りない。

    最後の結末を描き切っていない点については、
    小説としては美しいが、
    物足りなさを補う意味でももう少し描いて欲しかったか。

  • 生殖医療という理系出身の作者の得意な分野の話です。途中まではぐいぐい引き込まれるように読めたが、多くの方がレビューで書かれているように、最後がちょっと唐突な終わり方でしたね。それでも母の愛を(血は繋がっていなくても)強く感じさせる希望のあるラストだったと思います。

  • 人間はなぜこれ程までに欲深いのだろう。足るを知るということはないのだろうか?なぜ科学や医学は発展し続けなければならないのだろうか?

    本作は現代医学の倫理的部分に切り込んだ作品。読んでいて背筋がゾクゾクするのを感じる。なぜ彼女たちは生まれてこなければならなかったのか。これからどのように生きていけばいいのか。考えるだけで胸が張り裂けそうになる。個人的には、伊原、氏家清、下条。この3名が心底許せなかった。

    作品全体としては、巧妙なミステリーと重厚な人間ドラマが融合し読み応えがあった。さすが東野圭吾だけあって、物語は頭に入って来やすいので軽く読み流しても十分に楽しめる作品だ。ただ深く読もうとした場合、一度読んだだけでは感想を整理できないかもしれない。あまりにも複雑で切なくそれを整理するには時間がかかると思う。

  • 中々面白かった。

    メインとなる登場人物2人の物語が、1章ずつ交互に書かれているので、途中までは臨場感があり、今後どうなっていくのかという期待からページをめくるスピードがぐんぐん加速していきました。
    ただ、最後はちょっと残念。物語の核心部分が、表現が難しいんだけれど、すごく現実的なので、筆者の現在の医療への警笛というかそういう真面目な部分でのメッセージ性が異質なものとして現れてしまった印象でした。

    発行されたのが1996年と約20年前で、その当時の医療技術がどの程度だったのか知りませんが、先端技術分野ではこういった「倫理観との葛藤」のようなものと常に向き合う必要があるんでしょうね。そしてそれを取り巻く利権などももちろんあるでしょう。
    そういった部分が、物語の真相が分かっていく上で表面化するときにどうしても現実的というか、なんだか物語の熱を冷ますような材料として影響してしまったんじゃないかなと思いました。

  • ん〜、期待値が高すぎたのかな?
    双葉と鞠子がついに同じ北海道に!な辺りまではすごく面白く読めたのに、クライマックスが物足りなかった感じ。

    原作どちらが先かわからないけど、漫画の「スパイラル」と既視感があって、まさかこっちも「才ある大切な人が何か事故や疾患に掛かっても拒絶反応のない移植等が可能なようにするためのスペアとしてのクローン」設定じゃないだろうなと読み進め、結局そうだったので、つい落胆。
    そこに至るまでの、徐々にピースが揃っていく臨場感はとても素晴らしかったんですけど。

    一番最後の終わらせ方もなんだか唐突に美しくしすぎてて、しっくりこない。
    鞠子のお母さんの不可解な態度の真相も取って付けたような印象を抱いてしまいました。
    中盤までが本当に面白かっただけに一層残念。

  • 面白かった前半の方が

  • クローン。
    もし、自分が誰かねクローンだとしたら。
    怖っ。
    知らずに、自分のクローンが存在したら。。。
    もっと怖っ。

  • 自分と全く同じ姿かたちの女子大生。二人が、それぞれに出生の謎を解き明かそうと奔走する物語。高城晶子の「気味が悪かったわ。それこそ身の毛がよだつほどね」という言葉が悲しい。

  •  本著では、2人の女性を交互に語ることによって物語を進めている。また、この二人を結ぶものが何なのか、という問題意識を一貫して描いている。
     現代医学におけるクローン技術を取り上げ、権力と利権問題をも組み込んだ物語となっている。人間は、人間を実験動物と同等に扱うことを医学の進歩という大義名分によって人間の生命をないがしろにしているのではないだろうか。進歩は人間の生活を豊かにする。けれども、その進歩が禁断の領域に踏み込んでいることを自覚しなければならない。
     人間の欲望には際限がない。感情はあらゆる人間拡張によって増幅するだろう。踏み込んではいけない境界線を意識し、平生の営為を思慮すべきである。

  • 最初は普通に双子かと思ったのだけれども。
    倫理と研究にかける熱意とのバランスは難しいなと。
    私もエセ理系なのでわかる部分もあるようなないような。
    倫理と研究というのは原子力にも言えることだよなと思いながら。
    ラストが残念。
    えっ?それで終わりと思った。
    東野作品では珍しい。

  • こういう話だいすきだーーーー!!

    とまらない!

    私も似てる人がいたよ、と人からよく言われるから、どこかにドッペルギャンガーがいるかもしれない。

    と空想してしばらく過ごすであろう。

    2016.7.23

  • 最後は誰のことかわからなくなりそうだったけど面白かった♪

  • 単にクローンかと思ったらそうでもない、主人公たちに次々に試練が与えられるがラストが爽やかですっきり読める

  • 自らがクローンとは知らずに誕生し、それぞれ別の家庭で育った双子。

    その片割れがテレビ出演したことをきっかけに2人の周囲でおかしな事件が続き…

    なんだか悲しいお話でした。。クローンとして誕生しても彼女らには彼女らの人権や幸せがあるのに…

    鞠子と双葉のお母さんがかわいそう。

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