- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864206
作品紹介・あらすじ
今日から海峡の鬼になる。記念碑的傑作誕生
舞台は、国境の町・根室
男の屍を越えて生きてゆく女たち。
北海道最東端・根室は、国境の町である。戦前からこの町を動かしてきた河之辺水産社長には、三人の娘がいた。長女智鶴は政界入りを目指す運輸会社の御曹司に嫁ぎ、次女珠生はヤクザの姐となり、三女早苗は金貸しの次男を養子にして実家を継ぐことになっている。昭和四十一年の国政選挙で、智鶴の夫・大旗善司は道東の票をまとめ当選を果たした。選挙戦を支えたのは、次女・珠生の夫で相羽組組長の相羽重之が国境の海でかき集めた汚れ金だった。珠生は、大旗当選の裏で流された血のために、海峡の鬼となることを誓う。
【編集担当からのおすすめ情報】
桜木版『ゴッドファーザー』であり、
桜木版『極道の妻たち』であり、
桜木版『宋家の三姉妹』!
2015年11月7日(土)映画公開の
『起終点駅(ターミナル)』(小学館文庫)と合わせて、
大々的に宣伝展開予定です!
感想・レビュー・書評
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波乱万丈の物語とはこれだ。紆余曲折の生き方は珠生のことだ。妾に子供がいた事の衝撃はひしひしと感じた。
相羽が殺された真相とあのあとの続きが知りたい。最後は本当に霧につつまれてしまった。ぜひとも続編を書いてほしいです。STORYBOX連載時に読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
寒さも和らいできたような…w
ってな事で桜木紫乃の『霧 ウラル』
いや~良作♪
女の心情、姉妹の軋轢、姐さんとして男に仕える反面女の意地と弱さ…。
等々、男と女、家と会社、政治と地域、表と裏は正に霧の中の様に見えたり見えなかったり、さ迷ったり……。
女版、仁義なき戦いと言うか、読み終えるが寂しくなる感じじゃったw
もっと読みたい、映画になっても良いんじゃろなぁ♪
2016年7冊目 -
相羽は珠生を愛していたんだろうか?
相羽の感情がよくわからなかった。
三姉妹の、お互いへの想い。
親子関係。
この辺もはっきりしないことだらけ。
龍子さんが言うように、真央を引き取るのはやめておいた方が…と思った。 -
こんな男のどこがいいのかねパート2ではあるが、惚れた弱みというか。木村さんに惹かれるのは分かる。昭和30年代、道東のみならず全国で土建屋と政治家と金融が組んでたんだろうなあ。
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地元の名家の三姉妹の次女として生まれた珠生は芸者となり、裏稼業の長の姐となる。
長女は国政に進出予定の運輸会社の社長息子に嫁ぎ、妹は家を継ぐ為信金の次男と婚約した。
3人の女と根室の男達…
珠生の生き方が悲しい。
全て珠生の目線で語られるため、相羽の気持ちが見えてこないのですが、そこに愛はあるんか?という感じ。
最後まで相羽珠生を貫いた珠生。
真央の『たまきです』は、そのまま珠生をあらわしていますね。
切ない。
国後から流氷を歩いて野付まで歩けるなんて。
調べたら16キロしかないんですね。
北方領土問題についても、思いを馳せることの出来たお話でした。
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智鶴・珠生・早苗の三姉妹とそれを取り巻く人たちの一生分が描かれていて、濃厚な読後感を味わうことができた。シゲ・木村・保田・今川 そんな中で龍子だけはホッとできる人だ。本当の鬼は優しい女の顔をしている。
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再読。男女の関係が、ほのかな恋心→思いを寄せ合う→夫婦→同士と変わっていく様子が丁寧に書かれている。感想、なんて書いていいか分からないけどすごく惹かれる小説
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桜木氏の作品を初めて読みました。極道ものと思って読み進めましたが、見当違いでした。
戦後の道東の状況を知ることが出来、いわゆる北方領土からの引揚者が多くいたこと、非合法な形で旧ソ連とやり取りがあったという現実が分かる。
時とともにすれ違いが生じる家族・兄弟、女性ならではの情感が生々しく描写されていて、男性の私も感情移入しつつ読むことが出来た。野付半島にはいつか行ってみたい。