- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714173
作品紹介・あらすじ
仕事と人間の関係が変わる時、新しい世界への扉が開く。この日本の下流社会のさらに最下層で生きる。
感想・レビュー・書評
-
「ニコニコ」とありますけど
どれもかなりのブラックな企業ばかりで
世の中の不条理が
これでもかー と押し寄せます。
その理不尽さに
思わず半笑いがこみ上げてくる。
その中でも 働いている若者は
なぜかくそ真面目に仕事をしてしまう
なんだか 日本人らしくちょっと悲しい。
勿論雇用側に腹立たしさは
感じるんだけど
それよりも健気に働く姿に
妙な共感を覚えちゃってねぇ
なかなか不思議な魅力のある小説でした詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
5つの短編が、それぞれ異なる職場の話であり、どこにでもあるような、今この社会の前提がそのままスケッチされたような話だった。
不安で危機感を感じてはいるが、熱を帯びるほどでもない他人事のような会話のなかに、ときどき混じる本気の魂の叫び。
そのリアリティに、そういうことってあるよね、と、笑いながら読んだ。
ただ、面白おかしく旬のネタで書いただけという感じも強く、本棚に大事にしまっておきたい本ではなかった。
それなのにハードカバーで価格が 1,680 円……。そこも「800円」だったら良かったのにな。-
2011/10/19
-
2011/10/19
-
-
働けば働くほど、イタい人になっていく
東大生のキノキダは、時給800円のマンガ喫茶に雇われる。中卒で30歳過ぎの茶髪の店長はキノキダに敵愾心を…(「マンガ喫茶の悪魔」)。ほか、時給で働く若者達の世界を描く連作短編集。
ほとんど(8割~9割?)が会話の短編集。 -
淡々と読めた。短編の集まりで一つ一つメインの人は違うんだけど、『この子、さっきの話の子だ』ってなるのが読んでて楽しい。最終話の出だしには驚き。そして私もリュウセイが欲しい。
-
群集劇で、最初のお話を見たときの感想が「ラノベのような、中身がなさそうな予感」と、最後まで読もうか迷いました。ところが予想を裏切って、なかなか哲学的なラストが待っていたのでした。
登場人物たちが漫画に出てきそうな強烈キャラ揃いで、文章も読みやすくパラッと読み終われる。それが故、ラノベっぽいと感じてしまうワケに…。
肝心の「哲学的なラスト」とは、“働くこととは?”
今の日本にはなかなか耳が痛い話で締めくくられます。
よくビジネス書に見られるフレーズ「成功者の共通点は“楽しいことを続けること”」を、漫画のような展開で面白おかしく解説していくスタイルが個人的にGOOD。
笑えて、でも深くて。
読んでて、履歴書を色鉛筆で書いて提出した友達のことを、ふと思い出したのです。
最初、そのエピソードを友達から聞かされた時は内心「なんてプロ意識の欠けるやつだ」と、意識だけは無駄に高い私は彼女のことを心の中で見下していました。
友達の仕事は、車の整備関係のバイトだったけど本当に楽しそうで充実した日々を送っていて。私はというと、新卒でブラック企業に入社してしまい、残業時間の数値を眺めながら「今日もこんなに働いた」と自分を鼓舞して睡眠時間を削りながら出社する日々を送っていました…。
まさに、作中に出てくる“リンコさん状態”。
だからこそイケメンヒキニートが言った
「労働は自尊心を満たす面もあるが、ただ労働するということのみに耽溺してしまうという面もある――まるで掃除をし続ける男のようにな」
は、刺さる。
(今はそのブラック企業から逃げ出して超絶ホワイト企業に入れたものの、今度は退屈な日々でたまらなくなってしまいました。汗)
もちろん、金は必要。しかし、それだけを理由に仕事をしていくのも楽しくない。
個人的名言「楽しさはカネで買えない」を肝に銘じて、今の退屈な仕事をどう楽しくしていこうか。工夫していきたいと思う。 -
書き口はラノベっぽいですが、いやいや所々感心させられてしまう様な点もあり、軽く読むにはお腹も満たされる一冊でした。短編集ですが、登場人物が少しずつリンクし合ってるのが面白いなあとか。
多分、文章も他の著作と書き分けてますよね。器用な方ですね!
昨今の漫画原作の在り得ない設定連ドラ見るよりかは楽しいです。つーかこれやればいいのに。 -
割と単価の安い労働をテーマにした短編集。
小説の体裁をとって作者の主張を述べているという印象。
小説としての出来も悪くは無いが、労働内容の説明や主張部分と、それ以外の部分でトーンが違うのは気になった。
提起している問題はとても興味深い良書。 -
2016.11.1 読了
バイトにまつわる短編集。
こんな終わり方?て話が 何編かあって、
モヤモヤ。。。