スカーレット・ピンパーネル (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605556

感想・レビュー・書評

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  •  『隅の老人』シリーズで知られるバロネス・オルツィの歴史ロマン小説。
     18世紀末のフランスとイギリスを舞台に、秘密組織「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」の活躍を描く。
     フランス革命下において、次々に捕らえられ、処刑される貴族たちを救出し、亡命させる謎の一団。
     大胆不敵で変幻自在のリーダーを追跡する、共和政府とのスリリングな攻防。
     イギリス貴族と結婚したフランス人女優の、夫への葛藤と擦れ違い。
     リーダーの正体や土壇場での奇策など、謎とされるファクター自体は難解ではないし、欧州一の才女と謳われるヒロインの浅薄さが若干鼻につくものの、恋と冒険のエンターテインメントたる面白さは失われていない。
     さらに、著者が、ハンガリーの由緒ある貴族の出身であること。
     幼少期に小作人の反乱に遭って、家族と共に、ベルギーやフランス、イギリスへと移ったこと。
     当初、イギリスで舞台化された『紅はこべ』が大盛況であったことetc.。
     このような、フランス革命に対する周辺諸国(貴族階級)の反応や、当時の社会情勢が大きく反映されている点も見どころの一つだ。

  • 今、東京宝塚劇場でこの話の舞台をやってます。

    外国文学は苦手なので何とも言えません。。
    感情の変化にうまくついて行けません。

    ギロチンにかけられるフランス貴族を助ける謎のヒーロー・スカーレット・ピンパーネルの話です。

    そうとしか言いようがありません…

    舞台はとてもよかったです。ちょっと話が違うかったけど。

  • 冒険活劇で、読みやすい。この原作よりミュージカルの方が、人物の描き方が巧みで深いのは、逆転現象かな。

  • 宝塚のスカピンを観ていたのですが、宝塚版とはまた違いました。ただストーリー展開やラストはほぼ一緒かな?
    私は歌もある、見た目も華やかな宝塚やミュージカルで観る方が良かったかな。
    本では夫婦の心情などが細かくわかるので良かったです。パーシーがちょっと冷たく感じました、、、

  • 小5女リクエスト20110513 宝塚上演作品文学を読みたい。
    児童書では出版されていない。半田市立図書館司書に、『紅はこべ』の類書になると教えて頂いた。さすがだと思いました。
    解説によると「スカレーット・ピンパーネル」「紅はこべ」という花の名前が、この物語の題名。「スカーレット」という言葉から、『風と共に去りぬ』の主人公が連想される。作品の関係性はないが主人公のキャラクターは酷似している。
    「スカレーット・ピンパーネル」と「紅はこべ」、シンボル的な花の名前だが、言葉の響きの違いで作品への引き込まれ方が違うように感じられる。
    解説によると、「スカレーット・ピンパーネル」は、ブロードウェイ・ミュージカルになり1998年トニー賞にノミネートされ、その後日本では宝塚星組によって上演される。

  • フランス革命の最中、フランス人貴族をイギリスに亡命させる謎のイギリス人『スカーレット・ピンパーネル』を首領とする一団と、それを追う革命政府の役人の駆け引き。
    ヒロインのマルグリードは才女らしいけれど…どうもピンとこなかった。結構感情に翻弄されて地雷を踏みまくっていたように思えるのだが…。

  • ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)』の原作です。フランス革命時、亡命貴族を英国へ運ぶ義賊と彼を追う革命政府のお話。ディケンズ『二都物語』のもっと娯楽チックなテイストでしょうか。友人の知人のご家族が出演していらっしゃるということで、過日宝塚大劇場へ足を運ぶことに。もとはブロードウェイミュージカルらしく、舞台展開、楽曲などはなかなかです。うーん、それにしてもタカラヅカという世界はディープ!キャストの実力だけで見たいなぁという気もしますが(笑)、こういう「支える」ドラマを楽しむかたも多いのでしょうね。

  • 2008年5月「紅はこべ」の新訳。
    フランス革命末期の1792年が舞台の作品。
    ヒロインは、マルグリート・サン=ジュスト。美貌と才知で知られた女優。
    イギリス貴族パーシー・ブレイクニーと結婚し、ロンドン社交界の花形となるが、夫とはうまくいっていない。
    それというのも、革命の嵐の中で、かって兄アルマンを痛めつけたサン=シール侯爵を密告したことが夫に悪い噂となって知られたからだった。
    恋の行き違いと命がけの救出劇。
    悪役ショーヴランもいかにもそれらしい。
    原作は1905年。作者は1865年生まれ1947年没。
    ハンガリーの貴族に生まれ、小作人の反乱で故郷を追われたという経歴。

  • 《読んだ時期:2008年6月》
    新訳版ですが、以前に出版されているのも読みたい。

  • 「血の季節」で主人公が大使館の兄弟と一緒に「紅はこべごっこ」をしてまして、その縁で読んだ作品。スカーレット・ピンパーネルの頭領の活躍が描かれるのかと思ったら、ほとんどマルグリット視点なんですね。ヨーロッパ一の頭脳と言われた彼女がそれほど賢い行動を取ってるように思えず、むしろ自分の感情先行に見えてあまり魅力的に感じられませんでした。子供向けの絵本では、主人公二人がもっとかっこよく描かれてたんですかねぇ・・・。

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著者プロフィール

1865-1947。ハンガリー低地地方のターナ= オルスに生まれる。14 歳でロンドンに移住。1901 年から『ロイヤル・マガジン』誌で「隅の老人」シリーズの連載を開始。本作の主人公はのちに「シャーロック・ホームズのライバルたち」に数えられ、「安楽椅子探偵」の嚆矢ともされる。他の代表作に、1905 年に演劇として上演され、小説も10冊以上が刊行された「紅はこべ」シリーズなど。

「2019年 『世界名作探偵小説選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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