- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093874632
感想・レビュー・書評
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表題作と「遥い町」の二編が収録されている。
九州の炭鉱町に住む主人公の私。
この私を通して町でも札付きの悪ガキだった信さんとの思い出、また「ヨン君」と呼ばれた在日の男の子のとの思い出がそれぞれ語られる。
二編とも心に沁みると同時に物悲しい物語だった。
昭和のノスタルジーと一言で片づけてしまうには忍びない。
養父母に育てられる子供たちの疎外感や愛情に飢える気持ちは普遍的なものだろうし、在日の子供たちへの差別も決してなくならないだろう。
いい意味で教科書的な作品。
子供たちに是非読んでほしいなと思った。
今の社会だと友達同士のかかわり方も変わってきてるだろうとは思うけれど。
この作品、どうやら映画化されているみたいだ。
予告編を見てみたらそれだけで胸が締め付けられそうだった。
ちょっと見てみようかな・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まさに「古き良き昭和」の時代。上辺だけを見ると乱暴者でロクでもない子供の信さん。でも、ちょっとしたキッカケや、一言でどんどん長所が見えてくるし、伸びてくる。淡い恋心(?)もたまらなく純粋。そして ヨンくんも、ひたすら母を思って耐える秘めた強さ。この物語の語り手は、何十年経っても色あせない思い出と友情を持てたこと、とても羨ましく思いました。たった100ページ程の話ですが、良い本に出会えました。
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映画を見たのが先です。
昔懐かしい、人の結びつき。 -
信さんとの強い絆。
誤解されやすい信さんをいつもあたたかく受け入れた母。 -
わりとベタだと思うのに泣いてしまった。
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2012/2
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2012/01/28
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哀しいけれど清清しいような…何とも言えない二編の話。
語り手は大人になった少年、守。
彼が子供の頃に九州の炭鉱の街で交わった少年との交流が書かれているのだけれど二編とも寂しい子供の話で読んでいて切なくなった。
変な捻りとかが無く、無理なく読めてすとん、と胸に何かが落ちる感じ。
二人の少年、信さんとヨン君の心の強さ、生き方に拍手をしたい。 -
郷愁。