フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715101

感想・レビュー・書評

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  • これまでのシリーズはサチが語り手となって物語が進行されていたが、この短編集はそれぞれの登場人物が語り手となっている。
    まだまだ話しきれないほどエピソードがたくさんあるはず。もっともっと知りたいことばかり。

    「紺に交われば青くなる」(紺)
    グレていた頃の青と、父親の我南人のエピソード。警察署前でのゲリラライブ。

    「散歩進んで意気上がる」(すずみ)
    勘一と祐円の散歩にお供するすずみ。古本の推理小説を書いたのは誰か。

    「忘れじの其の面影かな」(木島)
    マードックが薬物の取引に関わっているのではないかと確かめる木島。藤島アパート。

    「愛の花咲くこともある」(亜美)
    亜美と紺との出会い。空手とボストンバッグ。

    「縁もたけなわ味なもの」(藤島)藤島が初めて〈東亰バンドワゴン〉にやってきたエピソード。行方不明の相棒の三島。

    「野良猫ロックンロール」(秋美)
    我南人の妻で、堀田家の太陽だった「堀田秋実」。彼女が、我南人と出会った日のこと。ケンカをおさめるバンドメンバー。

    「会うは同居の始めかな」(青)
    青とすずみちゃんがどうやって出会ったのか、そしてあの出来事をどのように乗り越えてきたのか。合コンと喫茶店多摩蘭堂。

    「研人とメリーの愛の歌」(研人)
    芽莉依ちゃんのおばあちゃんと校長先生。東京バンドワゴン・ワゴン。

    「言わぬも花の娘ごころ」(真奈美)
    花陽の父親であり藍子の愛した人の話。真奈美の話を聞く花陽。

    「包丁いっぽん相身互い」(コウ)
    コウと真奈美の話。カキのコロッケ。

    「忘れものはなんですか」(サチ)
    新聞配達と亡くなったおばあちゃん。

  • ★2014年11月28日読了『フロム・ミー・トゥ・ユー』小路幸也著 評価B+
    東京バンドワゴンシリーズ 第8作
    いつもは、前書き+4章+あとがきの構成が多いのだが、これは短編11作品で成り立つ。そしていつもは、古本屋当主の堀田勘一のなくなった妻の堀田サチが、語り手となって話しが進む。

    しかし、今回は趣向を変えて、このシリーズに登場する各人物が主人公となってそれぞれの観点から語り手となって、これまでの物語で語られていなかった裏話や秘話など番外編を語り、より一層本編の物語に奥行きと深みを持たせるというやり方。

    さすが、小路氏。このあたりの目先の変え方が実にうまい。

    ☆紺に交われば青くなる 堀田紺 青の若き頃の話
    ☆散歩進んで意気上がる 堀田すずみ 老舗長寿庵の勇造の逸話
    ☆忘れじのその面影かな 木島主水 マードックさんを心配す
    ☆愛の花咲くこともある 脇坂亜美 堀田紺との馴れ初め
    ☆縁もたけなわ味なもの 藤島直也 東京バンドワゴンとの出会い
    ☆野良猫ロックンロール 鈴木秋美 堀田家との始まり
    ☆会うは同居の始めかな 堀田青 槙野すずみとの馴れ初め
    ☆研人とメリーの愛の歌 堀田研人 校長先生とメリーちゃん祖母の秘話
    ☆言わぬも女の娘ごころ 千葉真奈美 藍子と教授の秘められた逸話
    ☆包丁いっぽん相身互い 甲幸光 板前甲さんの取り越し苦労?
    ☆忘れものはなんですか 堀田サチ 新聞配達土井くんへの思いやり

  • いつ読んでも安心なあったかさ。
    自分と遠すぎる世界で悲しくもなるけれど。

    秋美さんのことが知りたい。

  • 何と11話からなる本でした。
    いつもはサチさんからの視点だけど
    今回はそれぞれの登場人物からの視点。
    これがなかなか楽しかった。
    ちょっとこんがらかった話のオサライにもなったしね。

    ただ、ここの家族は心が広いというのか、
    不倫にもおおらかだったりする。
    どうも私はひっかかってしょうがないんです。

    存在はいつも出てくるものの
    あまり知らなかった、秋実さんの話があった。
    短くて、さらに謎が深まってしまったけど。

  • 登場人物がとにかく多い…
    ほのぼのしていた内容だったのでリラックスして読めた。ただ毎回誰が誰だかわからなくなるのが難点…

  • 堀田家随一のイケメン、青の出生の秘密とは?(「紺に交われば青くなる」)、藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?(「縁もたけなわ味なもの」)、地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?(「愛の花咲くこともある」)。老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ第8弾、番外編。知られざるエピソードが満載。書き下ろし3編を含む全11編。

  • 東京バンドワゴンシリーズ第8弾、番外編。大家族の堀田家のそれぞれの出会い・秘密・謎の解説、書き下ろし3編を含む全11編。堀田家のイケメン、青の出生の秘密とは?。藍子さんの秘密とすずみさんとの関係。藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?。地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?。登場機会の少ない秋実さんと我南人の出会い。バンドワゴンファンの為の知られざるエピソードが満載な一冊、これからますます次巻を読むのが楽しみになる巻でした。手持ちの分は寄付したのでこの巻から図書館本。

  • 東京バンドワゴンシリーズ。
    いつもはサチおばあちゃんか目線で語られていたけど、各々のメンバー目線のショートストーリー。

    いつものメンバーが語るお話だから、みんなの人生をチラ見した気分。
    面白かった。

  • 青が木島を殴るシーン、
    ドラマでみたとき「こんなのあったっけ?」とおもったけど、
    ここにあったのですね。
    いつもと違った連作短編だったけど、
    これはこれでとても楽しかったです。

  • バンドワゴンの番外編。それぞれの出会いがたくさんつまってましたね。素敵な出会いや偶然が人と人の輪を広げていくんだと感じる一冊。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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