最後の子どもたち (写楽Books)

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制作 : Gudrun Pausewang  高田 ゆみ子 
  • 小学館 (1984年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093813013

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最後の子どもたち (写楽Books)の感想・レビュー・書評

  • もう、ナラティヴがどうとか構成がどうとかじゃなくて、先へ先へと引き込まれる。いざ最悪の方へ。この、突然の理不尽な悲惨な世界に。
    救いはフィクションであること。フィクションのままでありますように。ノーモア原子力。

  • 原題:Die letzten Kinder von Schewnborn
    (シューベルボルン最後の子どもたち)

    シューベルボルンは架空の町

    夏休みが始まり、みなが旅行に出かける時期、、東西問題は緊張が高まっていたけれども、彼ら一家は五人でフランクフルト郊外のボナメスからシューベルボルンの祖父母の家を車で目指した。
    祖父母の家での楽しい時間を想像しながら~

    しかしそれは突如奪われることになる。
    アウトバーンを降りてヴィーティヒへ向かう途中、すさまじい何かに巻き込まれる。
    それが何なのか・・・

    核戦争が起こったことを想定して描かれた作品。
    そんなものが起きれば、政府機関は働かなくなり、情報が遮断する
    救援などありえないので、けが人病人は弱る。
    食べ物も不足し、奪い合う。
    ルールを守る必要がなくなり、自分を守るためには人としてのルール(倫理観)を破らないと生きてはいけない。

    ほんとうに残酷なこと。
    何を信じていればいいのか、わからないところで、人間は動物に戻る。

    アンドレアスの「大人なんてクソくらえ!」の落書きがこの物語のタイトルにもかかわる。







    父、母、姉ユディット15歳、僕ロランド12歳、妹ケースティン4歳

  • 『そこに僕らは居合わせた』を読み、『みえない雲』の人かと気づいてそれも読み、さかのぼって『最後の子どもたち』を借りてきて読む。

    核爆弾が落とされ、生き残ったとしたら?
    どんな状況で生きていかなくてはならないのか?

    『みえない雲』は、チェルノブイリ原発事故からまもなく、もしこれが西ドイツのどまんなかで起こったら?というかたちで書かれていた。対して、この『最後の子どもたち』は、チェルノブイリ以前に、未知のできごとを物語として書いたかたちになっている。「現実」に起こったこととしては広島や長崎の被爆を参照しているようにも思った。

    夏休み、家族で、母の両親が住むシェーベンボルンで過ごす4週間を楽しみにしていた、まもなく13歳になる「ぼく」を語り手に、物語は書かれている。両親と3つ上の姉、幼い妹とともに旅にむかう道中で核爆弾が炸裂したとおぼしき閃光と爆風にあい、倒木をのりこえながら、「ぼく」の一家は、祖父母たちの家へたどりつく。

    隣人から、祖父母は、娘や孫たちの来訪を迎えるための買い物に、フルダの町へ出かけたと聞いて、「ぼく」の母は、フルダへ両親を探しに向かい、壊滅したフルダを目にして戻る。

    『みえない雲』では、「ただちに影響はありません」とアナウンスされ、政府や軍が、原発事故の起きた一帯から人を出さないようにした光景が描かれていたが、この『最後の子どもたち』では、新聞やラジオによる発表もなにもなく、政府機能が途絶したもようが描かれる。

    食糧が尽きていき、ゴミは収集されず、衛生状態も治安も悪化、赤十字などの救援もない中で、「ぼく」の母や、フルダから逃げてきた人たちにあらわれる原爆症…。いっときは孤児たちの世話にうちこんだ「ぼく」の母や姉、だが子どもも大人も、多くの人が死んでいく。姉も、母も、妹も死んだ。

    「ぼく」は、あの日からの、そうした日々を、ずっと見ながら大きくなっていく。

    ▼だけど、子どもたちは生きている。みんな生きのびたのだ。いま生きていることは、ぼく自身も不思議に思っている。だって、生き残ったのは二十人に一人なのだから

     しかし、ぼくらはほんとうに生き残ったのだろうか? もしかしたら、次はぼくの番かもしれない。きのう髪をとかしたら、ふだんよりたくさん髪が抜けた。そういえばユディット[「ぼく」の姉]のときも、そんなふうに始まった。
     あのあと生まれてきた子どももいたけど、人口は減る一方だ。ぼくは、こんな世の中に子どもを産む責任をとれないと言う人たちを何人も知っている。…(p.208)

    原著は西ドイツで1983年に発表された。訳本の巻末にある「著者あとがき」には、こう書かれている。
    ▼わたしたちの存在が、絶え間なく生産されている核兵器によって脅かされているのは、もはや疑いのない事実です。しかし、このような考えをどこか隅へ追いやり、考えること自体を拒否してしまっている人たちも少なくありません。人類が滅んでいくさまなど、想像もできないからなのでしょうか。
     わたしは、この物語の中で、人類の壊滅を想像し、描写しようと試みました。これは、まだ現実に起こった物語ではありませんし、未知のできごとを描くことは非常に難しく、議論の余地もあるでしょう。…(中略)…
     わたしたちが、核によるホロコーストから自らを守るために立ちあがる、その手がかりとして、この物語が役立てば幸いです。それには、いまの時期がまだ遅すぎはしないのを願うばかりです。(p.214)

    訳者の高田ゆみ子は、1983年に西ベルリンを訪れたときのことを「訳者あとがき」に記す。「かつての大都市ベルリンが東西に分割されたうえ、西ベルリンは四方を壁に囲まれ、戦後四十年近くたった現在もなお米・英・仏の管理... 続きを読む

  • 子供のころに読んで核の恐怖に衝撃を受けた。
    怖かったものの何度も読み返し、そしてなぜか手放しがたく、ページはかなり傷んでるけど、今でも本棚に置いてある。

  • 核戦争が起きたのちのドイツの町を描いた小説。早く読みたい。

  • 高校生の時に図書館から借りて読んで、
    あまりの内容に震えて夕飯が食べられなかった覚えがあります。

    「知らない」「知っているけどしょうがない」
    なんて言ってはいけない。

  • ありえなくない未来の核戦争のお話。
    読んだ後に考えさせられます。

  • 初めて読んでからもう5年も経つけれど、いまだに鮮明に内容を覚えている本。きっとこれからも忘れることはできないと思う。
    それくらい衝撃的でした。

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