風間教場

著者 :
  • 小学館
3.68
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本棚登録 : 616
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865630

作品紹介・あらすじ

最後の退校希望者は、誰だ?

必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩。それが、警察学校だ。警察学校第百二期短期課程の教官を務める風間公親は、警官の資質なしと見なした生徒には、容赦なく退校を命じる鬼として知られていた。その風間に校長の久光が命じたのは、「退校者ゼロ」の模範教場を作ることだった。妊娠する女生徒も現れるなか、風間はミッションをクリアできるのか!?
累計70万部のベストセラー最新作!
シリーズ初の長編!


【編集担当からのおすすめ情報】
本邦初の警察学校小説として大きな話題となり、
ベストセラーとなった『教場』。
フジテレビ開局60周年特別企画として、
木村拓哉主演でスペシャルドラマ化!
2020年新春放送予定。
『風間教場』は、「教場3」にあたるシリーズ最新作。

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩。
    それが、警察学校だ。
    警察学校第百二期短期課程の教官を務める風間公親は、警官の資質なしと見なした生徒には、
    容赦なく退校を命じる鬼として知られていた。
    その風間に校長の久光が命じたのは、「退校者ゼロ」の模範教場を作ることだった。
    風間はミッションをクリアできるのか!?

    教場シリーズも、既に4冊目ですね。
    先日はテレビドラマで、風間教官役をキムタクが演じました。
    勝手に思い描いていた教官のイメージと違うキャストにとても驚きました。
    でもキムタクも流石ですね~好演していました♪

    今回は無茶振りが大好きな校長からの無茶振り
    「一人の退学者を出さない」「出たら君も辞めろ」というミッションを受けた時に
    (@'ω'@)ん?(@'ω'@)ん?(@'ω'@)ん?何だか変だなぁって感じた。
    1冊目2冊目の様な激しい事件や犯罪は全く発生しませんでしたが、
    風間教官の胸の内を語るシーンも多々ありまして、
    とても厳しいんだけど、とてもとても深い愛情が変わってなかった。
    鋭すぎる洞察力やっぱり凄い人でした。
    資質の無い人間は容赦なく退校を命じるが、決して成績は良くなくては人にはもっていない特技
    特徴を長所と捉えそこをのばしてあげようと考える。

    生徒の過激な事件が無い分少し淋しさや物足りなさを感じましたが、
    ラストはまたまたウルウルさせられました。
    まさか…風間の残された左目が…。
    気付いていたのは校長だけではなかった。皆気付いていたんだね。

    助教になったんだね(*´ `*)
    風間だったら変わらず素晴らしい先生を続けていかれるのでしょうね。
    このシリーズは終わりなのかなぁ…続編が出ると嬉しいです。



  • くそぉ。風間教官カッコイイな。
    こんなにすごい心から尊敬できる教官に教えを受けたら、警察官としてだけではなく、人生そのものに大きな影響を受けることであろう。

    聡明な優羽子の立ち振る舞いや、悩み戸惑いながらも前へ前へ進んでいく学生達もよかった。


    今回は、風間教官の暖かな人間性と真の強さがクローズアップされ、読了後には言葉にならない感動の渦が生まれそれがなかなかやまない。


  • 内容紹介 (Amazonより)
    最後の退校希望者は、誰だ?

    必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩。それが、警察学校だ。警察学校第百二期短期課程の教官を務める風間公親は、警官の資質なしと見なした生徒には、容赦なく退校を命じる鬼として知られていた。その風間に校長の久光が命じたのは、「退校者ゼロ」の模範教場を作ることだった。妊娠する女生徒も現れるなか、風間はミッションをクリアできるのか!?




    風間公親の洞察力は相変わらず鋭いです。
    退校者ゼロを命じられて どう対処するのかと思いながら読みましたが やはり素晴らしい教官だと思いました。
    そして、左目がその後どうなるのか 新たな気がかりが...続編を期待します。

  • シリーズ初の長編。
    年始のドラマ化ですっかり有名になってしまったイメージだが、今作の風間はこれまでに比べて、だいぶ切れがなくなったように感じるし、長編にしたことで内容もメリハリが薄くなった感じが否めない。
    もともと短編でトリックが秀逸な作家さんだけに、長編でちょいちょいトリックを入れていても、気づきにくいし、良さが半減してしまうのも、勿体ない。
    風間の冷酷な感じでヒットした感があるのに、その風間も自らの衰えを隠せずにいたりと、人間模様を読む上には悪くない内容だけれど、もともと教場シリーズのファンとしては、冷酷なままで、とことん生徒を窮地に追い込む風間の印象が強いだけに、もう少し、その路線が読みたかったかも。
    警察学校ものの先駆けだったけれど、ここに来るまでに、いろんな作家さんが警察学校を舞台にした作品を発表していることもあり、ネタもどこかで読んだことがあるような感じになってしまっているのも、しようがないのかなぁ…

  • 風間教官シリーズ。

    厳しい指導と鋭い観察で、警察官として不適格な人物をふるい落としてきた、警察学校教官・風間公親。
    今年も三十七人の学生を教場に迎える春、異動してきた久光校長は、風間に「落伍者をゼロにすること」「失敗したら責任者として退職すること」を命じる。
    学生たちの中には、様々な理由で入学早々退学を望んでいるらしい者が見受けられるのだが…


    今回も、ごくわずかな違和感、学生のふとした言動などから、隠された真実を見抜く風間教官。
    陳腐な言い草ですが、もー、カッコイイ…。
    本作では、これまでの作品で風間教場を卒業していった教え子たちのその後も描かれたりして、シリーズ物らしい良さがあった。

    ラスト一文で、助教だった平に教官を引き継ぎ、『風間助教』となったことが示された。
    長岡弘樹さんの作品を読み始めたきっかけのシリーズなので、完結するのは残念だけれど、ここで卒業するのが相応しいようにも思う。


    …ちなみに、キムタク主演の風間教官はご遠慮申し上げます。
    いくら巧みなメイクでも…個人的な脳内イメージとは相容れず…ファンの方はごめんなさい。

  • 今までの3作は章ごとに1話完結だったから読みやすかったのに比べると、本作は私にはやや読みづらかった。

    前作最終章で、刑事をやめようと思ったものの、風間が襲われて右眼を失うことになった現場に一緒に居て翻意した平優羽子が、本作では助教として登場する。

    その平助教や生徒達に向けて風間教官が出す「問題」(課題)がすぐに解決しないので、私も引っ張られる感じになり、なんとなく読みにくかったのだと思う。

    今年また続編が出るようなことを目にしたので、立て続けに既刊4冊を順番通りに読んだのだが、本作の最後がこんなことになり、出るとしたら続編はどんなものになるのだろうか?
    楽しみではある。

  • 警察学校の隻眼の鬼教官・風間公親。彼が受け持つ学生たちのエピソードを描いて来た「教場」シリーズ第4弾は、初の長編。
    鋭い洞察力で警察官不適格者を見破り、容赦なく退職を迫ってきた風間教官。新たに着任した学校長に命ぜられた使命は、「落伍者ゼロの教場を作れ」だった。一人でも辞めた場合は、風間自身もクビというミッション。
    一癖も二癖もある学生たちが最後まで一人も欠けることなく卒業できるのか・・・

    いつもと方向性は違っても、風間の学生を見る目は鋭く、彼らの隠された本心を見抜いて適時的確なアドバイスを与える。様々な蘊蓄や、小ネタ満載で楽しめるし、警察官を育てる前に人間を育てるという風間の姿勢には感動も。
    読んでいる最中、気を抜くと風間がキムタクに変換されるのが残念だったけど、これもまたキムタクでドラマ化されるのかな~。

    疑問なのは、これまでタイトルが「教場」、「教場2」、スピンオフの「教場0」ときて、何故今回は「教場3」ではなく「風間教場」なのか?いままでどおり短編ではなく長編だから?それとも、最後の1行がその答えなのか・・・。とすると続編は・・・。

  • いやぁ、やっぱり『教場』は面白い!!
    警察学校ってこんなにも小説になるネタがあるなんて、ほんとびっくりだ。
    でも教える人がいて、教わる人がいて、そんな中で起こるあれこれが小説にならないわけがない。特に一般ぴーぽーには見ることのできない『教場』であればなおさら。

    しかし、風間のかっこよさたるや。
    もうサイコーじゃないか。ヒトとしても教員としても。

    今年の生徒たちも一筋縄ではいかない者がたくさんいるのに、一人として退学者を出すなという過酷な指令。
    それぞれに問題を抱えた生徒たち。
    1人1人に寄り添う(はたから見ると寄り添ってるようには見えないにしても)風間の姿勢は終始一貫、「いい警察官を育てる」ことを軸としている。
    助教の平とのコンビもいい。卒業生宮坂もいい。そしていじわる(だと思っていた)校長も。

    ラストに思いわず涙腺がゆるむ。
    ヒトを一人前に育てることの難しさ。しかも警察官として一番大切なことをきちんと教えて卒業させることの困難さ。それゆえ厳しくもなり冷たくもなる風間の本質を見抜いていた生徒たちも、あるいみ立派な警察官だ。

  • このシリーズもこれで最後なのかなぁ。ずいぶんと風間さんの性格が丸くなったと感じましたが、感覚の鋭さに磨きがかかってきたのはそういう事だったのね。
    TVドラマを観たので風間教官=木村拓哉になってしまいましたが、決して嫌な感じではありません。

  • 伏線と謎解きがちりばめられた連作帳編。風間教官も丸くなtったなあ。一人の落後者もなく全員卒業させた上、助教も育てた風間教官はさすがだが眼が心配。今後はあるのか?

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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