こころ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 3905
感想 : 380
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520095

作品紹介・あらすじ

「私」は、鎌倉の海で出会った「先生」の不思議な人柄に強く惹かれ、関心を持つ。「先生」が、恋人を得るため親友を裏切り、自殺に追い込んだ過去は、その遺書によって明らかにされてゆく。近代知識人の苦悩を、透徹した文章で描いた著者の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • みんな賢いのに生きるの下手すぎて悲しいよ泣泣
    自殺の理由って本当にいろいろなことが絡み合っていて、言えること言えないことたくさんあるし、そのトリガーだけを見てあれこれ言うのはまさに死人に口なしだよねと思う
    多分先生も気付いてないだけでもっと他にも理由とか、心に積もっていた出来事がたくさんあったんじゃないか、それと同じように死を引き止める出来事だってあったんじゃないか(だから10年も死を引き延ばしていたんじゃないのか)と思う
    人のこころって本当に複雑でわからないね

  • 久しぶりに読んだ。読む度に感想が異なる本。今回の感想。
    当時超エリートだったであろう人達が、実家の家族から切り離され「淋しさ」を拗らせて自殺していったとうストーリーで読んだ。人の本性、汚い部分がストレートに描かれていて好き。

  • 先生との出会いと告白。大人になったわたしが若かったわたしを綴る。

  • 開始: 2023/11/1
    終了: 2023/11/8

    感想
    もう少し人が弱いことを知っていれば。周りの人も自分と同じように煩悶し踠いていると気づけば。そうすれば先生も世間に顔向けしていたのに。

  • 国語の教科書に載ってた印象があり、大人になってみてから読むとどのような感想を持つのだろうと思い読んだ。
    読む前の印象に残っていたのは、先生とKとお嬢さんの三角関係の物語だと思っていたが、想像以上に重々しく哀愁的な作品だった。印象に残っていた話が登場するのが、三部の「先生と遺書」だったので、一部と二部の内容は飛ばしてもよいくらい薄く感じた。
    先生の人柄が今で言う引きニートで、コミュ障であるゆえのもどかしさが生んだ悲劇だとも思ったが、時代的な側面を知ると少しは気持ちに寄り添えるのかもしれないと感じた。
    遺書を受け取った「私」や妻が、この後、どのような行動をするのか考察してみたい。
    解説を読んで、海外では同性愛の本として読まれていることには驚いた。

  • やはり純文学は自分にはまだ早いと痛感した。

    自分はこの作品で何よりも先生に先立たれた奥さんが可哀想でならなかったのだが解説を読み、もしかしたら奥さんは全てを察した上で先生に接していたのかもしれないと思うとそれもそれであるのかなとも思った。
    また、「私」が先生に恋愛的な感情を抱いていたという解説にも納得させられた。
    いつか自分もこの解説で書かれているくらいのことを考察できるようになりたいなーと思った。

    いやー、ここまでページをめくる手が進まないのは久しぶりだったな。

  • 心地よい鬱
    上、中、下の構成で、下からは一気に物語のスピード感が増して真実が明らかになっていくのが楽しくもあるし心を掻き乱されもする

  • 高校生の頃、初めて読んだ時「こんなに面白い本があったのか」と驚いた。夏目漱石の作品に嵌まったきっかけでもある。

  • やはり名作ですね。何十年も前の話なのに、なぜこんなに読みやすいのか。夏目漱石ファンになっちゃいました

  • 以前に授業で読んだ印象と、今回読んだ印象は違った。例えば、三角関係よりも先生の「こころ」の内のドロドロとした感触が印象に残った。

    「私の心臓を立ち割って、温かく流れる血潮を啜ろうとしたからです。~中略~私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴びせかけようとしているのです。私の鼓動が停った時、あなたの胸に新しい命が宿る事ができるなら満足です。」149p

    そして、明治と現代の空気感の違いも新鮮だった。西洋文化を取り入れることが「エリート」の条件で和風を少し見下した論調や家父長制に見られるジェンダー意識など当時を反映した作品を読む体験ができたのは一つの収穫だと思う。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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