逆説の日本史4 中世鳴動編(小学館文庫): ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫 R い- 1-4)
- 小学館 (1998年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094020045
感想・レビュー・書評
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・六歌仙,歌仙方式的鎮魂:因惟喬親王失去繼承權而失勢、被流放成為怨靈預備隊
・言霊ー文字本身具有可動天地之超自然力量,而歐美相反則是超自然力量給人啟發。桓武廢除軍備而之後武人(用司兵)擊退外敵但不受獎賞,關鍵在於言霊信仰,因為古人認為天災戰爭是怨靈造成,「平和平和と歌で読めば、この言霊の力によってあらゆる神や怨霊がなだめられ、.....歌の力でこういう悪霊をなだめておけば、そもそも侵略など起こりえない。従って、そういう宗教を信じている人間から見れば_....武力によって刀伊を撃退したことは「余計なこと」だったのである。」
・言霊教国→まず侵略の可能性があるなどと想定すること自体許されない。言霊の世界では言えば「実現する」のだから、そういう不吉なことはコトアゲできない
・「顕幽分離主義」(認可大国主命在幽界王權也替他蓋宮殿,但他無法影響縣市支配)
・歷史研究家常常忽略歷史上人物的思想背景。
・「西洋には偉大なる精神を小説で表現できるという思想がある。こういう思想的な背景があってこそ小説は発達する」。中國儒家傳統歧視小說(這個字本身就是虛構不入流之意,羅貫中寫小說據說三輩子生出啞巴),因而為何日本當時受中國影響如此大,小說卻可以發達?
・物語り是霊語り,也是一種鎮魂方式,源氏一族是藤原氏爭權的手下敗將,道長之所以容許並贊助這個以自己政敵為主角(甚至在其中擊敗政敵且成為准太上天皇)的小說(近世之後活其他國家都不可能)。「怨霊が架空の物語の中で如何に活躍しようと、いや、むしろ活躍すればするほど怨霊を気分を「よくし」て祟りがなくなる。即ち鎮魂になる。だからこそ道長は「処罰」もせずに、むしろ積極的に紫式部の政策を応援していだのだ」「怨霊信仰こそ、日本の政治、文化を動かす原動力だからである」。頗有道理,這樣北野天神緣起絵巻就很有說服力。
・後三条天皇開始院政,以這個制度天皇再度奪回實權
・為何戰爭不會消失當然和貧困飢餓有關,但那透過援助還可以解決,「問題は宗教(及びイデオロギー)である。日本人は「話し合い」が大好きで、何でも話し合いで解決できると思いこんでいるが、実際に宗教の問題はまず話し合いでは解決しない。なぜなら各宗教ごとにそれぞれの「正義」があり、その「正義」は「神の命令」であるから、人間の勝手(つまり話し合い)では、変えられない、いや変えてはならないからだ。その正義を貫くためには、これもまた日本人の大好きな平和を擲ってでも戦う、つまり戦争するということも辞さないのである。人間を動かすのは合理的な概念だけではない。非合理的な概念も、それが非合理的であるからこそ強く人間を動かすといことである。」
・ケガレ的思想(例如專用餐具),特地創検非違使(令外官),處理犯罪和清掃。現在的自衛隊也是這種令外官般的存在。ケガレ走太過頭就會導致認為政治都是髒的,就採取完全無為的態度(天皇與平安貴族),髒事讓武將去做就好。ケガレ的概念就是差別的源頭。
・不喜歡教科書中出現反歧視教育的人→物事を直視せずに、むしろ無視する、つまり無い事にすれば実体もなくなる。(把穢多這幾個字除掉就沒事了)不思及轉型正義,只想要「水に流そう」
・和平乍看之下只是戰爭的反義,但其實需要龐大的努力和計算,甚至可能還有髒活(例如家康殺掉秀賴,義滿欺騙南朝),戰爭也不是絕對的惡(這是目前教科書的教法)。日本人討厭ケガレ,認為和平是「キレイなもの」,所以認為處理ケガレ的軍隊絕對不是什麼好東西,排除軍隊想要和平這不過是一種迷信,正義不會必勝,而正是這種平和主義者讓希特勒崛起。
・司馬遼太郎(風塵抄):「平和とは、誠にはかない概念である。単に戦争の対語に過ぎず、"戦争のない状態"をさすだけのことで、天国や浄土のような高度な次元ではない。あくまでも人間に属する。平和を維持するためには、人脂のべとつくような手練手管が要る。平和維持にしばしば犯罪まがいのおどしや、商人が利を逐うような懸命な奔走も要る。さらには複雑な方法や計算を積み重ねるために、奸悪の評判までとりかねないのである。例として、徳川家康の豊臣家処分を思えばいい。家康は三百年の太平を開いた。が、家康は信長や秀吉に比べて人気が薄い。平和とは、そういうものである」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回の”ケガレ”論をもとにした九条改正論。なーんか納得いかない感じ。いや、そもそも日本史とは論点がずれてる気がするけども。
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軍隊が公式上はない日本。それは平安時代も同様だった。その軍隊の不在が武士を世を生み出した。これからの日本は…
平安時代編。藤原政権の最盛期。しかし藤原は一人勝ちじゃあなあったんだな。というのが良くわかる。藤原氏も苦労して地位を独占していたんだ。そして当然恨みを買って、地位を脅かされたり、後半には天皇の逆襲を食らって、院政というシステムが始まってしまう。
後三条天皇という一見知名度の低い天皇が歴史の転換期に活躍したのが良くわかる。後三条天皇にすごく興味を引かれる話だった。
小説が蔑称だというのは目からうろこ。そうなんだよね。なんで「小さい説」なのか全然イメージできていなかった。
武士が生まれた理由は、改めて詳しく学べたって感じがした。後三条天皇の政策のおかげで源氏が復権していたというのもとても良い歴史知識だった。 -
藤原氏の摂関政治から、武士の台頭する院政期までを扱っています。
著者は、藤原氏の政治上のライヴァルであった源氏を主人公にした『源氏物語』にも、怨霊の鎮撫という理由があったのではないかという主張をおこなっています。また、武士による政権が確立するまでの紆余曲折に、ケガレ思想が影を落としているという、興味深い視点からの考察が展開されています。 -
第4弾。藤原摂関家とはどのような性質なのか。その本質は天皇家の寄生虫である。このひと言で全てを理解できてしまうほど、明快で的確な指摘である。律令制度が禁止していた土地の個人所有を荘園によって骨抜きにし、個人所有の土地を守るために武装集団が必要となり、やがてその武装集団が公家政治を脅かす存在となっていく。その武装集団の頂点として平家が誕生し、平家が政治の実権を握っていく。この時代のキーワードは墾田永年私財法から始まる、土地の個人所有になるだろう。
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逆説の日本史シリーズは、「著者独特の3つくらいの視点を持って日本史を解釈し直す」、という部分がとても面白いと思っています。
今のところ自分は、この巻が一番インパクトを受けました。
著者が提示する【ケガレ思想】(ケガレについては他の人の発表もあります)が平安時代に最も大きい影響を及ぼしていたとの内容です。
この【ケガレ思想】という日本人の行動原理とも言うべき思想は、現代日本人の行動に照らしてみてもあっていることが多いと思います。
この考え方を知って、日本人の行動や考え方について気づき・納得させられることがとても多かったです。
【ケガレ思想】と【日本人の行動】の関係、とても大きな衝撃でした。 -
読了。怨霊と言霊そしてケガレという着眼点と指摘は面白いが解説が回りくどく非論理的。12巻構成ではなくもう少し濃縮してもよかったように思う。
「良房と天皇家編」で語られた藤原家が反目する源家を描いた点に注目するなど非常に鋭いところが多々あるだけに惜しい!
・『古今和歌集』と六歌仙編―“怨霊化”を危険視された政争の敗者
・藤原摂関政治の興亡(良房と天皇家編―平安中期の政治をめぐる血の抗争
・『源氏物語』と菅原道真―ライバル一族を主人公にした謎
・「反逆者」平将門―初めて武士政権の論理を示した男)
・院政と崇徳上皇編―法的根拠なき統治システムの功罪
・武士はなぜ生まれたのか編―「差別」を生み出したケガレ忌避信仰
・平清盛と平氏政権編―「平家滅亡」に見る日本民族の弱点 -
何故、藤原氏が天皇家に取って代わろうとしなかったのか。答がはっきり示されていないような気がする。「源氏物語」に入った当たりから何となくはぐらかされてしまったような。まあ、怨霊信仰+ケガレ信仰でなんとなく理解できるけど。
また、護憲派、自衛隊反対論者を、実は日本古来のケガレ信仰、言霊信仰の影響によるものであり、世界の常識に反する、と喝破する論調は鋭いけれど、かなりくどい感じ。
何カ所か、司馬遼太郎の「風塵抄」が引用されていた。よまなくちゃ。海音寺潮五郎の「悪人列伝」も引用あり。こちらは再読しないと。 -
(「BOOK」データベースより)
日本人の「平和意識」には、ケガレ思想に基づく偏見があり、特に軍隊というものに対する見方が極めて厳しく、「軍隊無用論」のような世界の常識では有り得ない空理空論をもてあそぶ傾向が強い。また、なぜ世界でも稀な「部落差別」が生れたのか。差別意識を生むケガレ忌避思想を解明し、その精神性の本質に迫る。