- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087754285
作品紹介・あらすじ
原爆を落とされ、壊滅的な被害を受けた長崎でひとり暮らす母と、原爆で命を落とし、3年後に亡霊となって母の前に現れた息子の物語。山田洋次監督、吉永小百合・二宮和也主演映画の小説版。
感想・レビュー・書評
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映画「母と暮らせば」のノベライズである。
夫に先立たれ、長男も戦死してしまった伸子は、次男の浩二と二人で暮らしていた。
いつものように浩二は学校へ出かけたまま、二度と伸子のもとには帰ってこなかった。
8月9日、長崎に落とされた原爆によって浩二が命を落としていたからである。
浩二の死から三年。
ようやく浩二の生存を諦めた伸子の前に浩二が現れる。
亡霊となった浩二と伸子の、奇妙な二人暮らしがその日から始まった。
戦争は悲惨だ。
そして、あたり前のことだけれど一度失われた命は二度と戻ってこない。
伸子が思わず口にした言葉。
何故生き残った町子が幸せになり、浩二は死んだのかと。
代わってくれたらよかったのにと。
何十万という人たちの命が戦争によって奪われた。
ひとりひとりに大切に思う人がいたはずだ。
そして誰かの大切な人だったはずなのだ。
愛も絆も、命すらも、戦争はいとも簡単に断ち切ってしまう。
結末があれで良かったかどうかはわからない。
ただ、きっと伸子は幸せに満ちて旅立ったのだと思う。
そう思わなければ哀しすぎてたまらない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先に映像をみていたので、文字にすると全体が更に儚く、切ないです。
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ノベライズ本。
二宮主演の母と暮せば。
映画を見て,衝撃的で感動的だったので
本も購入。
平和や命について考えさせられる
とても内容の濃い深い本。 -
悲しいけど嬉しくもなる作品。この作品を読んだ人の感想を聞くのは面白そう。
僕は主人公の息子目線で物語に入り込んだ。すごく母が心配であるけど、いないはずの自分が存在してはいけないギャップがすごく苦しかった。その反面、再開を喜ぶ母を見て、元気を取り戻してくれて嬉しくなる自分もいた。
僕にとって母とは?
を考える作品。 -
読みやすい
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内容紹介
1945年8月9日、原爆で壊滅的な被害を受けた長崎で、ひとり暮す福原伸子。
彼女は長男・謙一をビルマ戦線で亡くし、原爆で次男・浩二を亡くしていた。
あれから3年、ようやく息子の死を受け入れられるようになった伸子の前に、浩二が亡霊となって現れた――。
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こちらはご存知の通り元は吉永小百合さん主演の映画ですね。
息子役の二宮和也さんがアカデミー賞主演男優賞を受賞されたのも記憶に新しいのでは。
で、私はもちろん映画は...見てません!!!!wwww
見たいなぁ、と思いながらもついつい逃していたらいつの間にか終わってしまいました...
そんな流れで64も絶対見たかったのに見逃したって言う...
でもズートピアは見ました♡
ま、そんな話は置いておいて。
「母と暮らせば」ですよ。
一言で言うと、泣きました。
号泣レベルで泣きました。
電車の中では見てはいけません!!!!
浩二視点・伸子視点・町子視点で各章に分かれて書かれています。
映画のノベライズだからか、余計な描写のようなものは一切なくて、
それでいて情景はまるで目に浮かぶよう...
浩二が現れたり消えたりするの、本来は謎な感じなのですが、
ファンタジーとして受け入れられてしまうのもまた不思議。
何が泣けたって、やっぱり浩二と町子の二人の思い、
母と息子の深い情愛、
ああもうだめです思い出して泣けます...
浩二が少しおどけた感じなのが、また涙をそそります。
二宮さん、きっとはまりだったでしょうねぇ...
これは本当、たまりませんよ...
何と言っても一番初めの章で泣きましたからね!
原爆の描写が、残酷なのに静かな雰囲気で書かれていて...
爆弾を落とすシーン、これつらすぎますよね...
私、長崎行ったことあるんです。
原爆記念館も、グラウンド・ゼロも、片足しかない鳥居も
平和祈念公園も行きました。
そんな記憶も、この物語に感情移入する要因かも。
ただ、映画はねぇ...
見たいんですけど、きっと入りすぎちゃう気がします...
さらっと見れそうな作品じゃないですもんね。
ううう、でも、吉永小百合さんも見たいしなぁ...
よし!DVDうっかりあったら見よう! -
戦争の映画が苦手だからまだましだろうと小説版。ストーリーがわかってもいいのはいい。ほんとにちょっと泣いた。いいか悪いかは知らんけど、かなしいよね。
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【図書館本】映画の予告で興味をもったので、脳内映像はニノくんと吉永小百合だった。
元々戦争系お涙モノは苦手なので最後まで読めるか不安はあったけど、文字サイズは大きいし、ページ数も少ないのであっさりと読めた。ストーリーは驚くような展開も要素もなく淡々としていた。方言が妙に暖かい。視点がぐるぐる変わるのは読みづらかった。
映画、TVでやってても見ない気がする。 -
井上ひさしの戯曲「父と暮らせば」のオマージュ映画小説版。
戦後の長崎で一人生きる母親の元に、原爆で死んだ医学生の次男が幽霊となって現れる…。悲しく穏やかな物語。
著者は映画の監督の山田洋次と、井上ひさしの三女・井上麻矢。
親子はただただ静かで綺麗に描かれる。「父と暮らせば」のもがきながらも生きていこうとする姿に比べ、美しくはあるが閉じた世界となっているのが悲しかった。
映画になると違うのだろうか。