逆説の日本史3 古代言霊編(小学館文庫): 平安建都と万葉集の謎 (小学館文庫 R い- 1-3)
- 小学館 (1998年4月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094020038
感想・レビュー・書評
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道鏡と称徳天皇の関係、桓武天皇による平安遷都の謎、そして『万葉集』にひそむ謎が解き明かされます。
著者は、道鏡と称徳天皇が男女の仲にあったという通説を退け、持統天皇と藤原不比等の結束によって受け継がれてきた政治体制を否定して、日本に「易姓革命」をもたらそうとするのが、称徳天皇の狙いだったという説が提示されます。
また平安遷都の理由については、桓武天皇が早良親王の怨霊を恐れたためだという主張が展開され、風水に基づいて平安京の地理的性格を明らかにし、さらに東北の蝦夷征討も同様の理由によって説明しています。
『万葉集』の謎については、梅原猛が『水底の歌』で論じた柿本人麿の怨霊史観が採用されています。ただし、当時水死刑というものはなかったという、梅原の著書に対して寄せられた批判を念頭に置いて、人麿の遺体が海に遺棄されたという見解が示されています。
日本人が言霊の発想に今なお束縛されていると言い、平和憲法をめぐる左派の言説の虚妄を批判する議論に入り込んでいるところもあります。 -
日本の歴史は、怨霊信仰と言霊によって語られる。桓武天皇が平安京に遷都したことは、当時の最先端科学である風水の考えによるものだし、日本古代文学の奇跡とも言うべき万葉集は言霊信仰の昇華である。怨霊と言霊、古代から現代にも続く日本人の本質を見事に語りつくしている。
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この巻では、「道鏡と称徳女帝」「桓武天皇と平安京」「万葉集と言霊」を扱っています。著者の見解と今の歴史の常識とは今回はかけ離れていません。ので、こう言う人はこう言う見方をすると思えます。
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着眼点は面白いのだが回りくどい。この3つのテーマで400頁超も必要なのか?と思ってしまった。テーマの興味有り無が好き嫌いの分かれるところ。
第1章 道鏡と称徳女帝編
第2章 桓武天皇と平安京編
第3章 『万葉集』と言霊編 -
(「MARC」データベースより)
「軍隊と平和憲法」論争の原点は平安京にあった。武人であった天皇が帯剣することもやめて平安遷都をした古代日本の謎を、言霊信仰によって解いていく。 -
平安建都と万葉集の謎
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今の平和憲法と言霊信仰を結びつけるのは、少し強引な気もする。
ただ、怨霊封じとか、言霊信仰とかが、日本人の精神の通底にあるのは、否定できないと思う。 -
何故、東大寺の大仏ができたのか?平安遷都の本当の由来は?怨霊信仰や言霊(ことだま)信仰を大事にしてきた背景を我々は気づかず、日本文化を語り、歴史を学んだりしてきたのではないだろうか?
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トンデモ歴史がお好きな方におすすめな本です。
そうでなくても、歴史に対する見方やものの見方が変わることまちがいなし。