陽だまりの樹〔小学館文庫〕 (7) (小学館文庫 てA 17)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920577

作品紹介・あらすじ

動乱の江戸末期、来たるべき近代国家への苦悩と希望を描いた巨編!!

▼第1話/テロリストの夜▼第2話/永沢村異問▼第3話/農兵節▼第4話/浪士組結成▼第5話/恩師江戸入り▼第6話/宝珠を切る▼第7話/天網恢恢▼第8話/真忠組 ●登場人物/伊武谷万次郎(府中藩士で、歩兵組の統率にあたる。剣の才能に恵まれている)、手塚良仙(=良庵。父・良仙の死後、3代目良仙を名乗り、軍医になる。女好きだが、腕は確か) ●あらすじ/良仙の恩師である緒方洪庵が亡くなった。洪庵の亡きがらを前に、良仙は、軍医の道を歩むことを決めた。そしてこの時の決意が、後の彼の運命を変ることになろうとは、この時の良仙には予想できはしなかった。一方、留学から帰国した諭吉は、自身の塾を作る決意をしていた(第7話)。▼過去、万次郎の父・千三郎を闇討ちし、結果的に死に追いやった楠音次郎が、尊皇攘夷の名目で誠忠組を結成、上総の村の略奪行為をしていた。万次郎は、歩兵組を使い、誠忠組征伐を命ぜられる。だが誠忠組は農民が大半で、同じく農民で結成されている歩兵組は、自分たちと同じ農民は殺せないと出陣を渋った。その日の夜、良仙が万次郎の元を訪れた。驚く万次郎に対し、良仙は屯所付きの軍医になったと答えた。そしていよいよ出陣の日が来た(第8話)。 ●本巻の特徴/第7巻では、良仙は軍医になる決意をする。また、歩兵組の統率にあたった万次郎は、統率力を発揮していくのであった。 ●その他の登場キャラクター/楠音次郎(第8話)、平助(第1~3話)、綾(第8話)、万次郎の母(第1、2、4話)、福沢諭吉(第7話)、勝海舟(第2、4話)、良庵の妻・おつね(第1、3話)、おせき(第3、5話)、山岡鉄太郎(第3、4話)、お品(第5、7話)、お紺(第5、6、7話)、目明かし伝吉(第8話)、丑久保陶兵衛(第5、7話)

感想・レビュー・書評

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  • 大獄の章


    「その前夜」
      雨の中、呼び出されて出てゆく万次郎。
      磯貝という者に湯に誘われいただく事に。
      そこで捕まる万次郎。
      西郷と橋本左内の名で呼び出されたのが偽手紙。
      万次郎に改革案を聞き出すが、万次郎は知らない。
      助け舟は右腕を失くした平助が入り込む。
      平助は万次郎を助ける。
      火消しがやって来て、逃げおおせる万次郎達。
      磯貝の裏で手を引く長野主勝。
      万次郎母を鉄の道場において、平助と一緒にいる。
      岡っ引きがやって来て火事の真相を調べる。
      

    「投獄」
      南町奉行所吉田は万次郎とひっ捕らえよと。
      岡っ引きの伝吉、平助に話を聞く。
      万次郎に言われ姿を消す平助。
      飲み屋で岡っ引きと話す万次郎。
      揃って焼けた磯貝の家へ行くと保谷が切られている。
      一人で万次郎は焼け跡で探索中。
      地下道を辿ると神田川に繋がっていた。
      真っ暗な中何かを斬る万次郎。
      蝋燭を点けると何故か町人が二人倒れていて、いいタイミングで同心が万次郎を捕まえる。
      牢の中の万次郎。

    「死出の旅」
      与力、吉岡左ェ門のお白州で府中藩の家老佐伯が「知らぬ」と。
      裏では吉岡と長野主勝が組んでいる。
      牢の中で医者に手当される万次郎。手紙でやり取りをするように勧められる。
      万次郎以外に入れられたのは梅田雲浜。
      井伊と長野主勝が九月二十二日、二十三日に捕縛をしたと言う。
      その中に橋本左内がいた。
      捕まった連中は勤皇攘夷派。そこに入れられてる万次郎。
      牢を出たいと医師に頼むと「コロリになれ」と。
      無事(?)コロリになり牢から出る万次郎。
      棺桶に入れられて運ばれた先で見たのは良庵の元。
      牢医師の堂玄は良仙と中が良い。
      運ばれた先は鉄さんの家で、母親と再会。
      保谷様、目明かしの伝吉が主になって助かると知る。
      万次郎の家は召し上げられている…。
      伝吉は色んな人に聞き、金塊が運び込まれてるという。
      そして、私腹を肥やしているのは井伊。
      保谷様は水戸藩安島様に書類を渡すよう万次郎に託す。
     
      
    「水戸路をゆく」
      無事水戸に着く万次郎。
      万次郎、夜の宿で物騒な話を聞いてしまう。
      井伊を倒す等の言葉が。
      居合わせたのは水戸藩士高橋多一郎。
      水戸藩にいる阿島帯刀に書類を渡す。
      高橋と一緒に井伊を切り、ハリスとヒュースケンを斬ると言い出す。
      反対の万次郎は席をあとにして、平助と会う。
      平助に誘われ山の中へ。そして猟師として手ほどきを受ける。
      足を挫きじっとしているだけの万次郎のもとに高橋がやってくる。
      安島様が捕縛されたと。
      そして、飯田が一人で江戸に向かい大老井伊に発砲するも、小刀に当たりテロ失敗に終わる。


    「炎上」
      十一月十五日夜明け、出火。
      良庵、おつねの子供を生むのに帝王切開。
      良仙は種痘所が家事に飲み込まれるのを聞き呆然となる。
      が、手術は始まっている。
      どうしても続けられない良仙は良庵に頼む。
      取り出した子は産声を上げない。息を吹き込み、呼吸をさせ、産声を上げた。名前は照(てらす)。
      安政六年六月二日、横浜出島が出来る。
      お紺もそんな国際色豊かな横浜に店を出している。
      出資したのは多摩屋弥左衛門。
      彼に頼み込んで種痘所再建に尽力してもらう算段。
      が、斬られてあっけなく・・・
      斬った相手は丑久保だった。
      次の日、良庵の元へ福沢諭吉が訪ねてくる。
      岡本周吉、原田雷蔵も一緒だと言う。
      福沢はこれからエゲレス語を習うという。
      水道橋の守山多吉郎に会うことに誘われ行く事に。
      守山は会う気はない。
      二日目に音を上げる良庵、続ける福沢。


    頭の中が混乱。
    まだまだ整理が足りない。
    知らない事を調べながら、一つ一つ頭の中で繋ぐ。
    まだ線に成り切ってない・・・
    ただ。
    ものすごくいい勉強になってることは確か。
    ここで誰と誰が出てくるのか。
    誰が誰と繋がるのか。
    面白いです。

  • 蜀崎ェュ縲よエェ蠎オ蜈育函縲∵ア滓虻縺ァ豁サ蜴サ縲り憶莉吶?霆榊現縺ォ縺ェ繧区アコ諢上r縺吶k縲ら悄蠢?邨?→縺?≧霎イ豌台クサ菴薙?蜿堺ケア霆阪r骼ョ蝨ァ縺吶k縺溘a縲∬セイ蜈オ繧堤紫縺?※荳?コ碁ヮ縺ッ蜷代°縺??

  • 万二郎の統率力のすごさ。誰しも強い者に憧れ、付いていきたいと思うもの。良仙の決意。

  • 7

  • 2012年1月25日読了
    伊武谷は勝海舟に命じられ、農民の軍事訓練をすることになります。そして新選組の前身となる浪士隊の結成を目撃。伊武谷にずっと連れ添ってきた平助は武士になりたいと浪士隊に入隊するのでした。
    良庵も緒方洪庵の勧めにより、軍医になります。
    物語も最後が近くなり、いろんな人の行く末に決着が着いています。伊武谷をずっと恨んでいた陶兵衛も最期を迎えます。傍らに落ちたでんでん太鼓が切ないです。

  • 1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。

    終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。

  • これは随分前に買ったもんだけどオススメなので

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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