世界中で迷子になって

著者 :
  • 小学館
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感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093882934

感想・レビュー・書評

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  • 『旅に思う』『モノに思う』の二部構成のエッセイ。
    この頃角田さんのエッセイを発売すぐに読む、といったことは少なくなってきた。
    小説のみならずエッセイもたくさん発表されてる角田さん。ことごとく読んできて、自分の中でちょっと飽きてきたのかな。旅ものも既に幾冊もあるし。
    …と思っていても、読み始めると、やっぱり面白い!!
    初めて知るエピソードは勿論興味津々で読んだけど、旅先のトイレネタは別の著書でも読んだことがあった(角田さん同様頻尿の私は随分勇気付けられた)。それでも今回の「旅トイレ」の話はまた違った面白さがあり、一番印象に残ったかも。既出のエピソードでも、また違った切り口で提供してくるところがさすがの角田さんだ。
    「モノ」編は、トホホ感満載で(笑)飾らない角田さんの人柄が表れており、あちこちで共感。まじめなのかいきあたりばったりなのか、そのちぐはぐ感がおかしい。ひとり暮らしを始めるにあたり、母親から大中小の鍋3点セットをもらい、ぼろぼろになっても使い続けてるというエピソードが好きだなぁ。この実体験がもとになった短編も前に読んだけど、すごく印象的でね。実は私も学生時代にやはり鍋セットを母からもらってて、いまだに使ってる(けど一つ最近だめにした)ということまで共通している。何というか、モノに関しては、理屈じゃないよというところがあるよね。
    この一冊をうまく締めたあとがきもまた大好きです。私も、かっこよくスマートな自分にはなれそうもありません。今後も迷走は続けるだろうが、恥をかきながらも、分相応な自分でいられればいいかと。とりあえず、母にもらった勤続ウン十年の安物の鍋は、限界ギリギリまで使い続けることだろう。

    • vilureefさん
      こちらにもお邪魔します(*^_^*)

      メイプルマフィンさんはエッセイも読破しているのですね~、すごい!
      私は以前読んだ角田さんの旅も...
      こちらにもお邪魔します(*^_^*)

      メイプルマフィンさんはエッセイも読破しているのですね~、すごい!
      私は以前読んだ角田さんの旅ものがしっくりこなくてあまりエッセイは読んでないんですよね。
      小説は大好きでもエッセイは微妙で・・・(^_^;)
      私のある友人は逆でエッセイは好きだけど小説は苦手と言っておりました。
      面白いですよね。
      とはいいつつも、このエッセイは良かったです。
      読み込んでいないので分からないのですが、エッセイも若いころとは変わってきてませんか?
      共感する部分がとても多かったです。

      角田さんの愛すべき人柄、いいでしすよね~。
      気取らず飾らず。
      この性格からあの粘着質(?)の作品が生まれるのかと思うとなんだか不思議です。
      2014/07/04
    • メイプルマフィンさん
      vilureefさん:角田さんのエッセイに関しては、共著を除けば多分コンプしてると思います。今気付いた!
      (角田作品のコンプを目指してるけ...
      vilureefさん:角田さんのエッセイに関しては、共著を除けば多分コンプしてると思います。今気付いた!
      (角田作品のコンプを目指してるけど、著作がとにかく多いから難しいね~。)
      確かにおっしゃる通り、若いころに比べるとエッセイも変わってきてますね。ツボを心得てきてるというか。
      エッセイ飽きたと思いながらも、読むと面白いと感じるのはそういうことなんだろうと。
      小説の作風とのギャップもまたたまらんですよね(^^)
      2014/07/04
  • これは、おもしろい。
    初めて読んだ角田さんのエッセイですが、読みやすいし、「わかるわかる」がたくさんあるし、思わずくすっとしてしまうところもあって夢中になって読みました。
    前半は「旅」に関して、後半は「モノ(お買い物)」に関して。

    角田さんのエッセイを読んだことのない私はよく知らなかったのですが、角田さん、バックパッカーとして世界中を旅されてたんですね。旅関連のエッセイを何冊も出されていることを今回初めて知りました。
    世界中の国で出会った美味しいもの、お酒、空気感、今すぐにでも旅に出たくなるくらいわくわくしました。

    クラムチャウダーが名物料理だというシアトルには是非一度行って、是非とも味わいたい。
    それに、キューバの「グラスにミントの葉をぎゅうううっと入れ、砂糖とライムを加え、すりこぎ状のものでがりがり潰す」モヒートも飲みたいし(夏はモヒートに随分ハマった)、インドやトルコでチャイを飲み歩きたい。

    それから買い物編も楽しい。
    私も道具から入るタイプなので、ものすごく共感。それに本や飲み代にお金を惜しまないところも、わかるわかる。著名な作家さんだからお金もいっぱい持ってるんでしょ、と思いきや、実際たくさん持ってはいるのだろうけれど、金銭感覚が私と大差ない。
    そして、この本を読んだ今「だしポット」が無性に欲しくてたまらない。意外と高い、のだけど、そんなに角田さんが絶賛するなら買ってみようかしら、なんて。

    うきうきわくわく、世界を旅するように楽しくよめて、気分転換にもぴったりな1冊でした。

  • 旅先でのこと、モノについて、一つのエッセイが書き流しでなくちゃんと「落ち」がある。メッセージがある。「アジアは水で、ヨーロッパは石なのだ」などなるほどと思わせるものがある。

  • だれかと知り合い親しくなるということはかなしみの種類を確実に増やす。こんなにも好きにならなければ、かなしみも衝撃も感じなかったに違いない。かなしむことができる、それを不幸だとは思えない。

    旅がしたい。
    未知なる場所にいってみたい。
    世界は広くて、自分の悩みなんて、ちっぽけだ。世界は広い。

  • モノに思う編では、そうそうと共感することがたくさんある。
    なかなか踏ん切りのつかない買い物。
    別に化粧なんてと思うところ、試着するのがら面倒ならところ。

  • 出不精で極端な方向音痴等、私と共通する事が多々ある

  • 旅と買い物のエッセイ。JCBゴールドカード会員向け雑誌に掲載されたもの、納得。自分でお金の使い方に責任が持てる人はかっこいい。

  • 「世界中で迷子になって」というタイトル。角田光代さん。図書館の棚で見つけたら、借りずにはいられない。

    後半というか、半分以上はお買い物の話。面白かったけど、ちょっとタイトルにだまされた感じ。

  • 買い物話。共感するねぇ。

  • JCBカードの会員用雑誌「THEGOLD」に連載していたエッセイ。前半は、旅に関するもの。後半はモノを中心といた日常に関してのエッセイ。
    角田光代の価値観が好きです。

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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