11人いる! (1) (小学館文庫 はA 1)

著者 :
  • 小学館 (1994年12月10日発売)
3.96
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本棚登録 : 3346
感想 : 338
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091910110

感想・レビュー・書評

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  • この題名は記憶にあるので「ひょっとしたら読んでるかも?」と思ったが未読だった。
    1975年の作品で小学館漫画賞を受賞し、NHKでテレビドラマ化もされていたので題名だけ強く刷り込まれていたのか?

    これを読んで、萩尾望都ファンになる人は多いだろう。
    いろいろと考えさせられる要素が豊富な作品だ。

    読み始めてすぐに科学と哲学の両方で「手塚治虫」の雰囲気を感じた。

    本作品の主人公はタダなのだが、突出して惹きつけられるキャラはフロルだ。
    フロルはまだ男でも女でもない両性体で、もう少し成長すると男か女かどちらかになる。
    フロルは男になりたいと強く思っており、言動は感情あけっぴろげのヤンチャ坊主だが、見てくれはきゃしゃな美少女。
    タダは性別関係なく(実際に性別未確定の設定である)一人の人間としてフロルが好きで、フロルもタダのことが好きだ。

    続編では、タダとフロルの関係性を前面に打ち出した物語になる。
    フロルは最後まで両性体のままだが、時に男性、時に女性と、このキャラをうまく生かしている。

    スペース ストリート はタダとフロルを使ったコメディだった。
    この二人のキャラはすっかり定着していて、いろんな物語の役回りを演じられそう。
    この後の作品でどのように登場するのかは知らないが、フロルの安売りはしないで欲しいと思ってしまう。

    萩尾望都さんの作品はもう少し読んでみるつもり。

    • 化け猫さん
      手塚が辿り着いた何処にこの作者は辿り着けなかったのか考えて欲しい。
      手塚が辿り着いた何処にこの作者は辿り着けなかったのか考えて欲しい。
      2024/01/26
  • さまざまな星から集まったエリートが受ける宇宙大学の最終試験。
    それは10人がひとつのチームになり、53日間宇宙船の乗員として船内にとどまること。
    その53日間は外部とのコンタクトはとれない。
    所がそんな大切な試験初日から1つのチームに異変が!
    何と10人のはずの乗員が11人いる。
    誰が11人目なのか?
    彼らは疑心暗鬼になりながら53日間を共にする事となる。

    さまざまな星から集まった11人が実に個性豊か。
    容姿も全く違うし文化も違う。
    この試験にのぞむ事情もそれぞれ。
    そんな11人がお互いを疑いながらも宇宙船で起こるトラブルに対し、それぞれの役割分担を果たしているのがいい。
    舞台が宇宙というのも緊迫感が高まり、物語の壮大さを感じます。
    この作者の話にしては、読後感もさわやかで良かった。
    またこの本には、「11人いる!」の続編、パロディ編も収録されています。

  • 再読。
    1994年発行だったけど今読んでもすごく新鮮でおもしろい。それぞれが未来へ向かって歩み出すエンディングがいいな~
    フロルが可愛い。

  • 私にとっては三作目の萩尾作品。
    11人いる!、、、SFコメディというべきか。萩尾SFは神秘的ーなイメージがあるのですが(初めて読んだ萩尾作品がA- A'だったので。)結構ドタバタ感があって良かったです。主人公はタダなはずなのに、フロルのオーラがすごい、、、笑
    続編、、、実は続編のほうが好きですね、ハイ笑。まさかの11人メンバーが死んだりと滅茶苦茶物騒な作品だけど、雰囲気がすごい好みで、短編なのに色々キャラが出てくる上に凝っているのが良い。なんかさ、王子が11人いる!のときの王子とはまた違う味出てるよね。「成長してんなぁ」とか思いつつ親の気持ちで読みました。

  • SF漫画では傑作と名高く、ずっと前から気になっていたのですが文庫版をついに手に取りました。20年近く前の作品とは思えないほど楽しく読めました。

    閉塞された空間、誰が11人目なのか分からない不信感、次々と船員たちを襲うトラブル。そんな中、破天荒で熱くなりやすい可愛いフロルが円滑油となって良い味出してます。
    中島らもさんのあとがきも秀逸。

  •  久々に衝撃を受けた漫画。昭和50年代にこんな話を描く漫画家がいるなんて!表題の「11人いる」は宇宙の大学入試の最終試験で宇宙船で53日間過ごす。最初は、衝突や対立をしていたけど、徐々にそれぞれの星の価値観や考え方を受け入れて、絆を深めていくのが微笑ましかった。きっと、今に生きる私達にも大切なことが散りばめられている。
     「ユニコーンの夢」は作品の雰囲気が美しくて、儚くて、脆くて神話のような作品だった。だからといって、目の前をただ流れていく、美しい景色だけではなくて、読後それが何かはわからないけど、胸に残るものがあった。
     もっと、萩尾望都さんの作品を読んでみたい!

  • 様々な惑星から集まった人々。
    地球規模でだって、多様性は様々。
    それぞれの生き方考え方を認めていくことは大切だよな、と思いました。

  • 古本屋で見つけて衝動買いしました。
    有名なのでオチも知ってたんですが、普通におもしろかった。
    疑心暗鬼で常に不穏な心理状態が続いとるはずやのに、フロルがいい感じにバランスとっとってかわいかったw
    続編はぜんぜんSFやなかったけど、こっちはこっちで雰囲気あるお話やった。

  • 宇宙船の中での表題作が面白かった。
    国レベルではなくて、星レベルの話に考えさせられる。いつこうなるか、コロナも全然予見できなかったし、絵空事ではないような気もしてくる。

    キャラクターの魅力で後半はグイグイ読んでしまった。

  • 有名すぎて読んでなかった。萩尾望都さんの絵柄には若干苦手感あるけど、流石に面白い。ヌーとフロルは二次創作捗りそうなキャラクターですな。

著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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