- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091920041
感想・レビュー・書評
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想像を絶する悪人主人公の復讐劇.
漫画でここまで描けるのかと驚いた.
主人公の邪悪さが半端じゃない.まさに悪魔の所業です. -
「結城」という、犯罪に手を染める極悪人間と、結城を止めようとしつつも弱みを握られ、犯罪に荷担していく神父の物語。ゾクゾクするほど薄気味悪い話だが、一気に読めてしまった。
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MW(ムウ)と呼ばれる化学兵器の流出により、沖ノ真船島の島民は全滅したが、その事件は当時の政府により、歴史の闇に葬られた。しかし、その島には、生き残った少年が2人いた。一人は、優れた美貌をもつ頭脳明晰な男。しかし、彼は化学兵器の後遺症のためか、良心や倫理感を持たない青年になってしまった。そしてもう一人は、そんな彼と死んだ島民を忘れられず、神父となっていた。
で、この美貌の男がとんでもない極悪人で、もちろんそれはガスのせいなのかもしれないけれど、本当にどうしようもない悪人で、びっくり。
どうなるのか気になって最初から最後まで一気に読ませられてしまうところはさすが手塚治虫なのですが、最後の後味の悪さにはびっくりしました。黒い。手塚治虫、黒い。
ていうか、コレの帯に「映画化決定!」って書いてあるんだけれど、どうやって映像化するんだよ、これ!でも玉木宏なら見たい。笑 -
同性愛関係にある2人の主人公、それは美貌の殺人鬼と
敬虔な神父という手塚治虫作品の中でもタブーとされる本作。
物語のキーになるのはMW(ムウ)と呼ばれる化学兵器。
某国によって秘密裏に持ち込まれたそれが漏出し、
沖ノ真船島の島民は全滅した。
その唯一の生き残りである主人公らの一人結城美知夫は
天性の美貌と天才的な頭脳に加え、MWの後遺症か
倫理観を全く欠如した悪魔ともいえる殺人鬼に成長する。
もう一人の主人公である賀来は、神に仕える身として
結城の悪行を許すことができない正義感と、
一方で結城への愛情の間で苦悩し続ける。
しかし、この作品の最も面白い点は、妖艶な悪魔と苦悩する
破戒僧の姿の対比として描かれるものである。
島民全員という人命を容易く奪う化学兵器
それを作ってしまう国家
外交的配慮との観点から漏えい事故を徹底的に
隠蔽する政治家
殺人を正当な手段と言い切る過激派
一人一人の人間はおおよその倫理観を持っているが、
それが集団になり、大局的な使命を帯びることで
功利・公益主義的な戦略が倫理を超越してしまう。
しかし、一方で結城に家族を殺されれば
皆涙するのである。
タブーを通して人と社会が抱える矛盾を
描いた作品である。 -
次々と罪を重ねていく男と、それを阻止しようとする神父の2人が主人公です。ラストが衝撃的でした。重たいテーマを扱っていますが、先が気になって一気に読めました。映画化もしています。
【志學館大学】ニックネーム:あげは -
ゴルゴ13を彷彿とさせるタッチです。美知夫の澄んだ瞳で無邪気に無差別殺人を行う様は本当にゾッとします。でも、その美知夫を生んだのも間違いなく無差別殺人兵器。人間の殺人兵器がそのまま人間に跳ね返ることを鋭く警告する、手塚治虫の傑作だと思います。
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初めてこれを読んだ時はまだ小学生で、さっぱりわからなかったんだけど、見ちゃいけないものを見たような気がした笑
久しぶりに読むと、話の深さや狂気っぷりに思わず唸ってしまう。
本当に悪いのってなんなんだろう。 -
全2