征服者ロビュール (集英社文庫 ウ 7-5 ジュール・ヴェルヌ・コレクション)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087602210

作品紹介・あらすじ

高空から降り注ぐ最後の審判のラッパのような音。そして各地の尖塔の頂きにくくりつけられた旗。世界中にまきおこったこの怪現象に各国は騒然とする。その頃フィラデルフィアの気球愛好家の集会に現れた男はロビュールと名乗り、自分は大空を征服したと宣言した…。飛行戦艦での自由奔放な空の旅がいま始まる。人類の夢、飛ぶことへの憧れををのせてヴェルヌが描く空中の冒険。

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
     アメリカ・フィラデルフィアの気球愛好家の集まり・ウェルドン協会の例会で白熱した議論の最中、ローバーなる技師が発言を求める。
     彼は気球など時代遅れであり、これからは飛行機の時代だと演説して気球愛好家達を挑発。
     会は大混乱に陥り、その混乱に乗じてローバーは忽然と姿を消す。
     閉会後、ウェルドン協会のプルーデント会長とエバンズ書記は帰宅の途中、ローバー一味に拉致される。
     彼らはローバーの発明した飛行機【アルバトロス号】で世界一周見学の旅に付き合わされることになる!!
     
    【感想】
     飛行機アルバトロス号の旅は快適そのもので、あまり危なっかしいシーンはなかったように思います。
     例えば『アフリカ横断飛行』での気球の旅と比べると大きく違います。
     気球はまだ地面に近いので色々な危機がありましたが、アルバトロス号は文字通り高見の見物です。
     嵐に巻き込まれて南極点まで連れて行かれたのが唯一の危機でしょうか。
     アルバトロス号は現在の飛行機よりも高性能で、ヘリコプターのように垂直離着陸やホバリングができるので、まるでオスプレイです。
     飲食物や燃料の補給もほとんど必要ないのですから、ほとんど永久機関化しています。
     ところで、アルバトロス号ではトイレや風呂はどうなっていたのでしょうか。
     ヴェルヌの作品にはそういった描写はないのですが、私としては気になります。
     
     ところで、アルバトロス号が日本を訪れるシーンがあります。
     富士山を越えてから江戸に入ったという描写になっています。
     しかし、集英社文庫版の巻頭のコース図を見ると、日本へは北から入り、江戸から西日本へ向かっています。
     このコースなら富士山より先に江戸に入るのではないでしょうか。
       https://sfklubo.net/robur/
       https://sfkid.seesaa.net/article/476989999.html

  • 2012/9/4購入

  • 海、地底とくれば、「空」をテーマにしないわけにはいかないでしょう。
    おそらく、読んだら誰もが「海底二万里の空ヴァージョン」だと感じると思います。
    登場人物が拉致されて、世界中を引き回されるというパターンも酷似してます。
    発表順から行けば、「地底旅行」、「海底二万里」、そして本作となります。

    <あらすじ>
    世界各地で、空からトランペットの音色が聞こえてくるという事件が起きた。
    各国天文台は、その正体を突き止めようとするが徒労に終わった。
    また、これまた各国の尖塔に旗がくくりつけられるという珍事件が起こる。
    誰もこの真相を突き止めることはできず、推測が飛び交うだけだった。

    ある日、アメリカのフィラデルフィアで、気球主義者たちの集会が開かれていた。
    彼らは、気球につけるプロペラを、前につけるか、後ろにつけるかで言い争いをしていた。
    そこへロビュールと名乗る男が会場の中に、さっそうと現れた。
    彼は熱狂的な気球狂たちを前にして、「私は空気より重いもので空を支配した」と宣言する。

    続き→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-371.html

  • ロビュールはネモ船長を超えたヒーローだ!

  • 海底2万里の空バージョンともいうべき話.プロットもほとんど同じで不思議な空飛ぶ機械にさらわれた一般人とその不思議な機械(飛行機)の船長との旅物語.この話が書かれた当時にはまだ飛行機などは発明されていなかったのに,その物理的特徴をみごとにとらえているのがすごい.ただ海底2万里ほどの印象がちょっと残らなかったのはロビュール自身についての行動があまり語られなかったからだろうか.

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著者プロフィール

Jules Verne, 1828 - 1905.
フランスの小説家。
『海底二万海里』『月世界旅行』『八十日間世界一周』
『神秘の島』『十五少年漂流記』など、
冒険小説、SF小説で知られ、SFの父とも呼ばれる。

「2016年 『名を捨てた家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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