- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087606126
感想・レビュー・書評
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DVDが見つからなかったので本を読むことにしました。老後の問題をいろいろ考えさせられました。老婦人の淡い恋は(当然)報いられることはなかったし、亡くなり方も唐突だったけれど、老婦人の最期はあれが最善だったのかもしれないと思えました。でも、人生は厳しい。
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心がなんだか温まるお話
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映画を見てから読みました。映画よりもぐっとビターで納得のできる内容。階級の違い、育ちの違いといったところが。作者は70年代をこの作品の舞台にしているそうです。私の記憶だと、70年代といえばアラン・シリトーが「長距離走者の孤独」を出して、労働者が小説を書いたということで英国では衝撃的なデビューだったそうだという書評がありました。日本人には?なんですけど、そうするとルドの状況とパルフリー夫人の態度はかなりpeculiarと言えるでしょう。
それはさておき、老人となった時「自分だけの話を親身になって聞いてくれる人」を求める姿は洋の東西を問わずあるのだなと感慨深かったです。自立するだけでは足りないものがあり、若いうちにその環境を整えておかなければなりません。いろいろ考えさせられました。 -
映画を見て原作を読みたくなりました。
どちらかと言うと映画のほうが好み(人間が甘いです)
年をとると寂しさに耐えることになりますが
やはり誰かと居たいということでしょうかね。-
映画を見て原作を読みたくなりました。
どちらかと言うと映画のほうが好み(人間が甘いです)
年をとると寂しさに耐えることになりますが
やはり誰...映画を見て原作を読みたくなりました。
どちらかと言うと映画のほうが好み(人間が甘いです)
年をとると寂しさに耐えることになりますが
やはり誰かと居たいということでしょうかね。2011/05/03
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12月4日(土)より岩波ホールでロードショー公開される映画の原作。映画は設定を現代に置き変えられているようだ。ちなみに、作者はあの大女優と同名。
舞台は、1950年代のロンドン。クレアモントホテルに、夫と死に別れたパリフリー夫人が余生を過ごすため滞在する。自立すること。憂鬱に負けないこと。貯金の元金に手をつけないこと。これらを守り誇りを持って生きようとする。そんな彼女の前に現れた長期滞在者たち。チッブは出し惜しみ、込み合う時間にTVを独占し、そこらを散らかすなど、ホテルのポーターやウェイターたちを困らせる老婦人、老紳士。彼女らは、見栄を張り合い日がな一日を過ごしている。そんなある日、彼女らの1人から頼み事され出掛けたパリフリー夫人は、アクシデントに見舞われ、助けられた事がきっかけで、定職を持たない作家志望のハンサムな青年・ルドと出会う。孫と云ってもよいくらいの年齢差を越え淡い恋心を寄せていく。
彼女らの前で、たった一人の大英博物館勤務の孫の事を口にした為、ルドを孫だと偽り嘘をつく。何故なら、彼女らには、肉親など訪問客がある。けれど、パリフリー夫人にはひとり娘・エリザベスと折り合いが悪く、訪ねて来ると云っていた孫すらも、なしのつぶて。そうした体面を繕うとする事情があった。
さらに、娘・エリザベスに宛て、もう一つの嘘を認めた手紙を出すが…。
物語の中心となっているパリフリー夫人のちょっと危うい恋。思わずトキメいてしまいそうな(もしも女性だったらね(・_・;))その辺りの描写も読み所のひとつ。
嘘が誤解を生み人々が騙されていく滑稽さとか、老いや病、そして死という悲喜こもごもの人間模様をウィットに富んだせりふ回しで、語られていく。それがまた心のヒダに染みるようで深く考えさせられる。