- Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093897594
感想・レビュー・書評
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圧倒される描写。戦争のむなしさ。すさまじいの一言に尽きます。過去に連載されたといいますが、戦後70年に出版されるにふさわしい作品と思います。
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戦争論と新戦争論をつなぐ創作という印象を受けた。戦争論は、はっきりと戦前の日本を肯定し、日本が悪であったという事に疑問を投げかけていた。しかし、新戦争論は、戦争の愚かさをクローズアップしている。その間をつなぐ物語。そんな気がする。
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戦争の現実を陳腐なイデオロギー抜きで描いた傑作。極限状態の描写が胸に迫る。
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15.08.01
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小林よしのりの作品には珍しく、よしりんが登場しない長編のフィクション漫画。人それぞれに人生があるのに、戦場という場所は、そんな尊い人生をいとも簡単に踏みにじっていく。そんな修羅場に置かれた人間は、時に勇敢に散っていくこともあれば、時に生存するために本能の赴くまま自分の身を守ってしまうこともある。多分私が戦場にいても同じことをして生き延びるだろう。卑怯者と呼ばれてもそんなのは関係ない。ただ、実際に、戦友が死んでいき、負ければ故郷が敵によって蹂躙されるという極限状態に置かれたら突撃するかもしれない。
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書店で見つけて、Amazonレビューも高そうなので購入。これという主張ではなくなく、ただただこうした考え方、人びとがこの玉砕の島にはいたということが淡々と伝わる。隊長の切腹、そして卑怯な裏切りにも複雑な気持がするものの、納得もする。ただただやるせなさを感じる。これが現実だと感じたのが、女性たちの描写。彼女たちが悪いのではない、戦争という狂気が悪いのだろう。
ラストはすこし納得できないが、全体を通じて偏った見方でなく、素直に当時のことが読みとれる内容になっていた。