「0から1」の発想術

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897631

作品紹介・あらすじ

これが「無」から「有」を生み出す思考法だ

【15の発想法】を身につければ、新しいビジネスアイデアが次々に湧いてくる!

大前研一氏が、イノベーションを生み出すための発想法を公開する。

ビジネス・ブレークスルー大学大学院で必修の「イノベーション講座」を待望の書籍化!

●SDF(戦略的自由度)
●Fast-Forward(早送りの発想)
●Idle Economy(アイドルエコノミー)
●Interpolation(中間地点の発想)
・・・・・・15の発想法により、新たな商品やサービスを生み出すことができるビジネスパーソンへと飛躍せよ--。

【編集担当からのおすすめ情報】
<近年、「国家」や「企業」の枠組みを越えた「個人」のアイデアと実行力ひとつで新しい商品やサービスが生まれ、社会が大きく変わるようになった。 今年もその傾向がより加速することになるだろう。ビジネスマン個々人が、商品開発でもエンジニアリングでも、あるいは営業でも、新たなビジネスを切り拓く能力が必要になる。無から有を生み出すことを「ゼロイチ」「ゼロワン」と呼ぶが、いま「0から1」を生み出すためのビジネス環境が激変していることを、まず知らねばならない。意欲と能力のあるビジネスマンにとっては大きなチャンスが到来しているとも言える>

大前研一氏は、そう語っています。
本書で「0→1」の力を身に付けていただきたいと思います。

感想・レビュー・書評

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  • 経済界の成功者を事例にしながら、わかりやすく考え方を教えてくれています。

  • 問題解決のための思考法。
    大前研一氏の視点の高さがうかがえる。
    著書にも、2つ上の役職で物事を考えるとある。

    今の問題は今の次元の視点では解決できない。
    より高い次元で物事を見ることで、解決法が見えてくるというわけだ。

    様々な思考法が書かれてある中で、
    もっともやっぱりこれだなと思うところは、
    それが「好き」であるということ。

    好きであれば継続する。
    継続すれば道が拓ける。

    真理はシンプルだ。


    加えて、
    業界の常識を捨てるというのがあるが、
    これは例えば歴史的なところで言えば、
    古代ローマ帝国が建国史上初の海戦に乗り出した時に、従来の造船に対する固定観念がなかったからこそ、カラスという不恰好な破壊装置をつくり、大国カルタゴという敵を撃破できたことが格好の例である。

    革新は今の枠の外にあり、
    その枠を飛び越えていくのは「好き」という情熱である。

  • ◆読んだ目的
    0から1を生み出す発想法を知りたい

    ◆ひと言でまとめると
    各事象を足し算ではなく、高い次元で新しい絵が描けないか質問してみる

    ◆どういう事か
    ①各論を見たときに「それら全てが意味するものは?」と質問し、抽象化させ高い次元で捉える
    ②各事象をそのままみるのではなく「あなたには何が見えるか?」と質問し、人の思いつかないような絵=構想を描くと
    ③異業種に学び、勝つまで試す

  • ・ユーザが求めているもの、それを達成する手段という順番で考える。
    ・外国や異業種との情報格差を利用する。
    ・「自分の会社をつぶすにはどうすればいいか」を考える。
    ・既存のものを組み合わせる。
    ・新聞に全面広告をうつのは愚策。
    ・とにかく今後はデジタル世界でのビジネスを考える。
    ・グーグルがやっていることに注目せよ。ぐーぐるがどんな会社を買収しているかなど。
    ・セグメンテーションとどんぶりを行き来する。

  • 大前研一氏の本を何冊か読んだことがあるが、この本が一番良かったと思う。
    ☆「0から1」を生み出す11の発想法
    1.戦略的自由度
     ユーザーの目的を考える
     目的を達成するいくつかの軸を設定する
     軸に沿ってどんなことができるのかを検討する
    2.アービートラージ
     世界には日本人が知らないことが無数にある。その情報格差を用いればビジネスチャンスになる。
    3.ニューコンビネーション
     既存のものを足してみる
     足したことで、価格と価値がいかに変化するか
    4.固定費に対する限界利益の貢献の最大化
     今まで稼働していなかった曜日、時間帯を分析して、時には値段を下げてでも稼働率を上げる
     稼働率を上げるためには、ナローキャスティング、ポイントキャスティングの方法でシールドする。
    5.デジタル大陸時代の発想
     5年後の生活、ライフスタイルを想像し、そこからサービスや商品に落とし込む
    6.早送りの発想-いかにカンニングするか
     世界のどこかで起こっている先行的な事例や、先行的な個人、企業をキャッチしてカンニングして自分のものにする。デトロイトテクノロジーfast500
    7.空いているものを有効利用
     既存の思考にとらわれずに360度の視野で空いているものを探す。
     「働いていない」「使われていない」「空いている」ものを有効活用するために、ネットを使ってユーザーとサービスを結びつける。
    8.中間地点の発想-業界のスタンダードを捨てる
     同質のものの中に中間点を生み出す。
    9.他人の立場に立つ発想
    10.すべてが意味することは何?
    11.構想
     他人に見えないものを形にする力
    ☆新たな市場を作り出す4つの発想法
    1.感情移入
    2.どんぶりとセグメンテーション
    3.時間軸をずらす
    4.横展開-他の業界こそ成長のヒントはある。

    具体例も豊富で、知識として知るだけてなく
    落とし込んで自分のものにしていきたい。
     

     

  •  大前氏の著者の中でも実践的な内容で非常に刺激を受けた作品。「戦略的自由度」はMBAの基本として習うもの。ユーザーの視点にたって、自由にやれたらいいことを出すことで、一旦戦略的な自由度を持つということ。技術等を理由にそもそもやれないではないかというバイアスを取っ払う方法。「早送りの発想」は、とにかく真似る。先に真似ることで、優位性を持つというもの。セブンイレブンやマクドナルドを日本に持って来たのも、先見性という言葉ではなく、早送りして、日本がどうなっているはずか見えた人達が伝説となる成功を納めている。「アイドルエコノミー」はウーバーの発想だ。とにかく、空いているものを360度の視界をもって見つける。「中間地点の発想」は同質のものの中間に何があるかということ。折衷案ではなく、あくまでも大きな枠の中の中間点に差別化要因を見つけるということ。
    「どんぶりとセグメンテーション」は、セグメンテーションをきっちりやっていく方法と、細かくなってきたら一度どんぶりで広範囲をカバーできるようなやり方に戻す方法だ。銀行は、どんぶりの状態。融資の審査も借入も一律のルールにのっとる。「ニューコンビネーション」は、水陸両用車のような発想。部屋を見渡してみる。そこにある機能をまとめて一つにしてみてはどうかという発想だ。テレビと時計というのも一つだが、より面白い発想としては、電話を時計にするというものだろう。携帯電話にその機能は搭載されているが、一番使うのは多分時間だろうな。
     一つひとつは頭では理解できるものばかりで、当然そうだろうと思うのだが、それを実践するのが難しい。徒弟制度を活用して、先生を作るシステムを会社で応用できないか。ニューコンビネーションは、オフィスでも、金融でもできないかという発想を持ってみるとか。知見を与えてくれる大前研一氏の魅力が詰まっている。

  • かなり良かった。イノベーション関連本は数年前から出版ラッシュであり、個人的には2014年のピーター・ティール著『ゼロ・トゥ・ワン』が傑作でその他はもう良いかと思っていた。

    しかしそこはやはり大前大先生だ。扱う領域は『ゼロ〜』と同じだが、あちらが起業家や新規事業に必要なマインドセット中心の話であったが、本書はまさにゼロ⇨イチを生み出すための具体的なHow Toが満載。また氏が過去に実際に手がけた事例も添えて語られるから、説得力が当然増してくる。またもちろんだけどティールの本がアメリカビジネスを前提にした話だけど、本書はアメリカの事例もありつつ、日本のビジネスにおいての適用も考えられている。

    大前氏のいつもの主張とこれまでの事例を、うまいことイノベーションブームの文脈に合わせて編集された良い企画の本だと思った。

  • 大前先生の著書は年に何冊か
    読んでいますが、ゼロからイチの
    発想術は私がBBT大学院大学で
    イノベーションの講座を受けた内容と
    近いものでした。

    10年前の教えが今でも新鮮に思えるのは
    大前先生の発想術は一過性のものではなく
    これから先の時代にも応用できる考え方
    であることを再認識しました。

    ① SDF /strategic degrees of freedom 戦略的自由度
    ② アービトラージ
    ③ ニューコンビネーション
    ④ 固定費に対する貢献
    ⑤ デジタル大陸
    ⑥ 早送りの発想
    ⑦ 空いているものを有効利用する発想
    ⑧ 中間地点の発想
    ⑨ RTOCS
    ⑩ すべてが意味することは何?
    11 構想
    12 感情移入
    13 どんぶりとセグメンテーション
    14 時間軸をずらす
    15 横展開

    序章には「カラオケ・キャピタリズム」
    が触れられていました。

    これは、自分の歌かのように気持ちよく
    歌うのがカラオケ。

    SNSやクラウドサービスなどを利用して
    使いこなしているかのようにふるまえる人
    などが一例ですね。 
    大前先生的に言うと「他人のふんどしで相撲を取る」
    人が多くなったとのことです。

    私はまさにこれにあたるのですが、、
    「他人のふんどしを使って相撲を取りながら
    自分のふんどしにしてもおかしくない力士」に
    なりたいです。

    まずは戦略的自由度を自分が行いたい分野に
    特化して洗いざらい出したいと思います。

    良本ですよ!

  • 大前研一のビジネス発想法。

    1. SDF(戦略的自由度)
    人はネジが欲しいのか、穴が欲しいのか
    2. アービトラージ
    逆張りの発想、自分の会社を潰す方法を考えろ
    3. ニューコンビネーション
    水陸両用バス、カメラ付き携帯
    4. 固定費に対する貢献
    機械のシェア
    5. デジタル大陸時代の発想
    AG(After Gates)、サブスク
    6. 早送りの発想
    小さな兆しを早送りして来たるべき未来を想像
    (ソフトバンク、セブンイレブン)
    7. 空いているものを有効利用する発想
    シェアリングエコノミー(iモード)
    8. 中間地点の発想
    中間地点でのスイートスポットを見つける
    9. RTOCS/他人の立場に立つ発想
    自分が社長だったら、上の立場に立つ
    10. すべてが意味することは何?
    森全体を見た思考のジャンプ
    11. 構想
    コンセプト、ビジョン、他人が見えないものを

    ①感情移入
    徹底した思い入れ
    ②どんぶりとセグメンテーション
    シャンプーと銀行の顧客分類
    ③時間軸をずらす
    NVTを考える、BOTの手法
    ④横展開
    トヨタから学んだインディテックス
    スーパーマーケットから学んだトヨタ

    何回失敗しようが、最後の一回で成功すれば良い

  • 事業の作り方を実例を用いて紹介する本。
    起業や新規事業を作る際に参考になる。

  • 非常にわかりやすく、参考になる例が多くあった。とは言え実戦に移せるかといえば、ハードルが高いのも事実だがそれは私自身の問題ではある。

  • 感想
    周囲の、社会のそして自分の壁をぶち破る発想法。大量のインプットと観察力でシーズとニーズを結び、新たな価値観を提供し利益も生み出す。

  • 勉強会の課題図書として手に取った本。
    MBAを取得するための勉強を始めた今のタイミングで読めて本当によかったと感じる。

    本書は、ビジネスリーダーとして押さえておくべき15の発想術とそれを説明するための多数のケースをまとめてくれている。
    印象に強く残ったのは「アービトラージ」の項で、GEのウェルチ氏が「他社につぶされるくらいなら自社の事業部につぶされた方がましだ、自分の会社をつぶす方法を考えろ」と社員に命じたという話。
    これは「自分はこの会社、この業界を知っているという固定観念から脱して外に足場を設け、新鮮な目で見つめなおすことでしか、新しいアイデアは生まれない」というメッセージである。

    他にも参考になった発想術はたくさんあったが、本書でも繰り返し注意されていた通り、いずれも繰り返し使っていくことでしか磨かれないものなので、しっかりと自身の現場に転用して実践的な問題解決能力身に付けていきたい。

    【15の発想術】
    ■SDF(戦略的自由度)
    ■アービトラージ
    ■ニュー・コンビネーション
    ■固定費に対する貢献
    ■デジタル大陸時代の発想
    ■早送りの発想
    ■空いているものを有効利用する発想
    ■中間地点の発想
    ■RTOCS(他人の立場に立つ発想)
    ■すべてが意味することは何か?
    ■構想
    ■感情移入
    ■どんぶりとセグメンテーション
    ■時間軸をずらす
    ■横展開

  • エッセンスが詰まった良本 これが1400円(税抜き)で買える。
    現状及び課題認識:
    ・一個人が世界を変える時代 組織でなく個人として戦う時代
    ・国民国家の終焉。地域国家への変貌
    ☆「0から1」を生み出す11の発想法
    1.SDF:戦略的自由度(壁にぶつかったときに)
     ユーザーの目的(何を求めているのか)を考える
     目的を達成するいくつかの軸を設定する
     軸に沿ってどんなことができるのかを検討する
    2.アービートラージ(情報格差こそビジネス)
     情報格差でサヤを抜く、固定観念にとらわれず外からものを見る
    3.ニューコンビネーション
     組合せで新たな価値を提案する
    4.固定費はビジネスチャンスになる、
     限界利益=売上高ー変動費=固定費+利益
    5.デジタル大陸時代の発想
     5年後の生活、ライフスタイルを想像し、そこからサービスや商品に落とし込む
    6.早送りの発想-いかにカンニングするか
     参考:デロイトテクノロジーFast500
    https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20210408.html
    7.空いているものを有効利用
     「働いていない」「使われていない」「空いている」ものを有効活用するために、ネットを使ってユーザーとサービスを結びつける。
    8.中間地点の発想-業界のスタンダードを捨てる
    9.RTOCS/2つ上の他人の立場に立つ発想
    10.What does this all mean?要するに何なのか?
    11.構想(あなたには何が見えているか?)
     ☆新たな市場を作り出す4つの発想法
    1.感情移入
    2.どんぶりとセグメンテーション
    3.時間軸をずらす
    4.横展開-他の業界こそ成長のヒントはある。
    おわりに 0から1の次は1から100を目指せ
    最後の一回で勝利すれば良い

  • 2022/6/8-15読了

  • ビジネスアイデアを発想するための有用なテクニックについて書かれた本。戦略的自由度や固定費に対する貢献の話ほ非常に勉強になった。

  • 戦略的自由度 
    ユーザーが求めているものはなんですか?
    アービトラージ
    固定観念にとらわれず外からものを見る
    空いているものを有効利用する発想
    もしもあなたが〇〇だったら、が思考を変える
    その時、注意点はデータを集めて考えること
    つねに職位を2つ上げて考えるスタンス
    横展開
    かんぱん方式

  • 消費者のニーズを正しくとらえる。
    情報格差を利用する。
    掛け算の組み合わせをする。
    稼働率向上と付加価値の両立。
    変化のスピードについていく。
    業界のスタンダードを捨てる。
    もし自分が、その立場だったら。
    全てが意味することは、何か。
    構想力。
    感情移入すること。時間軸をずらす。横展する。

  • 既存のビジネスを大きくする「1から2」の発想ではなく、何もないところからビジネスを創出する「0から1」の発想法についての、大前さんからのアドバイス。
    長年、大前さんの本を読んできたので、どれも馴染みのあるアドバイスだが、事例が新しく、かつわかりやすい。脳に刺激を入れて、あとは実践あるのみですね。

  • <どんな本?一言で紹介>
    経営の父・大前研一氏がおくる、「無から有を生み出すイノベーション力」もとい、「限界を突破する発想力の土台となる11の考え方」が紹介されている本。

    <どんな人におすすめ?>
    起業したい、起業した人。
    ビジネスモデルを再構築している人。
    社内で新しい事業、個人で副業としてビジネスを始めている人。

    <読んだら、どんなことが分かるの?>
    イノベーションを起こすために「データを集めてロジックを組み立て、発想を飛躍させる」11の発想法と、4つの実践編。

    ・戦略的自由度(費者のニーズを正しくとらえる)
    ・アービトラージ(情報格差こそビジネスチャンス)

    ・ニュー・コンビネーション(「組み合わせ」で新たな価値の提案)
    ・固定費に対する貢献(「稼働率向上」と「付加価値」の両立)

    ・デジタル大陸時代の発想(高速化した変化のスピードについていく方法)
    ・早送りの発想(「兆し」をキャッチする重要性)

    ・中間地点の発想(「業界のスタンダード」を捨てる)
    ・すべてが意味することは何?

    ・「新たな市場」を作り出す4つの発想法

    <日々の生活、仕事などに活かせるポイント>
    1.「ナローキャスティング」

    例えば、平日の観覧車にどう人を集めるか?
    遊園地のような固定費がかかる産業では、自社の固定費の稼働状況を把握し、機械や設備の「空き」を埋めるアイデアが問われる。

    大前氏が提案するのは、客をセグメントに分け、そのうえで働きかける「シールド化」。
    具体的には、GPSを利用して、LINEなどで観覧車の近くにいる人に「今から3時間以内に乗れば通常価格より安くなる」などとメールを送る。また、同じ施設内のカフェの無料券を配るなどして、施設全体の稼働率を上げるのも効果的。

    このように、特定のターゲットにのみ狭い範囲で行う広告や販売促進活動を「ナローキャスティング」と呼ぶ。この手法による特定のユーザーを狙い撃つ作戦は、固定費産業では非常に有効だ。どんなセグメントにするのか、どうやってお得感を出すのか、アイデア次第で、固定費という資産を有意義に活用できる。

    2.グーグルの動きから「兆し」をキャッチせよ

    新しい概念の「萌芽」は必ずある。現在、世界のどこかで起きている先行事例や企業・個人の動向をつかみ、それをカンニングして自分のものにすることこそ「早送りの発想」だ。

    まずはグーグルの動きをチェックするとよい。グーグルはつぶやきソーシャルネットワークや画像検索、クラウド音楽サービス、人工知能・ロボット関連など実に多彩な企業を買収している。さらにグーグル・グラスや人工知能ソフトなど、先進的な事業を手掛けている。

    インターネットでもモバイルでも、他社の追随を許さない「プラットフォーム化」に挑むグーグルを定期的に観察し、変化の「兆し」をつかむことが必要だ。

    3.森全体を見る視点にジャンプする

    新しいアイデアを考える際、帰納法的な推論を行うことが多いが、事実を列挙しただけのレポートになりかねない。そこで「What does this all mean ?(それらすべてが意味することは何なのか?)」と問い直し、思考をジャンプさせること。

    つまり、一本一本の「木」から「森全体」に視点を引き上げるように、各論を高い次元でとらえ直すことが、イノベーションにつながる発想を生む。

    例えば、「少子化によって市場は縮小しているが、ビジネスにおける有望な点はないか」という問いがあったとする。まずは、年少人口の減少や子ども向けビジネス市場の縮小という「事象」を並べる。次に、比較対象として「少子化で伸びている市場」、例えば「ペット」に関する事象をもってくる。

    すると、年少人口よりも、犬と猫の飼育数の合計のほうが多いことがわかる。そこで発想を飛躍させ、「子ども向けビジネスからペットを子どもとみなしたビジネスへとシフトする」という結論を導くのだ。そして、ペット同伴可能の飲食店やホテル、ペット専用スポーツクラブ、ウェブカメラなどを用いたペット見守りサービスなど、具体的なアイデアにつなげていく。

    <感想>
    起業しないのに読んでしまった。が、個人レベルに落とし込める戦略もあるのと、書籍だとしても、経営者の考え(しかも、世界トップレベル)に触れることは、いい機会だと思っている。

    4つの実践編のうち、「時間軸をずらす」。肝となるのは「コスト」と「投資」の時間軸を変えることである。これは時代の変わり目では、個人レベルで重要なんじゃなかろうか。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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