教場X 刑事指導官・風間公親

著者 :
  • 小学館
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866156

作品紹介・あらすじ

二度のSPドラマ化で熱狂!「教場」最新作

●第1話 硝薬の裁き
益野紳佑の妻才佳は、半年前、車にはねられ亡くなった。事故の唯一の目撃者は娘の麗馨だった。警察は幼い麗馨の証言を採用せず、犯人とされた男は不起訴となっていた。
●第2話 妄信の果て
大学四年生の戸森研策は、地元新聞社から内定を得た。ゼミ論文の単位が取得できれば卒業も確定する。前途洋々の戸森のもとへ、担当教授から突然の連絡が入る。
●第3話 橋上の残影
経理事務の仕事をしている篠木瑤子は、十年前に恋人を自死により失っている。その死の原因となった男は刑期を終え、娑婆でのうのうと暮らしていた。
●第4話 孤独の胎衣
短大生の萱場千寿留は工芸家の浦真幹夫と関係を持ち、妊娠した。浦真は中絶費用を渡し、海外に旅立ったが、千寿留は新しい生命の誕生を待ちわびていた。
●第5話 闇中の白霧
名越研弥は、闇サイト経由で違法な薬物や商品を仕入れ、莫大な冨を得た。そろそろ足を洗いたいのだが、相棒の小田島澄葉を説得できずにいた。
●第6話 仏罰の報い
著名な有機化学者である清家総一郎は実験中の事故で両目に劇薬を浴び、一線を退いた。隠棲生活を送る清家の悩みの種は、娘・紗季の夫の素行だった。


【編集担当からのおすすめ情報】
二度のスペシャルドラマ化で
日本中を熱狂させた
「教場」シリーズ最新作にして最高傑作!

「捜査では、犯人のみならず刑事も追い詰められる。導きと成長の物語をぜひご堪能あれ」--長岡弘樹

犯人(ホシ)を落とせないなら、
警察学校からやり直せ。

感想・レビュー・書評

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  • 時系列でいうと「教場」の前日譚の位置づけの作品。刑事指導官の風間がそれぞれタッグを組む新人刑事との6話連作短編。どの作品も短編でも読み応えありで面白かった。同情したくなるような犯人が多かった。古畑任三郎スタイルの構成も良かった。

  • 新米刑事たちがそれぞれの事件で入れ替わる。
    事件や犯人よりも欠点のある新米刑事が成長していく姿が見どころ。

  • ドラマの影響で初めて手にとってみた。
    被害者と犯人、そして若き刑事、それぞれの模様が丁寧に描かれていて
    短編なのに非常に深みと重みを感じさせられる物語だった。

    別のシリーズ作も読んでみたくなった。

  • これで今のドラマ分に追いついた。といっても、ドラマには事件と十崎の話以外のストーリーが盛り込まれている分、指導される刑事側の姿は強調されているけど。
    またどの犯人も一筋縄ではいかない事情を持つ人ら、まぁそうか。
    151冊目読了。

  • 今回も現場の話。読む順番あってるのかな。

  • 月9ドラマが思った以上に面白く、まだ読んでいなかったこちらの本を手に取りました。
    この本は、風間が片目を失ってから警察学校異動を命じられるまでの間の、「風間道場」のお話。

    短編一個一個で1時間ドラマ作れるくらいのクオリティのものが、6話。
    道場生である新米刑事たちが、それぞれの事件で入れ替わるものの、新米刑事たちの個性に応じたエピソードというのはほぼなくて、それは少し物足りなさを感じた。
    そして、風間もあまり怖くないような気が…。

    このシリーズの時系列(事実経過)的には、
    教場0
    教場X
    教場
    ・・・と続くわけだが、「教場」が一番風間さん怖かったな。

    孤独の胎衣という話で道場生が被疑者に、
    「赤ん坊の顔は左右対称って知っていますか?おとなになる過程で、周囲をうかがって作り笑いをしたりするから、大人は顔が歪んでる・・・」(大意)
    みたいなこと言うんだけど。う~~~ん、これは、同意できかねる。
    表情筋の話をしたかったのであればわかる気もするが、「左右対称」という表現はあくまでも顔の造形を指すのであって、赤ん坊でも片目だけ二重とか、左右非対称の子どもは大勢います。というか、完全な左右対称の顔は何十万人に一人?百万人に一人?くらいの少数者で、左右対称の顔した赤ん坊だってほぼいない。
    何が言いたいのかというと、こういう真偽不明、不正確なことを登場人物に言わせるのって私は好きではないのです・・・。
    特に短編ミステリーでは、全てのワードが解決の糸口だと思って読んでいるので、こういう謎セリフには混乱する。
    ・・・とはいえ、おとなになる過程で赤ん坊の頃の笑顔を失ってしまうというのはその通りであって、我が子の未だ左右対称の笑顔(赤ん坊のときから本当に変わらない)を見ると、この笑顔は何歳までかな(この笑顔を私に向けてくれるのは何歳まで)?なんて、時々ふと切なくなるようなこともあり、自分のセンチメンタルとこのセリフが妙にマッチしたりもした。

    本作を通して登場する、十崎(風間を襲って片目を失わせた男)と思われる通り魔犯は捕まらないまま。
    風間への挑発と思しき行為はエスカレートし、ついに警察内で匿われることになった風間。この十崎との対決はまだ先になりそうだ。

  • 風間が警察学校の教官になる前のお話。
    面白かったです。

  • 読み終われた、頑張った

    もはや当て書き?

    あの人の顔しか出てこない。

    妊婦、出産後、直ぐにはスリムにならないし、よろよろでスタスタ歩けないよ、

  • 前々作、教場0の続編で右眼を失った風間が若手刑事の指導官となり犯人を追い詰めていく。
    各話とも犯人が様々な事情を抱えているのは分かるが短絡的に犯行に及び、悉く風間に見抜かれ、その指導を受けた若手刑事達に追求されていく。
    しかし『仏罰の報い』に関しては犯行に及んだ方法が焦点になったが、まさかの展開で意外性は十分であった。
    『孤独の胎衣』は都合が良すぎる展開であったが犯行動機に関しては同情できる

  • 隻眼になった原因の事柄に触れられている。続編に期待。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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