- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087715941
作品紹介・あらすじ
本物そっくりな動物のイメージを「表出」することができる能力者の日野原柚月。動物園などで力を生かしていたが、力の運用を国家で統べる「研究所」が設立され…。異能力にまつわる中編2本を収録。
感想・レビュー・書評
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★こっち側でも、あっち側でもない(p.168)
【一行目】ここは、檻に囲まれた場所だ。
【研究所】図書館の事件から六年/十万人に一人の「表出者」が動物園の動物を表出させる/表出者が死んでも表出実体が残ったものを利用する能力増幅実験/ゆみちゃん/表出者どうしの「交わり」/妨害/ナナイロ・ウツツオボエVS超絶的な表出者である社長/《真実は細部に宿ります、全体を見通せるなどと過信してはいけません。我々が知り得ることなど、ちっぽけなものです》p.111/猫のバジル
【遊園地】図書館の事件から十一年、ユズキ三十九歳/ナギサヒトモドキ=表出のみで存在するだろう架空の生物(一般人は架空とは知らない)/たくやくん/業界再編/次世代遊園地/表出者の軍事利用/社長代行(玲子さん)/新技術「接ぎ木」/次世代遊園地の少女=こちらでもあちらでもない存在=そらちゃん/並列表出/ミラーそら/ナナイロ・ウツツオボエ再臨詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読なのにまだまだ理解不能。どこがいいの?と言われると世界観としか説明できない。想像力が乏しいのと語学力。三崎亜記氏の頭の中は常識を超えた幼い子が持つような空想が広がって、子どもでは伝える事ができない空想を書いている感じががする。だから子どもを兵器にしたり、敵対していても夫婦であったり矛盾が矛盾ではないのかも。
この本は今まで読んだ三崎ワールドの中で一番難解なので再度挑戦したい。 -
三崎ワールド全開の超能力系SF。
図書館の本を自在に飛ばしたり、思い描いた動物を「表出」させたりする特殊能力を持つ『表出者』たちの物語。
文面通りの世界をイメージするのは難しい。
けれど、この世界観は一度ハマると、癖になる!
「図書館」(『廃墟建築士』収録)、「動物園」(『バスジャック』収録)の続編なので、これらの2編を読んだ後に読むことをオススメ。 -
ファンタジー。SF。
連作中編が2作品。主人公は『廃墟建築士』の「図書館」の主人公、日野原柚月さん。
超能力を利用したアクションシーンが、なかなかの迫力。
超能力を持った子供を売る親、兵器として利用する国家など、リアルなブラックさが良い感じ。
評価は☆3と4の間くらい。結構好き。 -
【収録作品】研究所/遊園地
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彼らは、孤高なるが故に孤独なのだろうか、それとも、孤独だからこそ孤高なのだろうか。「対」となる相手が存在しないことの孤独が二つの存在を結びつけた。二つの孤独が混じり合い、その海は奥底知れず深く、そして蒼かった。
(P.114) -
三崎さんらしい、「どこからこういう発想が?」という設定。説明しようとすると長くなるので、とりあえず読むべし。そして、その設定が今回はまた、難解で…面白いんだけど、多分私は最後まで理解しきれずでした。でも、スケールの大きな、私は好きな作品です。
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初めての作品で
こんな風だとは思わず・・
中々面白かった