おしまいのデート

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713893

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛メインの本だと思っていたけど、
    色々なシチュエーション「別れ」だった。

    特に、題名になってるのは色々な感情を
    抱いてしまう作品。

    大人になって沢山の別れを経験してるから、
    それがどんどん蘇って、苦しく、温かい、
    気持ちになりますね。

    描写が多いわけでもないのに、
    こんな気持ちにさせる作者の力に
    敬服です。

  • 男女のデートのお話ではないけれど、
    誰かと時間と場所を決めて待ち合わせて、
    「もうくるかな・・・」とドキドキしながら相手を待ち、
    一緒に過ごすひとときって、とってもわくわく、楽しい♪

    そして、終わりは次の始まり。
    すべてのお話が、素敵な未来を感じさせる余韻を
    残した結末で、どのお話も読後感◎です。

    それにしても、ソフトクリーム(私はミックス好きだけど)、
    頑固一徹の主人が作る味の変わらない玉子丼に天丼、
    手作りの豪華なお弁当、おいしそうな中華料理、
    ビスコ、メロン、ハンバーグに目玉焼き‥ 
    なんかそそられる食べ物がたくさん出てくるなあ。
    心に残る記憶って、美味しい料理とともに作られるのかな。

    思わずぐっときたのは『ランクアップ丼』。
    『デートまでの道のり』はほほえましいけど、
    子どもってやっぱりスルドイ。

    瀬尾まいこさん、ますます好きな作家さんになりました。

  • デートをテーマにした短編集。

    よくある男女のデートではなく、祖父と孫がデートしたり、先生と生徒がデートしたり。
    なるほど。たしかに立派なデートですね。発想が面白い。

    どの話もよかったけど、特にランクアップ丼がすきです。
    ベタだけど、泣けちゃう。
    上じいみたいな先生いいなあ。こんな先生がたくさんいたらいいのに。

    ファーストラブもよかったです。

  • すごく読みやすい本だった。けれども、決して軽い本ではない。
    瀬尾まいこならではの、ちょっと歪んだ形の家族像を描きながら、性別、年齢問わず、様々な形の「デート」が出てくる短編集。
    特に、二話目の『ランクアップ丼』は、じわーっと来る良い話だった。
    こんな先生、居たらいいな。
    あと、瀬尾まいこの描くサバけた女性も健在で、『ドッグシェア』の主人公の性格が気持ちよかった。

  • 老若男女問わなすぎるそれぞれのデート。それぞれの物語を象徴する美味しそうなご飯たち。きっと無性に玉子丼が食べたくなるはず…!

  • 広い意味での「おしまいのデート」をテーマに取り扱った短編集。どれもちょっとほろ苦く切ない風味を持たせつつ、基本はコミカルにさくさくと軽いテンポで楽しく読ませます。とりわけ「ランクアップ丼」の元生徒と元教師のほんわかとしたやりとりは、じわじわと泣けます。先が読めて見当がつくだけに、よけいに。この会話のニュアンスそのものも、軽ーくしてあるけれど、そのサジ加減が絶妙です。「ファーストラブ」も、いろんな意味でほほえましくておかしくて、良かったです。

  • こちらはもっと短いお話が5編。

    どれも「デート」なんだけど、
    どれも恋人同士では、ない(笑)

    親の離婚後、父親の面会の代わりに会う祖父と、孫。

    元教え子と、定年間近の恩師

    なぜか急にあまり話したことないクラスメイト(男)に「デートしよう」と言われた男の子。

    捨て犬を公園でシェアしてしまった30過ぎバツイチOLと、中華屋バイト学生。

    保育士と園児とその父親


    それぞれの目的、それぞれの出会い、それぞれの別れ。


    そうか・・・
    どのお話もカップルではないのに「デート」っていうククリにしているのは、

    相手が来るまでのドキドキと、
    「じゃぁね」っていうときの寂しさ・・が共通項になっているんだわ(今頃気が付いた)

  • 「デート」をテーマにした短編集でした。いろんな形のデートがありましたが、個人的には、「ランクアップ丼」がダントツで良かったです。教師と生徒という関係を超えた絆に感動しました。

  • どのお話もほっこりして好きだった。
    お別れなのに、心が温かくなった。温かいお別れはやはり素敵だなと思う。

  • ミステリや恋愛小説、ホラーなどのジャンルに加えたい、「ご飯もの」。食べ物が出てくる小説が好きです。安心できるけらかもしれない。これは、短編集。「ドッグシェア」、良かったな。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

瀬尾まいこの作品

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