偉大なギャツビー (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087606652

作品紹介・あらすじ

ひとりの女に人生を賭けた男の純愛と破滅。第一次大戦後の繁栄と喧騒の20年代を、時代の寵児として駆け抜けたフィッツジェラルドの代表作にして、アメリカ文学の古典。映画化原作。(解説/上岡伸雄)

感想・レビュー・書評

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  • ギャツビーの死後全てが無かった様にデイジーもトムもジョーダンも消えて行くのが面白かった。
    結局ギャツビーがいなくなると華やかさは消失されてしまった。
    正に一瞬の夢を描いた作品だと言える。
    ニックだけが残された記憶の中に居るギャツビーを忘れられない。
    デイジーだけを一途に想い生きたギャツビーの最期はあまりに呆気なかった。

  • The Great Gatsby(1925)

     ニックの視点から見るアメリカンドリームの美しさと醜い現実、そして夢の崩壊。
     ある目的のために富豪となったギャッツビー、彼の淡く美しい夢は残酷な現実の中で音もなく崩れ去る。この物語は、終始、どこか切ない雰囲気が漂っている。パーティにはたくさんのお客が頼みもせずに集まったのに、彼の葬式には友人らしき人物はニックのみであり、デイジーは葬式のくだりでは姿すら現さない。
     夢を追いかける美しい情熱と崩壊後の虚しさ、読後の爽やかで美しく、しかし、虚無感に包まれた感動は、ギャッツビーへの同情と軽蔑からくるのだろうか。

  • ずっと気になってて読んでみたもののいまいちよく分からず…。

    他の翻訳者さんの本を読むと話がなんとなく分かるのかな…?
    文章表現が少し違和感を感じてしまった。

  • かの有名なアメリカ文学の古典的名著。1920年代の大戦景気に沸くアメリカ、ニューヨークの富豪の若者たちの風俗を描いている。結末は悲しいものだが、当時のニューヨークの金持ちたちの価値観や生活がビビットに描かれ、リアリティがあった。古い作品なだけあって、少し読みにくく面白いかと言われると微妙ではあった。

  • 大学の講義で読んだ作品
    英語で読むのと 日本語とでは
    感じ方が変わった

  • 華麗なる、の映像の迫力に魅了されて手に取った一冊。
    若い時代の恋心の一途さや恥じらいを、そのまま壮年期に持ち込んだ青年の話。

    でもちょっと、人は冷たいと感じてしまった。

  • 2017年6月18日に紹介されました!

  • 華麗なる......
    私自身の邦訳のイメージは『華麗なるギャツビー』であった。
    正確な邦訳(偉大な)よりも、華麗なる、の方がイメージに近い気がする。

    それにしても、こんなにも短い話だというのに、のらりくらりと読んでしまった。
    流麗な、あるいは華麗な文体。
    叙情的で、ときにあふれ出る感情。
    華やかできらびやかな上流階級、古きよきアメリカ、そんな背景があっての名作ではあろう。
    だが。
    どうにもわたしにはあまり面白いと思えず.....
    ヤングアダルト向けの最近の書籍、『ゴシップガール』が好きな若者であれば、ここで書かれた世界は面白いかもしれない。
    何も、上流階級を嫌っているわけではない。
    ただ、作風が肌に合わなかっただけのこと。

    レオナルド・ディカプリオ主演で最近映画化されたようで、映画だったらその華やかさと相まって見応えはありそうだ。

    心に残るのは、最後の一文。
    「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。」

    船ではなく、舟としたところに訳者の技量が見て取れる。
    破滅的でありながらどこかに希望を残している。
    それが、一縷、一匙、いや、砂粒であったとしても、そこにそれがある限り、人は進み続けられるのだろう。

  • 名作映画のイメージのある「華麗なるギャッツビー」
    映画化する時に名前を変えただけで原作っていうことかな?
    というくらいの知識で読み始めたものの、箸にも棒にもかからないよくわからない話だった。どんな話?と聞かれても説明のしようがない。

    最後の最後までギャッツビ-のどこが偉大だかもわからなかったし。

    成り上がりとか、叩き上げ、っていうのが”偉大”なのだとしたら、日本人とはちょっと感覚が違うんだと思うわ。文化がちがーう!としか・・・。
    翻訳もちょっと分かりにくかったような気がするけど、原本を読み解くことは一生ないと思うから知りようもない。

    私の中での唯一の盛り上がりは、登場人物の一人が、アンジェリクに出てきたルイ14世の2人目の妻のマントノン夫人に例えられていたところくらいでした。

    この話をどうやって映画にしたんだろう・・・?

    ひたすら描かれる、うだるような暑さは秀逸だったかも。涼しくなってから読んでよかった。

  • 前から読もうと思いつつ読めてなかった作品。映画化をきっかけに読んでみた。
    前半なかなか読み進めなかったのは文体に馴染めなかったからか、ストーリー展開がゆっくりだったからか。1920年代アメリカ、という時代背景に余り魅力を感じなかったからかも。
    でも作者が実経験を織り交ぜながら書いてるのには興味が湧いた。南部一の美女とうたわれ、贅沢に慣れた婚約者に一旦は婚約を破棄されたものの、小説家として成功を収めたら結婚してくれたということらしい。
    本作の冒頭にも、ゼルダ(この妻)に、とある。このエピソード、作者は成功の証と捉えていたのかな。
    本作では、主人公のギャツビーが美しい元恋人を取り戻す為に成り上がっていく。確かにお金がモノ言う時代だったのでしょう。
    正直この作品が傑作、と呼ばれるのは余りわからないけど、最後、夢を追い求める人間の性(さが)を描いた表現は美しくて、強く印象に残った。
    人間、求めても求めても手に入れられない夢を追い求続けることで生きているのかも。夢を勝手に美化しながら。

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著者プロフィール

(Francis Scott Fitzgerald)
1896年生まれ。ヘミングウェイ、フォークナーらと並び、20 世紀前半のアメリカ文学を代表する作家。1920年、24歳のときに『楽園のこちら側』でデビュー。若者の風俗を生々しく描いたこの小説がベストセラーとなって、若い世代の代弁者的存在となる。同年、ゼルダ・セイヤーと結婚。1922年、長編第二作『美しく呪われた人たち』を刊行。1925年には20世紀文学を代表する傑作『グレート・ギャツビー』を発表した。しかし、その後は派手な生活を維持するために短編小説を乱発し、才能を擦り減らしていく。1934年、10年近くをかけた長編『夜はやさし』を発表。こちらをフィッツジェラルドの最高傑作と評価する者も多いが、売り上げは伸びず、1930年代後半からはハリウッドでシナリオを書いて糊口をしのぐ。1940年、心臓発作で死去。享年44。翌年、遺作となった未完の長編小説『ラスト・タイクーン』(本書)が刊行された。

「2020年 『ラスト・タイクーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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