岳 (1) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
4.08
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本棚登録 : 2006
感想 : 241
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091875716

感想・レビュー・書評

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  • ボランティアで山岳救助をやっている青年を軸に描いたドラマ。
    人があっさり死ぬところが山の恐ろしさを示しているが三歩の明るさが話を辛気臭くないものにしている。

  • 山岳救助を題材にした漫画。山の恐さを教えてくれる。
    「お母さ〜ん、ご飯〜!」の物語がなかなかに感動的だった。

  • 山岳救助のお話。
    山の怖さと魅力がすごい伝わってくる!面白いです。

  • 完全にこの人のカラー絵のファンです。最高の絵。

  • 自分自身は体力がないので登山はしませんが、雄大な自然に挑む登山という行為そのものや、遭難者に対して真摯に接する主人公の姿には、胸を打たれるものがあります。

  • 数年前に読んだが、店に置いてあったので待ち時間に読破。数年前の読んだ印象といま読むと、感動する作品だと。良かったぁ。

  • 読みたい!と思っていてやっと読めた。
    三歩の精神力の強さには圧倒される。
    何が起きても冷静かつ生きようとする姿。

  • 過酷でいつも死と隣り合わせだが自由で楽しい山

  •  おなじみの、ゆかいな仲間の「ヤサイクン」が段ボール箱を抱えて日曜の夜やってきた。
    「はい、これ。」
    「なに?あっ、『岳』やん、どうしたん?持ってないっていうとったやん。」
    「買った。読んだことないゆうてたやろ。」
    「ヤサイクンも読み直してんの?」
    「うん。風呂でな。」
    「ご飯は?チビラちゃんたちはどうしてんの?コユちゃんは帰ってきた?キャンプ、面白かったゆうてた?一緒に来んかったん?」
    「ああ、たべた。お祭りや、お祭りや、ゆうて三人そろって出ていった、岩屋公園。コユが帰ってきたから、元気復活や、ふたりとも。」
    「須磨スイ、行っとったんやろ、昨日。写真来てたやん。」
    「今日は夏祭り?盆踊りか?」
    「岩屋公園てどこらへんやの?」
    「西灘駅、阪神の、海側、ちょっと西側やんな。通りかかったことあるで。」
    「アーちゃんがついていってんの?」
    「うん、そう。家からもすぐやな。これ、やっぱ、エエで。全巻泣ける。」
    (註:コユちゃん=チビラ1号・アーちゃん=チビラ軍団のママ)

     2008年小学館漫画賞「岳」全18巻。10年前の作品だ。読みはじめたら、やめられなくなった。ただ、10巻にたどり着くころから、どうやって終わらせるのか気になり始めた。

     最近のぼくの目は、続けて文字を読み続けるのが、なかなか難しい。カスミ目というのか、乱視というのか、ピントが合わなくなって、強烈に眠くなる。作品の内容とは関係ない。液晶の画面の見過ぎという説もある。そうだろうなとも思う。しかし、不便なことだ。Astigmatic bearと名乗ってきた結果、文字通り、その通りになってきたのだから、しようがない。

     しっかり泣けた。落語に人情噺というのがあるが、あれと似ている。ただ、物語を支えているのが「山」だ。

     いっとき流行った「構造分析」的批評をやりたい人には、こういうマンガはうってつけの対象なのだろうと思った。「山」なんて神話作用を描くにはもってこいの素材だろう。

     16巻まで続く日々の描写は読者を飽きさせない。「山」の高さとすそ野の広さがマンガを支えている。北アルプス連山に対して、読者が持っている「神話」的イメージの多様性、美しさ、恐ろしさ、苦しさ、楽しさに対して、一話完結的にマンガ家が絵付き物語を与えていく。読者は一話ごとの小さな違いに納得し、泣き、笑い、ほっとすることができる。しかし、やがてマンネリに陥るに違いない。

     マンネリを打ち破るために作者が用意したのは「新たな高い山」。より高い山を求めた主人公は、残念ながら元の山に戻ってくることはできない。神話化の次元をあげれば、もとの神話の場所は、ただの生活の場所になるほかない。

     「山」の物語は時を経て、北アルプスの現場で同じように繰り返しているように見えるが、新しい神話は生まれない。すべてが後日談となるほかないからだ。作者はそれをよく知っていて、マンガはそこで終わりを迎える。傑作マンガだと思った。

    (S)

  • ブラックジャック形式。短編一つ一つに人生ドラマがある。

    ボランティアの主人公が、山で生死をさまよう遭難者を救う。

    山の厳しさと人生が二重写しになり、そこに一見楽天的でいそうな主人公が厳しい現実に対して光を与える。その陰影にこの漫画の肝がある。

    きれいごとにまとめずに、死ぬものは死ぬことを表していることで、人間の尊厳が表されていると思った。

著者プロフィール

アメリカの南イリノイ大学、同国サンノゼ州立大学在学中にロッククライミングの虜になり、日本に帰国後、その経験を元に『岳 みんなの山』を描き始める。2001年、『This First Step』で、第49回小学館新人コミック大賞一般部門に入選。『岳 みんなの山』で、2008年3月に第1回マンガ大賞を、2009年1月に第54回(平成20年度)小学館漫画賞一般向け部門、2012年12月に第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞

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