東京自叙伝

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 346
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715590

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の終わり、明治の始まりまで「わたし」を中心に物語が展開されるわけですが、「わたし」という1人称でこれだけの時代を見るのは難しい。その仕掛けが面白かったです。
    読み終わって見ると、あ~なるほど。タイトルどおり。と、思いますね。古い時代は当然見たことがないからわかりませんが、現代の描写は実感できるものがありますし、全般を通して、「東京」を通した世相がよく露されていると思います。
    「わたし」は、結局、「東京」なんだなあと最後に気づきました。これを読むと、なんだか現代が「壊れてきている」ような気もして、社会というものを考えさせられる本でした。

  • 東京の特定の場所に縁のある人物、あるいは動物に生まれ変わり、見てきた時代を語る、というまさにタイトル通りの物語。

    江戸の武士から始まりる前半は、人物像が際立ったストーリーだが、後半は三億円事件の犯人やらジュリアナ東京のお立ち台で踊る女性やら、時代を象徴するありとあらゆるものに、ころころと姿を変えていく。こうなると、ストーリーそのものよりも、そんなことがあったねぇという、知ってる時代をおさらいする楽しさに変わる。
    読後もやけによみがえってくる、独特なリズムの語り口調で繰り広げられる、特別仕立ての東京の歴史物語だ。

  • 途中までは面白く読めたのですが、
    後半、次々入れ替わる『私』に飽きてしまったのか、
    もはや私も流し読み。

    前世の記憶がある『私』。入れ替わった人物
    (人間じゃない場合もあるけど)として、
    その時代の大きな出来事の一端に関わっているようです。

    前世、過去の記憶で因縁の人・場所で繋がっているのは
    面白かったのですが、その数が多くて混乱してしまう。
    何度となく転生を繰り返して色んな経験があるせいか、
    少々のことでは動じないというか、妙に図太いくて
    都合が悪くなるといつの間にか、その人から離脱してる。
    そして人の死には割とドライ。
    東京に対してはとっても執着があるみたいです
    (地霊だから?)。

    転生回数が多いから、その分知識が蓄積されていると
    言いたいのか「○○をやったのは私」「最初にしたのは私」と手柄告白。ふぅーん言ったモン勝ちなんだねぇー。

  • 始め、とにかく語り口の文体が気になって仕方なかったが、そのうち、それが不思議なリズムとなって、全体に統一感を与えている感じがしてきた。面白い!物語は東京という土地の地霊の脈脈と受け継がれてきた記憶の羅列のようなもので、前半はなかなかに面白かったが、後半はあまりにも事件の羅列という感じで失速した感がある。それでも圧倒的な、日本人の精神にのしかかるような作品だ。

  • 途中まではまずまず楽しく読んでいたのですが、中盤以降から出来事・事件の羅列になり読むのがツラくなってきた。
    これじゃ歴史の教科書だよ。 もっと「私」自体を動かして欲しかった。

  • 次々と「私」が入れ替わって、増殖していく、まさに「東京自叙伝」だ。
    混乱しながらもページをめくる手が止まらない、圧倒的なパワーを持つ作品だった。

  • (後で書きます。疲れた)

  • 最初は面白かったが途中からごちゃ混ぜになり混乱した。

  • 構想は面白い。結末がつまらない。

  • 鼠かわいい。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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