サラバ! (上)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863926

感想・レビュー・書評

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  • 梅雨入りしたってのにええ天気w

    ってな事で西加奈子の「サラバ! 上巻」

    西加奈子さんの自伝的な感じの話。

    西さんが主人公の男の子「歩」に扮し海外赴任でイランで産まれてから両親が離婚、日本へ帰って来てから迄の内容。

    物静かな父親、自分本位な母親、愛情不足を恨みながらも構って欲しくて奇行に走る姉、その他の個性ある母親の姉妹など…。

    個性有り過ぎる家族の中で気配を消して生きる歩の強かさと、周りの事を気にし過ぎる弱さを織り交ぜながらの成長記録。

    期待が高過ぎたのか余り心の引っ掛かりが薄かった内容w

    姉の貴子のキャラは気になって仕方が無いw

    優しく抱きしめてあげたくなる感じですw

    題名にも成ってるヤコブとの「サラバ」が下巻にどう絡んで来るのかを期待して図書館に予約!

    2015年29冊目

  • 外国での少年の葛藤や慣れて行く過程はとても面白いし、お姉さんの感性も気になりすぎる。素晴らしい友達との出会いや胸の痛む別れ、いろいろがぎゅっと詰まっていて、どんどん読めるのに進むのが勿体無いような葛藤もある。
    西加奈子節も声を出して笑ってしまう。好きです。

  • ある帰国子女男性の半生と、その家族の物語。

    印象に残ったこと

    ・主人公が産まれた地、イランの歴史とイスラム革命
    →ここ一年程イランとイスラム教に興味を持っていろいろな本を読んでいたので、多少なりとも宗教観や歴史について知った上でこの本を読み始められたことが良かった。やっぱり知識って人の世界を広げるし、感受性を豊かにしてくれる。

    ・子ども自身による無意識的なセルフプロデュース(本能の姉vs理性の弟)
    →どんなに幼い子供でも、どんなに安全な環境にあっても、どうやら自分はこうあるべきらしい、どうやら今はこう振る舞うべきらしい、という直感を持っているようだ。人から見られたい、愛されたいという欲求を爆発させた姉、その姉の影に隠れてひたすら傍観者的ポジションを貫く弟。どちらも同じくらい不自然で、不自由で、息苦しく、無理のある子供時代だったのではないか。わたしの子供時代を思い返せば、どちらかというと姉の方に近かったように思う。見て、こっちを向いて、と常に思っていた。その反動か、母親になった今、我が子には、どこまでも天真爛漫に、大人の顔色を窺うことなく自由にのびのびと生きてほしいと願う。でもいくらそう願ったところで、子どもは親であるわたしの顔色を窺ってくる。子どもらしくない阿るような表情が嫌いだと夫に話すと、子どもだって家族という一つの社会の中で生きていかなくちゃいけないんだから仕方ないよ、と言われ、納得したのを覚えている。

    ・角田光代『幸福な遊戯』を彷彿とさせる男女が入り乱れた「ゆるい」「ぬるま湯」
    →大学時代に自分の現状を「ぬるま湯」と表現することに凝っていた。高校三年生まで頑なに門限を17時に設定し続けた忌々しい(と当時は思っていた。今は大好きよ)母親の目もある程度届かなくなり、わりとまあ何時でもいいっちゃいいけど最終的にはやっぱ実家に帰るしかないという中途半端な自由と、授業出る?喫煙所にしとく?みたいな生ぬるい友情と、でもうちらこれからどうなるんだろうねっていうゆるい不安と、お金ないなーお腹すいたなーめんどくさいなーを口癖にした究極なだらしなさの中で過ごした、おそらく自分の人生で最も自由で、奔放で、無責任で、パステルカラーだった時期。そこには性別、年齢、家柄などあらゆる分断をドロドロになるまで一緒くたに煮込んだ闇鍋みたいな時間が流れていた。居心地のいい、アメーバのような空間があった。真っ只中にいるときは、いつまでもみんなでここにいられるような錯覚を覚えるけれど、やっぱりそれは所詮錯覚で、一人、また一人と、目を覚まして、冷水で顔を洗って、ぬるま湯から脱出していく。あの闇鍋から、アメーバからわたしが抜け出したのは、果たして早い方だったか遅い方だったか、あるいは、実はまだ抜け出せてすらいないのか。

    ・「信じられる何かを見つけること」
    →学生時代、自分にとって「これだけは」と思える一つのことを見つけるよう何度も言い聞かせてきた母の言葉を思い出した。当時は「誰にも負けない」「一番になる」と捉えてしまったために余裕がなくなってギスギスしたけれど(だからこの物語で姉が終盤に言っていた「あの頃は余白がなかった」の意味がすごくわかる気がする)、母の意味するところは実際は違っていて、人と比べる必要のない心の拠り所、自分の芯のようなもの、ということだったと今は理解している。で、見つけられたんでしょうか?もう36歳になりますけれど。

  • 主人公、歩くんの人生をただ淡々と書いているだけなのに、面白いんだけど!なんだこれ!下巻が楽しみ過ぎる!

  • 西加奈子さんの本は、キリコについて、漁港の肉子ちゃん、ほかに2〜3冊を読んで、すごく好きな作家さんだと思ったが故に、これ以上読むのは勿体無い!と読まないようにしていました。好きな作家さんの人気の本って老後の楽しみにとっておこうと思っちゃう。でもサラバ!はずっと気になっていて。図書館でウロウロしていて借りたい本がないときちょうど目が合って、更に上下巻揃っていたから、借りちゃいました。やっぱり面白い。主人公の少年の心の動き、すごくわかるなぁ、私も子供の頃こういう風に考えたことあるなぁって。どうして大人になったこんな今になって共感できるような懐かしめるような文章が書けるんだろう。上巻は物語の下準備は整った!という感じですかね。下巻で何が起こるのか。楽しみです。

  • "ごはんぐるり"や"i"を先に読んだので、重なる場面が多くむず痒くなってしまった。悪い言い方をするとネタの使い回し感。これは自伝的小説だし、そもそも小説ってそういうものなんだけど、作者が体験したこととかそういった場面が想像できてしまっていやだった。フィクションはフィクションであってほしいという自分の勝手な願望。

  • 主人公の歩の人生を描いた物語。上巻では、産まれてから高校の途中までが書かれている。表現に迷うが…会話のやり取りが描かれることはほぼなく、淡々と(歩の心情を交えながら)書かれている印象。正直、前半は読みづらさを感じていたが…慣れてきたのか後半にかけて尻上がりに面白さを感じるようになった。個人的な印象としては「西の魔女が死んだ」に近い文章の書き方だなと思った。下巻も楽しみ。

  • アメトークの読書芸人編で絶賛されてたから読んでみた。

    自分の中の「発散し切れない」ものの表現方法を、それぞれの人物が探していくストーリーに思う。
    自分の表現方法をわたしも知りたいと思った。

    幸せになりたくて色々な物に手をだし派手に生きる母。
    幸せから遠ざかりたくて、シンプルに、結果、平穏に生きる父。
    この二人が対照的。

    「あなたの信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」

    「信じる」ことは「自由な選択」であり、そこには愛がなければいけない、と私は思う。

  • つぎに何が起きるかわからないおもしろさ

  • 第152回直木賞を受賞
    2015年本屋大賞第2位

    あらすじ
    僕はこの世界に左足から登場した―。
    主人公の歩は、父の海外赴任先であるイランのテヘランの病院で生まれた。歩の家族圷(あくつ)家は、破天荒な姉や、幸せを願う母、朴訥な父親がいる。ドタバタな毎日をテヘランで過ごしますが、やがてイラン革命がおき、日本へ帰国。
    大阪で暮らすことになった圷家。もって生まれた性格で、歩は大阪の幼稚園や小学校ではすぐに周囲に溶け込む。が、はというと、破天荒な性格が裏目にでて「ご神木」というあだ名をつけられ、周囲から孤立していく。そんな折り、父は新たな赴任先が決まる。場所はエジプトだ。歩は日本人学校に通うことなり、運命的な出会いヤコブというエジプト人の少年と出会う。しかしながら、ある日突然、両親が離婚することを歩は告げられる。そして帰国。
    家族に振り回されながら主人公歩は成長していく。

    感想
    破天荒とは、誠この小説の主人公達だね!

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

西加奈子の作品

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