他人暮らし (クイーンズコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.03
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感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088656229

感想・レビュー・書評

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  • バツイチのアラサー・純花。書道の先生をしながら、一軒家で悠悠自適に「おひとりさま」暮らしを楽しんでいる。そこに転がり込んできた、出版社勤めで仕事大好き彼氏なしの頼子、婚活の末ハイスペック婚を成し遂げたはずが、早々にまさかの成田「別居」となったサワ。束の間の同居生活によってあぶり出されるアラサー3人の恋愛・仕事・結婚観は、とっくにアラフォーになった自分にも十分に共感できる。
    テーマとしては新鮮味はないんだけど、エピソードのひとつひとつにキュンキュンしてしまうのは、谷川さんの画力の素晴らしさも大きいと思う。様々な表情を見せる登場人物達が皆愛おしくって、うっとりしたり切なくなったり。「私、こんな33歳になるつもりじゃなかった…」ってセリフが響いたなぁ。この33歳のところ、自分の年齢に置き換えて、常に自問自答しているので。いつだって女性はこうやって七転八倒しているもんなんだよなと改めて思ったのだった。
    同時収録の「秋雨」も佳作!幽霊もの、もちょっとありきたりかもしれないけど、「万葉集」を持ってくるとはね。夢の中での再会は嬉しくもちょっと哀しくもあり。その、「夢」絡みの後書きマンガ「告白物語」も、とても面白く読みました。
    ふわふわと甘いようで、結構ビターでリアルで…でも優しくて、時々涙が出そうになる。一時期は甘すぎる気がして離れていたが、勿体なかったなぁ。ちょっとずつ谷川作品を読んでいくつもりである。

  •  読んだら急に恋人が欲しくなりました笑

     諸事情で一緒の家に住むことになった、女子友達3人のお話の「他人暮らし」もすごく面白かったのですが、巻末の方にあった「秋雨」という作品でめっちゃ胸がギューってなりました。(きもいですね)

  • “異なる結婚観を軽妙に描く”という一文に惹かれて購入。
    一人暮らしの純花さんの元に、二人の友人がしばらく身を寄せるというストーリーです。

    純花さんのお話で、「他人と暮らすことに疲れてしまう」という感覚に言及しているところが面白かった。
    でも、それを特に掘り下げることがないまま、ストーリーが着地しているのが少しもったいない。

    少女漫画らしい脚色に溢れた作品。
    個人的には、サワちゃんのお話にとてもときめきました。

  • バツイチ、独身、主婦の女友達三人がひょんなきっかけから一つ屋根の下で暮らす。三人それぞれの視点で物語が成り立っていて、皆それぞれに共感するところがあった。一緒に暮らし始めたきっかけはネガティブなものですが、うまくいかないこともありつつ結果楽しそうに暮らしてて羨ましい。最後に収録された短編はちょっと切なかった。万葉集がそこで出てくるとは思わず、でも暗くてじめじめした話じゃないところが素敵。 あとなんか知らないけどすごく読みやすくて集中力のない自分でもスラスラ読めた。

  •  だいぶ昔に買って読んだはずなのにブクログに記載を忘れていました。
     おひとりさま暮らしのお話。
     離婚してひとりゆっくり楽しんでいる書道講師。
     再婚再婚と周りはうるさい。好きにさせてくれと思う。
     仕事仕事で、たまに淋しさを覚えるキャリアウーマン。
     K大卒大手勤務のハイスペック男性を捕まえたものの成田別居をかました主婦。
     てんでバラバラ、そんな人間3人がまあ色々あってひとところに集まり、ひと月という約束で3人暮らしを始める。

     ひとりは楽だ。
     なんでもぜんぶ、ひとりで抱えて、ぜんぶなにもかもができる。
     ただ、ひとがいると違う。
     ひとに寄り添って生きることだけが、にんげんの生き方なのだろうか?

     とりあえず、人様の家をめちゃくちゃにしても平気なキャリアウーマン(頼子)と主婦(サワ)にびっくりしてドン引きしました。
     そんな、そんなんで、ひと月いさせてくださいなんて、よう、言えたな!?
     漫画とは言え!

     結婚したいしたいという割に、イケメン好きで前に進まない頼子、……彼女はただ淋しい、ひとりが、淋しくて、虚しくなる時があって、だから、結婚、結婚、と、言う。

     別居をかましたサワ、彼女はまあ天真爛漫といいますか、お嫁さんになるために生きてきて、そのお嫁さんになって初っ端出鼻くじかれて、友人2人は悪いひとじゃないしと夫をそのまま出迎える。
     かといってかたくなすぎるサワにもモニョモニョしたり。
     なんやねん、とっとと話し合いくらいせーよ。逃げてばっかでこの女ぁ。
     ……って、思ったら、ただ、この人は、結婚というものがしたかっただけで、その先には何もなく、淋しさでくちゃみそで、そんなにんげん。
     恋は、していなかった。
     まあ、でも、見合いっていう制度もあり、恋をしなきゃ結婚してはいけないという制度があるわけでもなし、それでジタバタするのがよくわからん。

  • 女3人のルームシェアを描いた物語と亡くなった男が夢に
    表れて回想する物語のオムニバスです。
    どちらも谷川ワールド全開でした!
    こんな楽しい暮らしが出来たらいいなと思いました。

  • ・ああ 私 誰かをちゃんと愛してみたい
    生まれ育った家 おとうさん おかあさん
    女友達 だいすきだ
    けれど私は 違う誰かと めぐり会いたいんだ
    その人がいる
    ただそれだけで どこまでも歩いてゆけると
    その人がいないと
    もう生きてはゆけない
    そんなふうに思える誰かと
    うんと深く向かいあいたい
    隣で寝息を重ねてみたい
    ささやかな毎日を 笑顔を
    胸のつぶれそうないさかいを
    誰かと この星空の下の どこかにいる その人と
    いつか…
    きっといつか…
    それがこの人でも この人でなくても

  •  女3人の一時的なルームシェアを描いた表題作。
     一人でいることが好きで自分の生活ペースを乱されたくなくて、でもそれを許容できない自分の器の小ささも嫌で…っていう純花ちゃんに最も共感できた。

  • 今はどうかは知らないが、昔少女漫画は『読み切り』『読み切り前後編』『長編』のほかに『短期集中連載』なる形態が存在していた。
    要するに三話連載というもので、ベテランの長期連載の合間や、読み切りから長編に移るまでの腕慣らしみたいなポジションの作家がやっていたように思う。
    実は中途半端に感じていて私個人はそんなに好きじゃなかったんだけれど、谷川史子さんだけは別格だった。
    谷川さんは長期連載はなぜか本当に向いていない。なのに、オムニバス形式の漫画、実質読み切りは本当にうまい。
    同じ登場人物の中の一人にスポットを当ててじゅんぐりに書いて三作目で総論的な感じ。
    前置きが長くなったが、この他人暮らしはまさにそのパターンだった。
    自分ルールを乱されることが苦手なバツイチが、キャリアウーマン恋人無、と新婚旅行直前に逃げ出した新婦と短期で同居させられることになる。
    三人ともそれぞれ、自分のわがままさや狭量さが実はいやで仕方ない。
    それにどう向き合っていくかという話だが、読者もそれぞれ身につまされるところはあるかもしれない。
    最後は二人が約束通り出ていくのだが、残された最初のヒロインが感じたそれは旦那とわかれたときと少し違う。

  • バツイチ、独身、主婦?の同級生3人が同居することになる。
    3人それぞれの視線での3話連作短編集。

    恋愛に対してものすごくネガティブになる小説を読んでいたせいか、なんとなく手に取って読み始めたら止まらない。

    結婚するほど好きでも所詮他人同士が暮らす訳で、いい事ばかりでは無くて、ウザいと思うこともあるし、ケンカする事もあるけど、それでもそれも含めて一緒に暮らしていきたいと思える人に出会うって素敵だなぁ〜と。結婚する事も、恋愛する事も悪く無いなぁ〜と思わせてくれる。

    最後に載ってる万葉集の読み切りもまた良い感じです。
    夢の持ち主を想って夢に現れる。
    昔の人はロマンチックですねぇ。

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著者プロフィール

5月8日生まれ。長崎県出身。1986年に「ちはやぶるおくのほそみち」(りぼんオリジナル)でデビュー。可愛くて親しみやすい絵柄とストーリーで、男性にもファンが多い。2007年12月発売のアニメーションDVD「東京マーブルチョコレート」のキャラクターデザインを担当。現在Kissで「おひとり様物語」シリーズ連載中の他、Cookie、コーラス(共に集英社)などで執筆中。

「2011年 『おひとり様物語(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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