栄光なき凱旋 下

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 160
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797276

感想・レビュー・書評

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  • 読みおわってぐったり。今の日本人にはあまりにもかけ離れた状況。人種差別も戦争もない。だけど今、読めてよかった。知れてよかった。

  • 上巻でたっぷりと人物や背景に時間をかけた後、満を持したように戦争に突入していく下巻。もちろん戦争の描写もすごかったが、ほぼ全体のどの場面にもでてくる登場人物たちの心情吐露が迫真だった。これでもかこれでもかと襲い来る苛酷な状況に人間はどんなことを見、どんなことを感じるのか秀逸なシュミレーションのようで息が詰まった。そしてそのどれもが、自分だったらと考えさせられるリアリティがある。戦争は汚い、戦争は悲しい。しかし、この世界では血を流すことでしか得られないものが確かにある。たくさんの日系人たちが血を流したから今のアメリカでの場所がある、同じように今の日本の繁栄もまた、あの当時たくさんの血を流して倒れていった人々の亡骸を礎としているはずである。いい悪いの問題ではなくそういった深い部分も考えさせられるテーマの小説だった。

  • 第二次世界大戦下の日系アメリカ人3人の話。迫害から逃れるため、家族を守るために志願した3人。
    最前線に回される日系人。仲間たちが次々と死んでいく…
    また、殺人を犯してしまい逃げるように語学兵となったが、捕虜となった日本兵からは蔑みの目でみられる…
    それぞれの苦悩。
    戦争の悲惨さと日系人の苦労が描かれている。(下巻)

著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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