- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087520095
作品紹介・あらすじ
「私」は、鎌倉の海で出会った「先生」の不思議な人柄に強く惹かれ、関心を持つ。「先生」が、恋人を得るため親友を裏切り、自殺に追い込んだ過去は、その遺書によって明らかにされてゆく。近代知識人の苦悩を、透徹した文章で描いた著者の代表作。
感想・レビュー・書評
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久しぶりに読んだ。読む度に感想が異なる本。今回の感想。
当時超エリートだったであろう人達が、実家の家族から切り離され「淋しさ」を拗らせて自殺していったとうストーリーで読んだ。人の本性、汚い部分がストレートに描かれていて好き。 -
先生との出会いと告白。大人になったわたしが若かったわたしを綴る。
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開始: 2023/11/1
終了: 2023/11/8
感想
もう少し人が弱いことを知っていれば。周りの人も自分と同じように煩悶し踠いていると気づけば。そうすれば先生も世間に顔向けしていたのに。 -
国語の教科書に載ってた印象があり、大人になってみてから読むとどのような感想を持つのだろうと思い読んだ。
読む前の印象に残っていたのは、先生とKとお嬢さんの三角関係の物語だと思っていたが、想像以上に重々しく哀愁的な作品だった。印象に残っていた話が登場するのが、三部の「先生と遺書」だったので、一部と二部の内容は飛ばしてもよいくらい薄く感じた。
先生の人柄が今で言う引きニートで、コミュ障であるゆえのもどかしさが生んだ悲劇だとも思ったが、時代的な側面を知ると少しは気持ちに寄り添えるのかもしれないと感じた。
遺書を受け取った「私」や妻が、この後、どのような行動をするのか考察してみたい。
解説を読んで、海外では同性愛の本として読まれていることには驚いた。 -
やはり純文学は自分にはまだ早いと痛感した。
自分はこの作品で何よりも先生に先立たれた奥さんが可哀想でならなかったのだが解説を読み、もしかしたら奥さんは全てを察した上で先生に接していたのかもしれないと思うとそれもそれであるのかなとも思った。
また、「私」が先生に恋愛的な感情を抱いていたという解説にも納得させられた。
いつか自分もこの解説で書かれているくらいのことを考察できるようになりたいなーと思った。
いやー、ここまでページをめくる手が進まないのは久しぶりだったな。 -
心地よい鬱
上、中、下の構成で、下からは一気に物語のスピード感が増して真実が明らかになっていくのが楽しくもあるし心を掻き乱されもする -
高校生の頃、初めて読んだ時「こんなに面白い本があったのか」と驚いた。夏目漱石の作品に嵌まったきっかけでもある。
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やはり名作ですね。何十年も前の話なのに、なぜこんなに読みやすいのか。夏目漱石ファンになっちゃいました